「なんだこんな簡単なフレーズも理解していないじゃん。」ってのはけっこうある。問題文の中でさえ。
質問のために使われいる簡単なフレーズだったとしても、リスニングのpart3, 4の各問題の前の8秒っていうポーズ時間を限定されると、その問題文の意図すら把握できない、弱くなるってのも多い。
むしろ8秒間の間に選択肢も含めて全部読める事の方が少ない。「文」の構成で選択肢になっている問題は理解が極めて薄い事が多い。
わかったふり、っていうのがこの500〜700あたりのレベルだと思う。ホンのちょっと関係詞やらを織り交ぜて質問されるだけで、理解が弱くなっている。
問
''What does the speaker say is another opinion the team has to control the situation?''
「話し手が述べている、状況を管理するためにそのチームが持っている他の意見は何ですか?」
日本語ならすぐにわかるけど、英語だとすぐにはわからない。冷静に読めばなんて事ない文でも、時間を限定すると「こんなにも理解が薄くなるんだ」っていうのは、TOEICで痛感できる。
これが日本語のように一瞬で理解できる人は、上級者だと思う。日本語と英語で理解するために要した時間の差が小さいのが上級者。
だいたいの人は「あれ、say と is と has to がある! この文の述語はどれ?」っていう感じだと思うけど、こういう基本的なこともわからなくなるのがTOEIC。TOEICがスピードをコンセプトにする理由は、ここら辺にあるんだと思う。
ちなみにこの例文の述語は say でhas to はhas toではなく、hasで一度切れていて、to 以下は不定詞で副詞用法(形容詞用法かも)。[the speaker says that what is another opinion the team has to control the situation.の what を前に出した疑問形。]
こういうことを頭で考えるのではなくて、日本語のように直感で意味を汲み取るくらいじゃないと高得点は取れないようになっている。本当にうまくできている、TOEIC。
よくアスリートがうまくいったシーンを振り返って、「自然に体が反応した」って言うけど、あれは要するに、何万回も同じ練習を繰り返したからってことに他ならない。頭より先に体が動くっていう感覚。
世界新記録を更新するアスリートはおそらく、練習では世界新を連発していると思う。試合で初めて世界新を出している訳じゃないと思う。
なんでも物事を極める人っていうのは、難易度や程度の差もあるけど、概ねそういう感覚を持っているものだ。
また、前回のTOEICで思った通りで、リスニングに含まれるような、簡単だけど英語独特の言い方をしているところがやっぱりイメージできなかったり、聴き取れていなかったりで、スクリプトを読んで初めてそういう表現に気がついたりしている事も多い。
''The job went to Ms. Willing.''
「その仕事は、Willingさんが担当する事になった。」
これはたしかに前文があって意味が限定されるものだけど、TOEICの中級レベルの人が理解できていないのは、実はこういう簡単な句動詞等だと思うし、speakingに関して言うと、こういう言い方は中級者にはできない。使っている単語はド基礎英語なのに。
句動詞やこういう簡単な単語で構成される言い方は使っている単語が簡単だから、あえて調べようとかは思わないし、なんとなくで意味を把握しようとしてしまうために結局、意味があいまいなまま。中級者と上級者の違いのひとつはここにあると思う。
聞き慣れない、抽象的な単語は意外と理解できているし、聴き取れているのが中級レベルだと思う。
でも盲点になっているのは、こういう簡単な句動詞がハッキリとしたイメージを伴っていない点だと思う。
他にも、TOEICの模試をガンガンこなすと、自分がつまずいている小石の存在に気づく事ができる。
内容が淡白だから面白みに欠けるという感想が多いTOEICだけど、それでも、このTOEICのコンセプトを理解して力にすれば、英字新聞だろうと英語のニュースだろうと、メッセージを詳細に受け止める事ができると思う。
本当の意味での英語の基礎力、少なくとも受信英語としての基礎力はTOEICで完成すると思う。
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