毎週水曜日は smart.fm で更新してきた、
旧チャンネルブログの文法問題を引き続きお届けします。
今週は解答編です。
チャレンジしてくださった皆様ありがとうございます。
変な問題でごめんなさい。><
今回のテーマは
of についてでした。
of は辞書見れば、山ほど意味があります。そんなの普通は全部1度に覚えられないではないですか。
そこで、私の師匠の1人、川田拓矢先生はこのようにおっしゃっています。(「英語のツボ」p62ページより)
>辞書を引くと of の項目には15も20もいろいろな意味が並んでいる。しかし、実際の英文で目にする of はおおよそ次の3つである。私はそれを<of 3態>と呼んでいる。この3つ以外は例外としてそのつど覚えればよい。
で、この3つの例として挙げられた説明文が今回の6個の英文だったのです。
では1つ1つ吟味しましょう。
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問題:次の英文の日本語の訳例を「多少ぎこちなくてもいいので」作りなさい。
ただし of を「の」と訳してはならない!(「を」などは可。)
<1>関係「~に関する、~に関して」
(1)This book treats
of modern war.
正解の1例「この本は現代の戦争のことを[
に関して]扱っている」
●私からの補足
of は about (~について)に近い意味が元々あります。
【何かと何かがどういう関係なのか?】…というものです。
『関係性・関連性』があるよ…という意味を表すのが of の基本と考えることができると思います。
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ここからは全て A of B の「関係」です。
<2>所有「~を持っている、~が持っている」
(2)I was born in the age
of peace and affluence.
正解の1例「私は平和と豊穣[
を持っている]時代に生まれた」
●私からの補足
今回は 「age
of peace and affluence」を考えます。
これは
[ageさん]が[
peace and affluence]
を持っている
…という『
所有関係』なのです。
同じ『所有』でも、前後の
位置関係が逆なのが
次の問題。
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(3)The legs
of this table are broken.
正解の一例「このテーブル[
が持っている]脚は折れている」
●私からの補足
今回は 「legs of
this table」を考えます。
これは
[
this tableさん]
が[legs]を
持っている
…という『
所有関係』なのです。
これはさっきの(2)と
前後が逆であることが分かるでしょうか?
(2)(age
of peace and affluence)は
⇒[ageさん]が[
peace and affluence]
を持っている
(3)(legs
of this table)は
⇒[
this tableさん]
が[legs]を
持っている
のです。どうです?
逆でしょ? 不思議でしょ(^^)?
所有の of はどっちもできる性質を持っています。
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<3>格
(ア)
主格「~
が」
(4)Do you believe the existence
of ghosts?
正解の一例「あなたは幽霊[
が存在すること]を信じますか?」
●私からの補足
今回は「existence
of ghosts」を考えます。
これは「所有関係」ではありません。
⇒[existenceさん]が[ghost]を持ってないですし、
⇒[ghostさん]も[existence]を持ってないです。
★これは「
主語と述語」の関係なのです。
これは
[
ghostsさん]
が[exist]している
↑主語 ↑述語
…という『「
主語と述語」の関係』なのです。
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<目的格>「~
を」
(5)I have come here for the exchange
of opinions.
正解の一例「私はここに[意見
を交換する]ために来たのだ」
●私からの補足
今回は「exchange
of opinions」を考えます。
これは「所有関係」ではありません。
⇒[exchangeさん]が[opinions]を持ってないですし、
⇒[opinionsさん]も[exchange]を持ってないです。
★これは「
目的語と他動詞」の関係なのです。
これは
誰か が [
opinionsさん]
を[exchange]している
↑主語 ↑目的語 ↑他動詞
…という『「
目的語と他動詞」の関係』なのです。
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■この、
<主格>と<目的格>というのはたまに「紛らわしい意味」を作ります。
例えば
the slaughter
of the King
の意味が分かりますか? slaughter とは「虐殺・殺戮」という意味です。
もし<
主格>だったら
[
the Kingさん]
が[slaughter]している
↑主語 ↑述語
…となり「
王が行った虐殺」という意味になります。
しかし、もし<
目的格>だったら
誰か が [
the Kingさん]
を[slaughter]している
↑主語 ↑目的語 ↑他動詞
となり「
王を殺すこと」という意味になります。
さあどっちだ?(^^;
実はこういう「
紛らわしい場合」、
⇒
<主格>には「’sをつける」
というルールがあります。
つまり
the slaughter
of the King
この場合、「
’sがついていない」ので⇒<
目的格>
⇒「
王を殺すこと」という意味になります。
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では「
’s」をつけてみましょう。
the slaughter
of the King's
この場合、「
’sがついている」ので⇒<
主格>
⇒「
王が行った虐殺」という意味になります。
・まとめ
the slaughter
of the King「
王を殺すこと」
the slaughter
of the King's「
王が行った虐殺」
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※<主格>の場合、「’s」がつくのは「
紛らわしい場合のみ」です。
例えば
「existence
of ghosts」の場合
どう考えても
[ghostsさん]が[exist]する⇒
○幽霊
が存在する
誰かが [ghosts]を[exist]する⇒
×幽霊
を存在する
となり、紛らわしくない。
このように
「紛らわしくない場合」は<主格>でも「’s」はつかないわけです。
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<同格>「~という」
(6)She knew the fact
of my having failed.
正解の一例「彼女は私が失敗した
という事実を知っていた」
●私からの補足
今回は「fact
of my having failed」を考えます。
これは「所有関係」ではありません。
⇒[factさん]が[my having failed]を持ってないですし、
⇒[my having failedさん]も[fact]を持ってないです。
では<主格関係>か?
[my having failedさん]が[fact]している
↑主語 ↑述語
「私の失敗が事実している」…おかしい!
⇒主格関係ではない!!
では<目的格関係>か?
誰か が [my having failedさん]を[fact]している
↑主語 ↑目的語 ↑他動詞
「誰か私の失敗を事実している」…おかしい!
⇒目的格関係でもない!
★
実はこれは全く別の概念。
[fact]
=[my having failed]
というもの。これを「
同格」という。
分かりやすく書くと
She knew
[the fact].(彼女は
その事実を知っていた)
=She knew
[my having failed].(彼女は
私が失敗したことを知っていた)
となるわけ。
同じものなわけです。だから「
同格」と呼ぶ。
★この「
同格の of」は結構
重要!
和訳する場合、必ず「
~という」という訳語をつけてください!
(補足1:この同格のof の親戚に「
同格の that」というものもあります。説明は省きますが、どこかで「同格の that」を調べてください。「
同格の that」も訳語は「
~という」となります。)
(補足2:同格のofは絶対に「の」とは訳せません!!!)
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ofは大体「~の」で訳せてしまいます。しかし
「の」で上手くいかなかった場合、この「of3態」は有効活用できると思います。いかがでしょうか?
今回以上です。それではまた来週!!
問題編
http://q-eng.com/diary/646
出典
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