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mouthbirdさんの日記

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2009年
09月09日
06:57 mouthbirdさん

文法の例外細目と関係副詞that(4)

シリーズ「文法の例外細目と関係副詞that」の4回目である。(1)を見てない方は(1)から見ていただきたい。
(1)
http://q-eng.com/diary/2123
(2)
http://q-eng.com/diary/2122
(3)
http://q-eng.com/diary/2121




****




(2)英語が苦手な人の発想と得意な人の発想の違い




g. 「可哀想」の比較編




そもそも命題は
「関係副詞のthatは、出現頻度の低い例外細目。普通は教わらないほうが多い。教わるほうは可哀想。だからできれば教えないほうがよいのでは?」




である。






ここで「可哀想」について考えたい。



ここで、たとえ話・「掛け算オリンピック」の話を再び持ってくる。




「掛け算オリンピック」の話では、以下の2人の人物が登場している。




・私・マウスバード(算数好き:掛け算大得意:九九なんか楽勝。22×20を覚えて、掛け算オリンピックの上位を目指している)
・算数が苦手な人(算数嫌い・掛け算大苦手:九九があやふや。40点以上を掛け算オリンピックでとなければならないのに、今のところ20点も怪しい)




この2人である。




まず、この段階で
「マウスバード」と「算数が苦手な人」とでは「どちらが可哀想」と言えるだろうか?







では、次。




実際「掛け算のオリンピック」が行われた。その結果、




・マウスバードは、
…なぜか、ポカミスで11×13の答えを間違えた。その結果、掛け算オリンピックの上位に名を連ねられなかった。ただし、もちろん楽勝で40点以上なので、膨大な宿題は課されなかった。




・算数が苦手な人は
…11×13は筆算で正解を出せた。しかし他の問題を多く間違えたために、39点だった。40点以上ではなかったので、膨大な宿題が課された。




この場合
「マウスバード」と「算数が苦手な人」とでは「どちらが可哀想」と言えるだろうか?




・・・




私には「算数が苦手な人」のほうが可哀想に思える。「マウスバード」に対しては、ちっとも可哀想とは思えない。




・「マウスバード」は、日ごろ「22×20を覚えよう!^^」とかほざいていたくせに、間違えてやんの! うわ~ははは! ザマアミロ~~~! ザマアミロ~~!!! Ψ(`∀´)Ψ
可哀想? なんで? 膨大な宿題な課されなかったマウスバードがなんで可哀想なんだ? フザケンナ!
と思う。




・「算数が苦手な人」に対しては、
惜しい! 20点も取れそうになかったのに、39点まで取れた。よく頑張ったじゃないか! でも取り決めは取り決め。膨大な宿題をやらざるを得ないのだろう。。。。可哀想に。。。。。。




と思う。




では、あなたはどう思う? あなたには「マウスバード」のほうが可哀想に思えるだろうか?




****




h. 関係詞編




話を英語に戻そう。




私がアルクのブログなどで、盛んに言っていることがある。
関係詞は、
・英語が得意な人にとってはとても簡単(カンや違和感で正解が出せる)
・英語が苦手な人にとってはとても難しい(カンや違和感だと間違いしか出せない)
のである。
↓何度も見せて悪いのだが、これはアルクの私の関係詞に関するブログである。
 苦手な人がいかに関係詞で悩むかを知って欲しい。
http://juken.alc.co.jp/mouthbird/archives/cat205/




最近、私は
「英語が苦手な人が、関係詞が得意になるには、少なくとも半年はかかる」
「英語が得意な人は、関係詞の問題は初めから得意なのに」
と思っている。
ちなみに、私に関する限り「関係詞の問題が概ね解けるようになるのに半年。関係詞が得意と言えるようになるまでには概ね1年」かかっている。「英語が得意な人は、関係詞の問題は初めから得意なのに」




この「ギャップ」と「関係詞の基本問題」について次で考えたい。




****




i. 関係詞穴埋め編




関係詞の場合、基本となる問題は「(   )に関係詞を入れなさい」という問題である。
「超基本問題」を出すと、次のようなものになる。




(   )に適切な関係詞を1語を『必ず』入れなさい。
1.I know a boy (  ) loves her.
2.I know a boy (  ) name is Taro.
3.I know a boy (  ) she loves.
4.I know the place (  )is good for the event.
5.I know the place (  )he likes.
6.I know the place (  ) he lives.
7.I know the day (  )she will come to Tokyo.
8.I know the reason (  ) she loves him.




