こんにちは。暑くなりましたね。今回はリクエストにお答えして
「無冠詞」について特集します。例によって「無冠詞の使い方を全部を網羅するわけではない」です。できませんので。基本の把握を目的としています。どうぞよろしくお願いいたします。
第1部(確認編)と第2部(機能編)の2部構成でお届けします。
第1部(確認編)以下の2つを確認しましょう。
(1)初出で可算名詞が複数あった場合
I bought some books.(私は(数冊の)本を買った) (※ 7/16 に some を追加)
もし買った本が1冊なら、I bought a book.と言いたいところです。たまたま数冊だったので、a をつけず、“books”と複数形にしているだけです。ただこれだけだと今回は不自然なようで、some を入れてあげるべきなようです。
このあとこの books が話題になったら、今度は
the をつけます。
I bought some books.
The books are very interesting.(私は(数冊の)本を買った。その本はとても面白い)
(2)初出で不可算名詞であった場合
I drank water.(私は水を飲んだ)
単に(何でも良いから)水というものを飲んだ場合です。(水は水でも「水の種類や注文品を言う場合」は可算名詞扱いになることもありますが[
このコメントの質問と
私のコメントを参照])
ここでは、単純に「初出の不可算名詞は無冠詞」と覚えていただければ思います。
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第2部(機能編)
特定の名詞を指さず、
機能のみを示す場合、無冠詞になります。ちょっと意味が解らないかもしれませんが、我慢して読んでください。後で例を挙げます。(なおこれについては「
the がついてしまう例外のケース」もあるので注意が必要です)
(3)前置詞と絡む場合
The machine is
out of order.(その機械は
故障中だ)
“out of ~”は「~の外へ、~の範囲外へ」といった意味があります。order は「秩序」です。“
out of order”で合わせて「秩序の範囲外へ」という感じで「
故障中」という意味になります。(※7/16 order の意味を「命令」から「秩序」に変更しました) この時の order(秩序)は何でも良く、特定の秩序を指していません。“out of order”で(どんな秩序も範囲外という)「故障中」という機能だけを示しているのです。こういう言い回しの場合は無冠詞になります。他に“out of sight”(見えない)、“out of control”(制御不能)などの言い回しがあります。
(例外)“out of
the question”(
問題外、とうてい不可能)という具合に
the をつける表現もある。
例文 Her success is
out of the question.(彼女が成功するなんてありえない)
ただし“
out of question”(
もちろん、当然)というのもある。
例文 It is
out of question that you should do that.(君がそれをやるべきなのは当然だ)
I went to the city
by train.(私はその町へ
列車で行った)
“by train”の train も無冠詞です。これは 「by ~」で「~の手段を使って」という意味になる場合です。by であれば次がいつでも無冠詞なわけではないです。“
by train”で「
列車(という手段)で」という具合のケースのときのみです。これも train が特定の列車を指していません。バスでも車でもなく「列車」という手段を使ってという機能だけを示しているのです。こういう場合も無冠詞になるのです。(ちなみに、この使い方をする by を「
手段の by」と呼びます)
(4)動詞と絡む場合
I
went to bed.(私は
寝た)
“
go to bed”は bed に冠詞をつけず、この3語のかたまりで「
寝る」という意味が出ます。別に「特定のbed」を指しているわけではないのです。逆に特定の bed を指す場合は冠詞がいります。
例 Don't sit on
the bed.(そのベッドに腰掛けるな!)
この種の類例では
go to school (
学校に通う)、
go to prison (
刑を受ける)などがあります。
ちなみに go to school で school に a や the 付く場合については
ここのコメントの2007年12月 9日 21:37 分を参照。
Do you
play tennis? (君、テニスできる?)
スポーツの名前や遊戯(チェスなど)
の場合、無冠詞で使います。楽器の場合とは対照的です。楽器の場合は“play
the piano”「ピアノを弾く」のように
the が通常要ります。
I was
watching television when he called.(彼から電話があったとき私は
テレビを見ていた)
「
テレビを見る」は普通「無冠詞」で“
watch television”と使います。面白いことに「
ラジオを聞く」は“listen to
the radio”のように、普通は
the が付きます。
以上が基本です。その他にも山ほど色々なケースやら、例外があります。基本を踏まえつつ、少しずつ覚えていけば、と思っています。
冠詞は50年かかると思います。
いかがだったでしょうか? ではまた来週~。
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