相場の正解は常に変化している。
そう思います。
金曜の夜、日本が一週間の仕事を終え、サラリーマンが夜の歓楽街で夜を楽しんでいただろう深夜、NYのwall streetでは、今、地球上で最も影響力のある発言をする人のうちのひとりだろうイエレンFRB議長の声明で活発な動きがありました。この人の発言で、世界は右往左往するのです。
*訂正…イエレン氏の発言はなかった模様です。雇用統計の数字だけが発表されたそうです。
アメリカ経済は昨年10月に、リーマンショックから始まった量的緩和が終了し、次の段階として金利引き上げの段階に移ろうとしています。
長きにわたるインフレ政策を終焉させる、つまりアメリカ経済をクールダウンさせるということです。
昨日発表された雇用統計が予想を上回る数字が出ました。つまり失業者が減少した、ということです。
これを受けて先週末最後の金融市場であるNY市場は大幅に値下げして終了しました。
おかしいですね。
通常、雇用統計数値の増加は失業率の低下を意味し、経済がこれから消費を増やして好循環する傾向を示します。株式市場としては「買い」の指標です。しかしNYは売られたわけです。
マーケットのルールというのは、常に変化しているのですね。状況に応じて、マーケットの正解が常に変化する。
そのわけは、雇用統計はイエレン氏が一番重要視している指標で、この数値に改善が見られ次第、金利を引き上げると言っているからです。
金利が上がる→預金者が増える→消費が減る→企業の売り上げが減る→株式市場から資金が引き上げる=NY市場の相場が下がる、という図式です。
ただ、アメリカの国民性として、金利が少し上昇したからと言って預金するのか、というと、日本人の感覚と同じという風には考えないほうがよさそうだとは思いますが。。。
世界ではアメリカの消費頼みの国がたくさんあり、というかほとんどで、アメリカが買ってくれるから物を生産している、という国が多いです。倹約国家のドイツと違い、そして一人当たりの購買力がまだ高くない中国と違う、「高い購買力×3.6億人のマーケット」を超えるマーケットは、まだ世界に存在していません。
アメリカの金融緩和策は、アメリカ国内の株式市場にも潤沢な投資資金が集まりましたが、日本を初めとした他国にも投資資金として流入しています。
金曜の深夜の外為市場では、対ドルに対してほぼ全ての通貨が下落するという顕著な特徴が出ました。
この下落した円貨によって、理論的には、金曜夜に飲み食いしたサラリーマンの支払額が数人で12,000円程度なら、お店側はお客さんが飲み始めてから店を出ただろう時間までに100円の価値の損失を出している計算になります。
通貨価値を考えるときは、まず国内の緩和策の状況における時間軸の絶対的な価値の比較と、対外国通貨との為替における相対的な通貨価値の上げ下げの2つの軸で考える必要があります。とりわけ、各国の基軸通貨になっているドルとの対ドル換算は重要です。
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