• ようこそゲストさん!

mouthbirdさんの日記

(SNS全体・外部に公開(Web全体に公開))

2008年
07月09日
12:19 mouthbirdさん

冠詞のお勉強(その4)

こんにちは。暑くなりましたね。今回はリクエストにお答えして「無冠詞」について特集します。例によって「無冠詞の使い方を全部を網羅するわけではない」です。できませんので。基本の把握を目的としています。どうぞよろしくお願いいたします。
第1部(確認編)と第2部(機能編)の2部構成でお届けします。


第1部(確認編)
以下の2つを確認しましょう。


(1)初出で可算名詞が複数あった場合
 I bought some books.(私は(数冊の)本を買った) (※ 7/16 に some を追加)

もし買った本が1冊なら、I bought a book.と言いたいところです。たまたま数冊だったので、a をつけず、“books”と複数形にしているだけです。ただこれだけだと今回は不自然なようで、some を入れてあげるべきなようです。
このあとこの books が話題になったら、今度は the をつけます。
 I bought some books. The books are very interesting.(私は(数冊の)本を買った。その本はとても面白い)


(2)初出で不可算名詞であった場合
 I drank water.(私は水を飲んだ)

単に(何でも良いから)水というものを飲んだ場合です。(水は水でも「水の種類や注文品を言う場合」は可算名詞扱いになることもありますが[このコメントの質問私のコメントを参照])
ここでは、単純に「初出の不可算名詞は無冠詞」と覚えていただければ思います。

――――――――――


第2部(機能編)


特定の名詞を指さず、機能のみを示す場合、無冠詞になります。ちょっと意味が解らないかもしれませんが、我慢して読んでください。後で例を挙げます。(なおこれについては「the がついてしまう例外のケース」もあるので注意が必要です)


(3)前置詞と絡む場合
 The machine is out of order.(その機械は故障中だ)

 “out of ~”は「~の外へ、~の範囲外へ」といった意味があります。order は「秩序」です。“out of order”で合わせて「秩序の範囲外へ」という感じで「故障中」という意味になります。(※7/16 order の意味を「命令」から「秩序」に変更しました) この時の order(秩序)は何でも良く、特定の秩序を指していません。“out of order”で(どんな秩序も範囲外という)「故障中」という機能だけを示しているのです。こういう言い回しの場合は無冠詞になります。他に“out of sight”(見えない)、“out of control”(制御不能)などの言い回しがあります。

 (例外)“out of the question”(問題外、とうてい不可能)という具合に the をつける表現もある。
  例文 Her success is out of the question.(彼女が成功するなんてありえない)
   ただし“out of question”(もちろん、当然)というのもある。
  例文 It is out of question that you should do that.(君がそれをやるべきなのは当然だ)


 I went to the city by train.(私はその町へ列車で行った)


 “by train”の train も無冠詞です。これは 「by ~」で「~の手段を使って」という意味になる場合です。by であれば次がいつでも無冠詞なわけではないです。“by train”で「列車(という手段)で」という具合のケースのときのみです。これも train が特定の列車を指していません。バスでも車でもなく「列車」という手段を使ってという機能だけを示しているのです。こういう場合も無冠詞になるのです。(ちなみに、この使い方をする by を「手段の by」と呼びます)


(4)動詞と絡む場合
  I went to bed.(私は寝た

  “go to bed”は bed に冠詞をつけず、この3語のかたまりで「寝る」という意味が出ます。別に「特定のbed」を指しているわけではないのです。逆に特定の bed を指す場合は冠詞がいります。
  例 Don't sit on the bed.(そのベッドに腰掛けるな!) 
  この種の類例では go to school学校に通う)、go to prison刑を受ける)などがあります。
  ちなみに go to school で school に a や the 付く場合についてはここのコメントの2007年12月 9日 21:37 分を参照。  

  Do you play tennis? (君、テニスできる?)

  スポーツの名前や遊戯(チェスなど)の場合、無冠詞で使います。楽器の場合とは対照的です。楽器の場合は“play the piano”「ピアノを弾く」のように the が通常要ります。

  I was watching television when he called.(彼から電話があったとき私はテレビを見ていた

  「テレビを見る」は普通「無冠詞」で“watch television”と使います。面白いことに「ラジオを聞く」は“listen to the radio”のように、普通は the が付きます。

以上が基本です。その他にも山ほど色々なケースやら、例外があります。基本を踏まえつつ、少しずつ覚えていけば、と思っています。
冠詞は50年かかると思います。
いかがだったでしょうか? ではまた来週~。
  • 総アクセス数(4,769)
  • 拍手拍手(1)
  • お気に入りお気に入り(0)

コメント

1番~17番を表示

2008年
07月09日
13:59
hiromidukiさん

なんとなく冠詞をつけたり、つけなかったりしていたケースが、きちんと説明されていたので、とてもよくわかりました。

基本中の基本を教えていただいているのでしょうが、このシリーズ、来週も期待していいのでしょうか?


