こんにちは。今日あたりは梅雨の晴れ間という感じですね。
今回は、受験界で有名なりつつある「とある the 」について説明します。
先週、「
初出でも the で使うケースの1例」として
「唯一性の the」を紹介しました。
今回は
【予告の the】
と呼ばれるものを紹介します。これは代々木ゼミナールで教鞭をとられている「富田一彦」さんが普及に努めている呼び方です。
This is
the doll
that I made yesterday.(これは私が昨日作った人形です)
この「
the doll」の場合、
初出でも
a ではなく
the で問題がありません。
もちろん何の話題もなく、いきなり最初から、“the doll” と、
ここだけ見たら、とりあえず不気味です。ところがその後ろに
「that I made ● yesterday」が付いています。これで
「the doll って『私が昨日作った人形』ってことね」ということが分かります。
つまり、
★何の話題もなく、イキナリ 「the +名詞」から始まったら、「その名詞はどんな名詞なのかの説明が直後に続く」のです。これを
「予告の the」と代々木ゼミナールの富田先生は名づけているのです。
【
[関係詞]で修飾する】
This is
the doll
that I made yesterday.(これは私が昨日作った人形です)
「その名詞はどんな名詞なのかの
説明が直後に続く」…この場合の
「説明」ですが、今回は「
that I made ● yesterday」です。このように【
「関係詞」で説明が続く】ことがあります。
補足:This is
the doll
that I made yesterday.…この場合「私が昨日作った人形は
1つだけだ」ということになります。これは the が「唯一性」を持っているからです。(
前回を参照)
ちなみに、This is
a doll
that I made yesterday.…と言うことも可能です。この場合「私が昨日作った人形は
複数あり、これはその1つだ」という意味になります。
で、「
予告の the」は、
関係詞のみならず、他の修飾方法で説明されることがあります。
【
[+前置詞 ~]で修飾する】
例
The stone
on his desk is very small.(彼の机の上にある石はとても小さい)
このケースでは
「初出でも the でOK」なのです。
※当然この場合の「石」は彼の机の上に
1つしかありません。
もし、彼の机の上には複数の石があって、そのうちの1つが小さい、と言いたい場合は
A stone
on his desk is very small.
とします。こうすると、
彼の机の上には他にも石があることが分かり、それは小さくないことが分かります。
【
現在分詞や過去分詞で修飾する】
例
The butterfly
flying over my head was beautiful.(私の頭の上を飛んでいた蝶は綺麗であった)
このケースでは
「初出でも the でOK」なのです。
※当然この場合の「蝶」は私の頭の上に
1匹しかいません。
もし、私の頭の上には複数の蝶が飛んでいて、そのうちの1匹が美しかった、と言いたい場合は
A butterfly flying over my head was beautiful.(2018年5月16日訂正)
One of the butterflies
flying over my head was beautiful.
とします。こうすると、
私の頭の上には他にも蝶が飛んでいたことが分かり、それは美しくなかったことが分かります。
ではでは、ここで難しい文法問題を出します。やってみてください。
・次のカッコ内に、
an か
the かふさわしい方を入れなさい。(いずれの2文も、前に文脈がないとする。要するに初出の場合と考える)
(1)I'm looking for( )apartment which has a large living room.
(2)I'm looking for( )apartment which he lives in.
(3)I'm looking for( )apartment which he mentioned.
(「上級者のための正誤問題の解法」加東憲吉編著 文芸社 p214の説明より引用)
回答をお待ちしています。ある程度皆様からご回答をいただいた後に、コメント欄で正解と解説を書きますね。
次回は「無冠詞」について書く予定です。
それでは、また来週!
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