「スーパーベーシックな問題」ばかり並べてみた。異論はなかろう。
あなたにはこれらが簡単に思えるだろうか?




★「英語の嫌いな人にとってこれほど嫌な問題はない!」




何度も言っているが、英語が苦手な人は「関係詞が苦手」なのだ!
・苦手な人はまさにこの「基本問題」を間違える経験を多く積んでいる。
・まして、選択肢がなく、自力で英単語を埋めなくてはならない。
・「苦手な人」にとって「こんな嫌な問題はない」のである。




何度も何度も、この手の問題にでくわし、毎回間違える…という経験を苦手な人は必ず持っているのである。




一方「得意な人」はどうだろう?




「英語の得意な人にとってこれほど楽な問題はない!」
違和感で全部正解を出せる。
得意な人がこれに答えたら、おそらくこんな感じになるであろう。




1.I know a boy (who) loves her.
2.I know a boy (whose) name is Taro.
3.I know a boy (whom) she loves.
4.I know the place (which か that)is good for the event.
5.I know the place (which か that)he likes.
6.I know the place (where) he lives.
7.I know the day (when)she will come to Tokyo.
8.I know the reason (why) she loves him.




と、こうなるはずである。もちろん全部正解。違和感で全部正解を出せるのだ。
<補足>
・3は口語なら who も可。
・4と5は本当は that の方が良い。詳しくは↓ここの(4)と(5)の説明をご覧いただきたい。
http://q-eng.com/diary/2164
・3と5は、(   )の中に関係詞を何も入れないのが口語的には一番自然。でも問題文は「必ず入れなさい」なので不可。




何度もこの手の問題にでくわしても、毎回楽勝であっている…という経験を得意な人は必ず持っているのである。







さ、て、と、、、、







上の(   )には「得意な人が違和感で選んだ場合」の「答え」であった。
実のところ、↑これは「模範解答」ではない。
“正解”とできるものを全部(   )の中に挙げてみよう。




すると




1.I know a boy (who か that) loves her.
2.I know a boy (whose) name is Taro.
3.I know a boy (whom か that(口語ならwhoも可)) she loves.
4.I know the place (which か that)is good for the event.
5.I know the place (which か that)he likes.
6.I know the place (where か that) he lives.
7.I know the day (when か that)she will come to Tokyo.
8.I know the reason (why か that) she loves him.




となる。よ~く(   )の中を見て欲しい




なんと、
 「2以外は全部 that で正解」になるのだ!!!




「英語の嫌いな人にとってこれほど嫌な問題はない!」という「関係詞の基本問題」は
全部 that を入れれば、8問中7問が「正解」になってしまう!!!




これが、今回とても大事な部分である!!!




****




j. 苦手な人にとっての関係副詞that編 たった1回教わっただけなのに今に至って覚えている




関係詞の「超基本問題」↓
(   )に適切な関係詞を1語を『必ず』入れなさい。
1.I know a boy (  ) loves her.
2.I know a boy (  ) name is Taro.
3.I know a boy (  ) she loves.
4.I know the place (  )is good for the event.
5.I know the place (  )he likes.
6.I know the place (  ) he lives.
7.I know the day (  )she will come to Tokyo.
8.I know the reason (  ) she loves him.




この問題に対し、「that を入れれば、2以外は全部正解になる情報」は、苦手な人にとっては「超有益」である。「関係詞の(   )入れ問題は、that を入れれば大体○になる」のだ。「知らなかったら間違いまくる」のに、「thatだけ全部入れても、8問中7問が○になる」という。なんという高確率であろうか!