2008年
07月09日
15:13
さん

2:

「前置詞と絡む場合」の例外と、「動詞と絡む場合」がくせものですね・・・

「前置詞と・・・」の方の例外は比較的少なく、
「動詞と・・・」の方は、ケースbyケースで覚える、

と判断しましたが、あってますか?

2008年
07月09日
17:56
mouthbirdさん

>hiromidukiさん

理解出来たようで嬉しく思います。すみません。冠詞については今回で以上です。何度も書きますが、ここは『大学受験英語チャンネル』のブログです。受験生に役立たせるための内容が中心です。本来は第3回目(前回)の「予告のthe」を紹介するために始めたシリーズでした。(「予告のthe」の知識が受験界でホットであるため)。ご理解いただければと思います。m(_ _)m



>sunasunaさん

う~ん、どちらもケースbyケースだと思います。ただこのような「機能」を示すような使われ方自体がそれほど多いものではありません。また、このように「機能」を示すような場合 (前置詞が絡むケースにしろ、動詞が絡むケースにしろ) the が付くよりも、無冠詞で使う方が多いようです。(あくまで多いか少ないかの問題ですが)

2008年
07月10日
05:31
さん

4:

riche のコメント:
最初にあげられている
I bought books. という英文は英文としておかしな英文のように思うのですが……

I bought some books. というのが自然な英文だと思います。

時間がおありでしたら、native のスタッフの方などに確認していただけたら助かります。

2008年
07月10日
09:20
ΨホルホルΨさん

お久しぶりです。



 例に挙がっているout of order についての疑問です。



> The machine is out of order.(その機械は故障中だ)



この例文で out of order を「故障中で」ととることに異論はありません。

しかし、その成り立ちについて order を「命令」ととるのはどんなものでしょう。



 ジーニアス英和大辞典を引いても、Concise Oxford ED を引いても、order の意味として

はじめのほうに出ているのは「並んでいる様子、そのものの状態、調子がきちんとしていること」です。

「それを逸脱 (out of それ)」しているからこの文脈では「故障中で」という意味になり、別の文脈では

「順序が狂って」「乱雑になって」「規則違反で」「不適切で」などの意味になるのだと思います。



 ですから、この熟語は無冠詞との係わり合いで説明するなら、



「order は抽象名詞で不可算だから冠詞がつかない」



ということになるように思います。

2008年
07月12日
08:28
さん

6:

yokokun のコメント:
> out of the question”(問題外、とうてい不可能)
  ただし“out of question”(もちろん、当然)というのもある。

the の有る無しで、意味が変わるとは・・・気をつけねばと思いました。
 “out of question”は(古)と、「プログレッシブ英和」にあったので、これに出会う確率は低いのかもしれませんが・・・。

2008年
07月15日
10:28
さん

7:

kaike のコメント:
無冠詞、取り上げていただいてありがとうございます。

何気なく使っていたり、なんでだろうって思いつつもそのまま流れ去っていた基本的なことが

なるほどーーって納得できました。

ありがとうございました\(^^)/

2008年
07月16日
11:34
mouthbirdさん

>richeさん

ご指摘ありがとうございました。ネイティブスピーカーに確認し、some がないと不自然、という指摘をもらいました。よって書き直させていただきました。



>pantaniさん

ご指摘ありがとうございました。おっしゃる通りと思います。「秩序」と変更した表現にさせていただきました。

m(_ _)m



>yokokunさん

なるほど、古い表現なんですね。知りませんでした。

こういうのは非ネイティブだとわかりづらいですね。情報ありがとうございました。



>kaikeさん

お役に立ちましたでしょうか?

とりあえず、基本を覚えていって、あとは「50年」かけて、ゆっくり学習してみるのはどうでしょうか?

少なくとも私はそのスタンスでやっています。ご参考に。

2008年
07月18日
15:25
さん

9:

StPaul のコメント:
Hello everyone.



How interesting your opinions or comments are for articles !

I believe the hardest part for articles is ' Is an article necessary for a noun ? '



St. Paul

2008年
10月05日
18:16
さん

10:

baby_blue のコメント:
He won second place in the race.

基礎英語 ステップ1に出てきた例文なんですが、この文の場合にはなぜsecond placeの前にtheがつかないんでしょうか?

