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mouthbirdさんの日記

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2008年
07月02日
03:15 mouthbirdさん

冠詞のお勉強(その3)

こんにちは。今日あたりは梅雨の晴れ間という感じですね。
今回は、受験界で有名なりつつある「とある the 」について説明します。


先週、「初出でも the で使うケースの1例」として「唯一性の the」を紹介しました。
今回は
【予告の the】


と呼ばれるものを紹介します。これは代々木ゼミナールで教鞭をとられている「富田一彦」さんが普及に努めている呼び方です。


 This is the doll that I made yesterday.(これは私が昨日作った人形です)


この「the doll」の場合、初出でも a ではなく the で問題がありません。

もちろん何の話題もなく、いきなり最初から、“the doll” と、ここだけ見たら、とりあえず不気味です。ところがその後ろに「that I made ● yesterday」が付いています。これで「the doll って『私が昨日作った人形』ってことね」ということが分かります。
つまり、
 ★何の話題もなく、イキナリ 「the +名詞」から始まったら、「その名詞はどんな名詞なのかの説明が直後に続く」のです。これを「予告の the」と代々木ゼミナールの富田先生は名づけているのです。




[関係詞]で修飾する】
 This is the doll that I made yesterday.(これは私が昨日作った人形です)

「その名詞はどんな名詞なのかの説明が直後に続く」…この場合の「説明」ですが、今回は「that I made ● yesterday」です。このように【「関係詞」で説明が続く】ことがあります。

補足:This is the doll that I made yesterday.…この場合「私が昨日作った人形は1つだけだ」ということになります。これは the が「唯一性」を持っているからです。(前回を参照)
ちなみに、This is a doll that I made yesterday.…と言うことも可能です。この場合「私が昨日作った人形は複数あり、これはその1つだ」という意味になります。


で、「予告の the」は、関係詞のみならず、他の修飾方法で説明されることがあります。



[+前置詞 ~]で修飾する】

 The stone on his desk is very small.(彼の机の上にある石はとても小さい)
このケースでは「初出でも the でOK」なのです。

※当然この場合の「石」は彼の机の上に1つしかありません。もし、彼の机の上には複数の石があって、そのうちの1つが小さい、と言いたい場合は
 A stone on his desk is very small.
とします。こうすると、彼の机の上には他にも石があることが分かり、それは小さくないことが分かります。



現在分詞や過去分詞で修飾する】

 The butterfly flying over my head was beautiful.(私の頭の上を飛んでいた蝶は綺麗であった)
このケースでは「初出でも the でOK」なのです。

※当然この場合の「蝶」は私の頭の上に1匹しかいません。もし、私の頭の上には複数の蝶が飛んでいて、そのうちの1匹が美しかった、と言いたい場合は
 A butterfly flying over my head was beautiful.(2018年5月16日訂正)

 One of the butterflies flying over my head was beautiful.

とします。こうすると、私の頭の上には他にも蝶が飛んでいたことが分かり、それは美しくなかったことが分かります。

ではでは、ここで難しい文法問題を出します。やってみてください。

・次のカッコ内に、anthe かふさわしい方を入れなさい。(いずれの2文も、前に文脈がないとする。要するに初出の場合と考える)


(1)I'm looking for(  )apartment which has a large living room.
(2)I'm looking for(  )apartment which he lives in.
(3)I'm looking for(  )apartment which he mentioned.
(「上級者のための正誤問題の解法」加東憲吉編著 文芸社 p214の説明より引用)


回答をお待ちしています。ある程度皆様からご回答をいただいた後に、コメント欄で正解と解説を書きますね。


次回は「無冠詞」について書く予定です。
それでは、また来週!
その4
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コメント

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41番~48番を表示

2009年
05月09日
11:45
mouthbirdさん

>ishibashiさん

古い日記にコメントありがとうございます。

探せばきちんと見つかるのですが、再放送しますね。



正解をまず発表します。



(1)I’m looking for(an)apartment which has a large living room.



(2)I’m looking for(the)apartment which he lives in.



(3)I’m looking for(an/the)apartment which he mentioned.



です。



(1)が an なのは、大きなリビングルームがあるアパートは無数にあり、その1つを探しているためです。



(2)が the なのは、彼が住んでいるアパートは1つのはずだからです。もし an にした場合、言われた方は「彼は複数のアパートに住んでいるのか?」と思われてしまいます。そういう人もいるかもしれませんが、普通はありえません。なのでここの答えとしては 唯一性の the を選びます。



問題は(3)です。



実は、参考元の 「上級者のための正誤問題の解法」加東憲吉編著 文芸社 p214の説明では、an のみを正解としています。彼が言及したアパートは1軒ではなく、十分複数の場合があるはずです。だから an とするべきだということです。the に出来る場合は、話し手が彼の言及した apartment のことを既に知っている場合に限るとしています。



 ですが、ちょっと待ってください。今回の話題で説明した「予告の the 」場合がありえるはずです。彼が言及した apartment が1軒だけなら「the」のはずです。



 そこで、大変お忙しいxakyさんに無理を言って確認していただきました。



お返事は



>I’m looking for the apartment (which) he mentioned



>特定のアパート(一つしかない)ことになります



でした。xakyさんありがとうございました。m(_ _)m



参考書の説明に反して「彼が言及した apartment が1軒だけなら「the」」でOKであったのです。



無事、裏が取れたわけです。



と、ココまでは予定通りでした。



しかし!



