EUとギリシャの会合は、ドイツを初めとしたEUの圧倒的な寄切り。
EU運営側の方が事態を正しく評価できていて、それによるEU運営側の損失や被害、リスクも高い精度で見積もれていたような感じがある。それゆえ、交渉の場ではっきりした態度を取り続けることができていた。全ての覚悟はできているように見えた。
finacial timesでは、EUは譲歩するべきだとしていました。EUもギリシャにユーロから抜けられると、ギリシャの後を追う国が出てきて、ユーロ体制がほころびかねない。
ユーロが目指しているのは、例えばアメリカの州政府が集まったような、あるいはイギリスのような連邦制だったりの、国のあつまりの連合体みたいな、経済的な強いつながりだと私は考えている。
一方、ギリシャに減免を許してしまうと、他の国から、「うちも減免しろ」とさらなる減免要求が出る可能性がある。両者ともに、もうこれ以上下がれない、譲れない一線の上に立った上での交渉だった。
Financial Timesは、融資する側の責任として、返せない相手に貸した側にも責任がある、とした。まぁ、当然の話なんだが。
とある米国の著名金融家が
「あなたに100ドルの負債があれば、それはあなたの問題だ。しかしあなたに1億ドルの負債があれば、それは銀行の問題でもある」と言っていたらしい。
なるほど、だ。
ただ、そもそも論としてギリシャも、ユーロに残りたいのに、借金は踏み倒したいっていう、2兎をおったギリシャの先の選挙が間違っていた。民主政治は、主権者の国民がバカだと間違った方向に突き進む。
それを、交渉の場でほぼ一方的な負け試合をしてきたチプラス首相を責めるのは、どこか違う気がする。
チプラス首相も、本当にギリシャをなんとかしたくて首相になったのか、それともただ単に政権が欲しくて国民が喜ぶことを言っただけなのか。後者だと問題だ。
政権が欲しいがために国民に甘い声をかけると、その後、その発言内容を実現させようとするのに大変な苦難がまっている。思えば日本もそうだったのだろう。
軍事政権が成立して、自分達のロジックの正しさを証明するため、避けられたかもしれない勝てない戦争をして、負けているのに「勝っている」とウソの報道をし始める。たくさんの戦死者を出しているから、なおさら「勝てませんでした」なんて言えない。都合の悪いニュースは流さない。どんどん状況は悪化する。
政治屋がトップに立つと、ろくなことがないのは歴史が実証している。そして政治屋をトップにしてしまうのは、現代日本の場合、国政主権者の国民だ。
私がギリシャに注目しているのは「国民がバカだとどうなるのか」という点で、日本の明日を重ねているから。
ギリシャの場合、IMFが介入しているので、本当に苦しい生活を強いられていると思う。それゆえ疲弊しているので、今回の反緊縮は理解できなくもない。
がしかし、やはり客観的に見ると反緊縮は難しいのではないか、というのが大勢だと考える。
このNHKの特集は秀逸。DVDは出ていない。
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