[ちなみに、一枚目の「狭い」は形容詞・連体形の間違い]
今、lang-8で、日本語の文法を解説してみるっていう試みをしているのですが…これが難しい!
実際、文節と単語の定義をするはずのページで、「単語」の定義を間違えていたっていう墓穴を掘ってしまい、新たに書き直さないといけなくなっちゃった。
だから今度はちゃんと一発で導入部分を理解できるような、お互いにとって効率的で端的な図を用いて説明する。できれば、日本人のみんなにもこういう理解を考察してもらって、説明に対するスタンスを振り返ってもらう事も狙っている。
今回の写真はその2枚。一枚目は草稿段階。
http://lang-8.com/135031/journals/1102361/This-is-an-anno...
で質問なんですが、画像に貼付けた一文について質問があります。「苦しそうに」の「そうに」は
様態の助動詞(の連用形)といって、その様態を表す形容詞の「
語幹(苦し-い、の「苦し」の部分)」に付くそうなのですが、この「
苦し」は「
活用されている」という定義なのでしょうか、それとも語幹のままだから、「
活用されていない」という定義のなのでしょうか? それとも、「苦し-そうだ」でひとつの複合語として考え、それの活用の連用形として捉えて「苦しそうに」とするべきなのでしょうか?
国語は得意だっていう方、教えてください。
spin off talk ... 日本語文法をおさらいして気がついた。
やっぱ、日本語って英語より複雑だと思う…。英語って文の構成は、動詞、副詞、形容詞、名詞、前置詞でだいたい事足りちゃう。形容動詞とか連体詞とかないんですよね。「大きな木」は、A Big Treeでしょ。Big は形容詞、treeは名詞、以上。みたいな。ま、冠詞ってのもあるけど、文の構成にはそんなに重要じゃないでしょう。
ところが、日本語訳の「大きな」って、形容詞じゃないんですよ。
連体詞なんです。元々は「大きなる」っていう古文でいうところの、形容動詞の連体形だったのが、連体形以外の形が退化して連体形だけが現代日本語として生き残って、「大きな」っていう「る」が脱落した形で残っているらしいんです。
現代日本語には、古文が影響しているんですね。関西の言葉では、今も昔の文法則を受け継いだ言い方が残っているっていうことを聞いた事がありますが、それも確認できました。福岡弁にもそれがあるとのことです。それを言ったら、英語も「ラテン語が…」ってことになりますが。
彼ら、JAPANESE LEARNERSは助動詞や助詞、形容詞の変化等をよく間違えますが、その日本語に苦しむ気持ちが少し理解できました。改めて考えると、これを海外の人に理解しろってのは、ちょっと酷かもしれないですね…。
日本語って日本人から観てもややこしいわけです。やりましたよね、ここらへん。「大きな」は形容詞じゃなくて、連体詞って。ちなみに、ここ中学受験で頻出らしいです。
そして、ここらへんはよく日本語学習者が「大きいだから」という風に間違えるポイントでもあります。
これは、(格)助詞の「から」という言葉を理屈で理解できていないだろうことが読み取れます。要するに彼らはみんな、「〜だから」で暗記しているのです。「大きな」という連体詞や、「〜だ」という形容動詞とも混同している可能性も考えられます。
これはそもそも日本人が、その理屈をちゃんと教えていないってことも、その要因のひとつだと思うのです。つまり、日本人もその文法を「理解していない」可能性があるってことです。日本人はこんなことをいちいち考えてしゃべっていないですからね。第一言語の理解なんてどこの言語もそんな感じだと思います。
日本人の添削を見ていると、ここらへんの説明を逃げている記述がよく見受けられます。僕も説明できなかった事が何回もあります。
自分を含めてみんなだいたい、「ここはこうだから…こう覚えて。」と部分的な説明に終始してしまって、全体的な体系の中で説明できている人は少ない。
言ってしまえば、「こう覚えて」と言うのは、英語の教師に例えれば無能な教師が言うセリフであって、教師が優秀であれば優秀である程、そんなセリフは言わなくなる。理屈で説明しきるはず。それで苦労してきたんだから、そういうことをなるべく言うべきじゃないと思った次第です。
そんなこんなで、これは少し説明する必要があると思っていたし、ひょっとしたらレアで、将来的にもニッチな情報になるんじゃないかと、模索し始めたところでもあったりするわけです。で、実際やってみたら少しナメてたって事に気がついた。日本語文法、簡単じゃないですね。
日本語文法はいろんな概念を理解してきた今なら、当時は浅かった理解も速く深くできますが、それでも超簡単ってことでもないです。
概念的なことを考えると、それこそ言語学の領域になるんだと思います。チラ見程度ですけど、意見が割れている理解もあるそうで、深入りは禁止だなと思いました。
もしかしたら、英語学習に繋がるアプローチも見えるんじゃないかと、淡い期待をしてみたりしています。
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