実は xaky さんに確認をお願いしたところ別の指摘をいただきました。



>I’m looking for an apartment (which) he mentioned



>は不自然です。お薦めできません。



なんと、むしろ an の方が不自然だとおっしゃるのです。工エエェェ(´д`)ェェエエ工工



>I’m looking for one of the apartments (which) he mentioned



>なら自然な言い方で、彼が言っていたアパートのうちの一つを探しているということにになります。



なんと



 one of +予告のthe+名詞



という用法が自然だとおっしゃるわけです。an は不自然ではあるが間違いではないと思うので正解にしますが、実際は



 one of +予告のthe+名詞



のほうが自然という、今回の話題に即すような結果に、くしくもなってしまいました。



いやあ、英語って難しいです。



以上、再放送でした。m(_ _)mでは~

2009年
05月10日
09:05
ishibashiさん

再放送ありがとうございます.お手数をおかけしてすいません.

’もっと見る’をクリックしてたぐっていけば良いのですね.
勉強になりました.

2009年
10月09日
10:26
さん

43:

Everlasting_love のコメント:
形容詞の問題と、冠詞の勉強その1に続いてここでもコメントいたします。非常に勉強になりました。a butterfly flying over my head was beautifulなんて、いままでだったら、1匹とんでるだけなんだと思ってましたが、他にも飛んでるちょうちょがいると、ネイティブは思うわけですね。また今回の例題、本当によかったです。今回の勉強が無く、あの問題やっていても、違いもわからなかったと思います。いやー英語がますます好きになりました。 コメントも全部よんでいて、さらに紹介してくださったXENOMさんのホームページも同格のtheのページを全部読んだので、頭痛いですが、、 英語って本当に面白いですね!  また、いろいろ質問攻めにあって、そのつど答えられていて、教育者たるものの大変さをかいまみた気がします。 冠詞のお勉強をありがとうございました! 

2009年
10月11日
10:01
さん

44:

riche のコメント:
mouthbird 先生、
ひさしぶりに昔の文法問題を読み直してみると「???」な箇所がありました。

>The butterfly flying over my head was beautiful.(私の頭の上を飛んでいた蝶は綺麗であった)
このケースでは「初出でも the でOK」なのです。
※当然この場合の「蝶」は私の頭の上に1匹しかいません。もし、私の頭の上には複数の蝶が飛んでいて、そのうちの1匹が美しかった、と言いたい場合は
 A butterfly flying over my head was beautiful.とします。こうすると、私の頭の上には他にも蝶が飛んでいたことが分かり、それは美しくなかったことが分かります。

A butterfly flying over my head was beautiful.
 は英文として間違いなのではないのでしょうか?
mouthbird 先生の説明で言い表そうとしている英文は、
One of the butterflies flying over my head was beautiful.
 となると思います。

2018年
05月16日
16:55
mouthbirdさん

>>44 riche さん
今更ですが、おっしゃる通りですね。><
早速直します。
なんでここを見逃してたんだろう><
ありがとうございました。m(__)m

2019年
05月18日
22:48
ROMさん

46: ROMさん

>>45 mouthbirdさん

突然のコメント失礼します。
大変分かりやすい記事でとても勉強になりました。
さて、当記事において質問なのですが、

This is the doll that I made yesterday.

dollの前がtheになってるので「私が昨日作った人形は1つだけだ」ということになると補足説明がございます。

The stone on his desk is very small.

の場合もstoneの前がtheになってるので「石は彼の机の上に1つしかありません。」と補足説明があります。

ということは、

Brazil is the country which is on the other side of the earth.

と書いてしまうと
「(日本から見て)ブラジルは地球の裏側にある唯一の国」という意味になってしまうわけですか?

また

A butterfly flying over my headwas beautiful.
よりも
One of the butterflies flying over my headwas beautiful.

の方が自然とのことですが、「a」と「one of the 複数形」では、どちらも「~うちの一つ」という意味だと思うのですが、何が違うのでしょうか?

2019年
05月20日
14:14
mouthbirdさん

>>46 ROMさん

> Brazil is the country which is on the other side of the earth.

> と書いてしまうと
> 「(日本から見て)ブラジルは地球の裏側にある唯一の国」という意味になってしまうわけですか?


そうですね。ですから
Brazil is one of the countries which are on the other side of the earth.
といった形になります。ただこれだと普通は
Brazil is one of the countries on the other side of the earth.
となるのが通常でしょう。

> A butterfly flying over my headwas beautiful.
> よりも
> One of the butterflies flying over my headwas beautiful.

実は、これは微妙なんです。本来の意味を考えれば、どちらも「頭の上で飛んでいる複数の蝶のうちの1匹」のはずなのです。ところが、
A butterfly flying over my headwas beautiful.
だと、最初から頭の上で飛んでいた蝶は1匹だけだった可能性もなくはないらしいのです。そもそも小さな頭の上に蝶が2匹以上飛ぶには想定しにくいからなのでしょうか? だから、こっちに表現は「不自然」らしいのです。

ところが
One of the butterflies flying over my headwas beautiful.
と表現すれば、確実に「頭の上で飛んでいる複数の蝶のうちの1匹」を表現することができる、という具合なのです。

だから one of the 複数名詞 … のほうが自然らしいのです 。m(_ _)m

2019年
05月20日
15:21
ROMさん

48: ROMさん

>>47 mouthbirdさん
丁寧に解説いただきありがとうございます。
冠詞の中でも、この関係詞と冠詞の部分はもやもやしていた部分なのでスッキリ出来ました。
ありがとうございました。

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