こんにちは。梅雨ですね。最近雨の中、出かけることが多いなあ。今日は the についての基本的な考え方を紹介します。個人的には a より the の方が理解が難しいなあ、と思っています。
【the の基本的な役割】
まず『
the のイメージ』を紹介します。冠詞を普段使わない日本人に対して、たまに使われる説明として、次のようなものがあります。
・
the は「
『注目してください』というようなニュアンス」をつける
マークのようなものである。
例えば「 I like
the cat.」であれば、「他の猫ではなく、その猫が私は好きなんだ(
この猫に注目してくれ!)」という感じになります。もちろん、イキナリ最初から「the」を使うのは変なのですが(初出では
a を使う。詳しくは先週のログを参照)。
このように
the は
日本語では「
その」という訳され方をする場合があります。
なぜ「その」かというと
「既に話題になっている」という意味を含んでいるからです。例えば先週次のような英文を書きました。
I had
a book. (私は本を持っていた)
これですが、この本が
既に1度でも話題になっていたら
I had
the book.
とします。
既に1度でも話題になっていて、同じものを指すならもう a は使えません。a は先週書いたように
「初出の a」なのです。代わりに
the を使うのですが、これは「
注目してね! これはさっき言った「本」と
同じ本だよ!」という感じが加わるわけです。これを「
既出の the」と呼びます。
「
既出の the」で注意したいことがあります。それは「
既出の the 」は
不可算名詞にも使える」という点です。
例えば、先週私は次のような英文も書きました。
I drank water.(私は水を飲んだ)(※水は数えられない名詞(不可算名詞))
これですが、これは「どこの何の水だか分からないけど、とにかく水を飲んだ」という意味です。しかし例えば、
この英文の前に何らかの水の話題(例えば「六甲の美味しい水」の話題)があった場合、
それ(六甲の美味しい水)を飲んだのならば、
I drank
the water.
と、
the をつけます。これは「
注目してね! これはさっき言った『六甲の美味しい水』とことだよ!」という意味が加わるわけです。
このように
the は「既出の証拠」として使われることが多いのですが、
初出でも the を使うケースがあります。色々な場合がある(本当にめちゃめちゃある)のですが、ここでは、
基本概念の「唯一性の the」について紹介します。
The sun is enormous. (太陽は巨大である)
太陽はこの世に 1つしかありません。
あきらかに1つしかないものは 初出であっても最初から the が付きます。他にも、
the moon(月)、
the sky(空)、
the equator(赤道)、
the North pole(北極)などがあります。ただ、
形容詞がついて、「~な太陽」とか、「~な空」とかを(初出で)言いたい場合は、the ではなく、
a になります。 例:
a bright sun(明るい太陽)、
a cloudy sky(曇り空)
「
the は他にもウジャウジャ、特別な用法、例外的な用法がある」のですが、ここではその全てを詳しく扱いません。扱えないのです。とてもブログのようなもので全部網羅できるようなシロモノではないためです。(というか私自身が網羅していません。冠詞は50年かかりますw)
来週は、受験界で有名なりつつある「とある the の用法」について説明します。今回の内容を踏まえたとても難しい用法ですが、受験界では「ホット」な用法です。お楽しみに。それではまた来週~
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