順位を表すようなときは、対象が一つに絞られるのでtheがつくものだと思っていました。

2008年
10月06日
01:23
mouthbirdさん

>baby_blueさん

ちょっと調べた限りでは、こうした場合、無冠詞の単数形のようです。

ジーニアス英和辞典では

>-------------------------

[通例単数形で](競争などでの)順位、地位

in second plase 2着で

She took[got] second place in the hundred-yard free-style.  彼女は100ヤード自由型で2位になった

>-------------------------

という記述がありました。



理由は私には分かりません。でも推測します。

おそらく「機能」として使っている場合は「無冠詞」というルールが適用されるのではないかと思います。

<例>

君はよく遅刻するね

○ You often come to school late.

× You often come to the school late.



本来は特定の学校に遅刻してくるわけで、その意味では the がついてしかるべきですが、こうした場合 the が付きません。言いたいのは「学校(いうもの)に遅れてくる」ということで、それが特定である必要がないためです。



He won second place in the race.

の場合を考えます。

本来は特定のレースで2位だったわけで、その意味では the がついてしかるべきだと思います。しかし、言いたいのは「2位(というもの)になった」ということで、それが特定である必要がないのではないかと思います。

(あくまで推測です)

いかがでしょうか?

2008年
10月06日
03:29
さん

12:

baby_blue のコメント:
mouthbirdさん、わざわざお調べくださってありがとうございます。

You often come to school late.

という例もあるんですね。

機能として使う無冠詞のルールなんですか、難しいですね。

私のひとつ前のStPaulさんのコメントのとおり、無冠詞が難しいという実例を見た気がします。

こういう使い方があるんだ、ということだけでもとても勉強になりました。 少しずつ覚えていこうと思います。 ありがとうございました。

2009年
02月19日
10:30
chimamexさん

今更ながら拝読しましたw もっと冠詞に関してつづきが読みたいです^^;

I've been struggling about articles for years. The artickes make me headaches.

さて、今まさに私を悩ませている冠詞ですが、iKNOW!でこんなものを発見しました。
「An earthquake is a movement of the earth.」
(EarthにTheが付いているので納得^^v)

しかし混乱を招くものも発見しました。
「It appears that temperatures on earth are rising.」
(なぜTheが付かないのでしょうか?)
しかし、これはiKNOW!に限った事ではなく、けっこういろんな記事でもThe無しのEarthを見かけるのです。混乱します(涙;)

以前、自分なりにEarth(The)についてiKNOWのジャーナルにまとめたことがありますが、このTheなしのEarthは何なのでしょうか・・・・・?

また頭痛が・・・・・w

2009年
02月20日
00:53
mouthbirdさん

>chimamexさん

う~ん。推測の域を脱しきれませんが、以下のような基準ではないかと思います。



the がつくと、言わんとする earth の意味が

 地球>地上

というイメージになってしまうのではないか。

 the は唯一性を表しますので⇒「1つしかないその地球」とイメージされると思うのです。



一方、the がないと

 地上>地球

というイメージになってしまうのではないか。

 「地上」という概念は数えにくいですよね。だから the がつかないわけです。



つまり、

 地上>地球

の感じがある場合、the がつかないのではないかと思うのです。



なおペンシルベニア州の在住のアメリカ人に以下を聞きました

彼の意見によれば

◎(1)It appears that temperatures on earth are rising.

×(2)It appears that temperatures on the earth are rising.

○(3)It appears that the temperatures on the earth are rising.

なのだそうです



(1)temperatures on earth

 ⇒【地上の「気温(という概念)」】…OK



(2)temperatures on the earth

 ⇒【「the 地球」 上の「気温(という概念)」】…NG



(3)the temperatures on the earth

 ⇒【「the 地球」 の上の「その(地球の)気温」】…OK



the earth と「the」をつけて特定化してしまうと、気温のほうにも「the」をつけて特定化してあげないと整合性が取れないみたいです。

2009年
02月22日
11:17
chimamexさん

うわ~。これまた高度な、というか厄介な、というか。ありがとうございます。
冠詞はルールが「はい、これがルールね!」って言っておいて、後になってくつがえされるので頭が痛いです。
そしても、またしてもそのパターンが・・・。ほんとに50年ものですねw

話は違いますが、私も数年前まで浦和に暮らしていましたw
(妙に親近感^^)

2009年
10月29日
08:12
さん

16:

MasaYan のコメント:
通りがかりです。

冠詞が少しでもシステマチックに理解できるかと思い読ませていただきました。

が、んー!難しい!

というか、文法的ルールというよりも、習慣的ルールにのっとっているように思いました。

スポーツには the を付けないけれど、楽器には the を付ける!

なんて、完全に習慣ではないでしょうか。。。

となると、地道に覚えるしかないです。orz

out of order はそれ自体で故障中と覚えていたので、冠詞が付くかどうか考える機会を与えてもらって、新鮮でした。

2010年
07月02日
20:30
MihoGさん

周りのネイティブがそう言うから冠詞を理論的に理解せずに使ってきてましたけど、なるほど!学んだことありました! どうもありがとうございました!

1番~17番を表示