今回は英語というより、日本語のお話かもしれません。
英語の先生は文法を説明する時、主語、目的語、補語、という文法用語と並列させて、「動詞」という文法用語を使います。「動詞」というのは品詞であり「〇〇語」という次元のグループと並列させるのには、少し違和感を感じます。分類される枠がひとつ違うのに、並列させて説明しているからです。
最初は、日本語と英語の文法則上のシステムエラーみたいなものだと思っていたのですが、英語で考えてみても、動詞と述語の間に、あるのが望ましいのではないかと思われる「〇〇語」という文法定義が存在していないようです。
つまり、英語の文法規則及びその定義で考えてみても、元々そういう定義が存在していない、ということです。
ところで、述語ってなんでしょう?
誰かに正確に、いや、ざっくりとでも、その定義を説明できますか?
実は…できない(?)ですよね。私はできませんでした。
はい、確認しましょう。
じゅつご【述語】
① 文の成分の一。文中で「何がどうする」「何がどんなだ」「何が何だ」における「どうする」「どんなだ」「何だ」にあたる語または文節をいう。「花が散る」「頰(ほお)が赤い」「あれが駅だ」における「散る」「赤い」「駅だ」の類。
② 〘論〙〔 predicate 〕判断命題において,主語について何事かを述べる語。賓辞。
↔主語
この定義は、どこの地域の言葉について、という但し書きがないので、日本語というわけでもなく、言語の文法学上の定義といえそうです。
つまり、英語でいうところの動詞[V]、叙述形容詞[C]、名詞[C/O]は全て述語ということになります。主語と述語 は互いに対の言葉であり、二項対立概念です。
叙述形容詞[C]、名詞[C/O]も述語ということは、目的語[O]、補語[C]もこの述語に含まれるということです。
述語={動詞、目的語(名詞)、補語(名詞、叙述形容詞)}が含まれているということです。
日本語だと動詞は「自立語」という分類ですが、英語にそういう概念や分類はないと思います。
じりつご【自立語】
国文法での単語の二大別の一。ある観念を表し,文中で単独でも文節を構成することのできる語をいう。名詞、代名詞、動詞、形容詞、形容動詞、連体詞、副詞、接続詞、感動詞の類。詞。 ↔付属語
英語において考えてみても、動詞と述語の間に、グルーピングをするような「〇〇語」というような項目はなさそうです。
◯述語ー目的語ー名詞
◯述語ー補語ー名詞、形容詞
という分類なのに、動詞だけ
◯述語ー動詞
という振り分けです。その間に〇〇語という定義が存在していない。
たしか、この動詞、目的語、補語を並列させて教えることを「どうかしている! 動詞は述語だろ!」と、いかにも「さもありなん」的な主張される英語の先生がいて、著書の中で主張されていたかと思います。
ですが、上記に示したところによると、目的語、補語もどうやら述語の定義域に当てはまりそうなのです。
さらに、そもそも述語と動詞の間にあるのが望ましいかと思われる「〇〇語」という定義が存在しないことについては、あるべき秩序は示せない。存在しないのだから。
よって動詞と目的語、補語を並列で説明するより他なさそうです。
☆これに関係しそうな書籍
【すごい、恥ずかしいくらいのどストレートなタイトル名です…。'Get the Real ... lol'
「動詞は述語だろ!」と言っていたのは、もしかしたらこの人だったか。この人の解釈は、「句動詞だろうが、自動詞+前置詞だろうが何だろうか、要は動詞だろ? 他動詞覚えるのとどう違うんだよ? nativeはいちいちそんなこと判断してねーよ。」っていう解釈。たしか。
ざっくり言うと、主語以外全部述語で(そりゃ、そうだ。)、主語と述語の関係がいつも成り立っていて、このワンパターン【=何が[主語]、どうする[述語]】だけ理解出来ればOK! すべてはこの関係で説明できる、っていう感じです。(改まって主張するようなことでもないのですが。)
ある種、ここで述べたことと同じようなことを述べていたと思います。タイトル通り、かなり中身も直球勝負なテイストで、英文法の参考書の中では異端でしょう。
理屈はざっくりしていますが、大局的な極論という感じで、文法で頭が混乱している人のうち、読む人が読めば、頭の中がまとまる人もいるのかもしれません。フォローじゃないですけど、解説はしっかりしてますよ。】
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