つまり、苦手な人にとって「関係副詞that」はとてもありがたい情報なのである。
「○さえもらえばよい」と考える英語が苦手な人にとって、「ネイティブの感覚」なんてまるで脳裏にはないのだ。




 ここで1つ得意な人に質問がある。私に関する質問だ。
私(mouthbird)は、いつ「thatには関係副詞がある」と覚えたのか?
これを当てて欲しい。
・中一の最初の英語の試験でわずかに12点しか取れず
・中学では、好きな数学の勉強時間を全て英語にまわし、部活も休部させられて英語の勉強に振り向けられえたにもかかわらず、
・高1で、平均87点の英語のテストで7点しか取れず、
・1浪目の英語の模試の偏差値が30.5しかなかった

という
 私(mouthbird)は、いつ「thatには関係副詞がある」と覚えたのか?
これを当てて欲しい。




正解は




平均87点の英語のテストで7点しか取れなかった「高1」のころである。




このころ、




(   )に適切な関係詞を1語を『必ず』入れなさい。
1.I know a boy (  ) loves her.
2.I know a boy (  ) name is Taro.
3.I know a boy (  ) she loves.
4.I know the place (  )is good for the event.
5.I know the place (  )he likes.
6.I know the place (  ) he lives.
7.I know the day (  )she will come to Tokyo.
8.I know the reason (  ) she loves him.




という問題を教科書か何かで、出くわしたのだ。
で、この解説で、さすがに先生は、that のついても説明してくれたのだ。たった1回だが良く覚えている。
すなわち「2以外は全て thatでも正解になる」と教わった。




これを聞いた私は大喜びであった!!




 「おお! that って概ね万能なのか! そいつは良いこと知ったぜ!^^」




とても嬉しかったのをよく覚えている。テストで何でもthatと書いてやれ! と思ったのである。苦手な人は「○さえもらえれば、ネイティブの使う頻度なんかどうでも良い」のである)




私はこうして関係詞を甘く見ていた。




 そして実際のテストでは↓こんな問題が出た。
(   )に適切な関係詞を1語を『必ず』入れなさい。
【ただし、that は不可とする】
1.I know a boy (  ) loves her.
2.I know a boy (  ) name is Taro.
3.I know a boy (  ) she loves.
4.I know the place (  )is good for the event.
5.I know the place (  )he likes.
6.I know the place (  ) he lives.
7.I know the day (  )she will come to Tokyo.
8.I know the reason (  ) she loves him.




  (ToT)ただし、that は不可とする、ってなんだよ…








こうして私は that 以外を適当にいれ、間違いを連発した。><
同時に英語と英語の先生の意地の悪さを認識したものだ。




でも、記憶に残ったことはある。
「that は概ね万能なのだと! 関係副詞にもthat があるのだと!」




私のみならず、「英語が苦手な人」は概ね似たような経験を持っていると思う。




その証拠らしいものを、前回の問題から引っ張り出してみよう。




関係詞とカン・その1(問題編)
http://q-eng.com/diary/2128




このうちの↓を考える。
(3)正しいものを1つ選びなさい。
 A. We first went to the U.S.A in the year that Kennedy was assassinated.
 B. We first went to the U.S.A in the year which Kennedy was assassinated.
 C. We first went to the U.S.A in the year of which Kennedy was assassinated.
 D. We first went to the U.S.A in which year Kennedy was assassinated.




コメントを下さった中で、siroitamaさんは、英語が凄く苦手であることを私は知っている。
彼は、「カン 50%」で見事に正解のAを選び出している。
yuu.wさんも英語が苦手な方だが、カン20%で、Aを選んでいる。




彼らは「関係副詞のthat をしっかり覚えていた」とは思えない(もししっかり覚えていたのであれば、カン0%で正解のAを導き出していなければならない)。しかし、「thatは概ねと万能」という意識が残っていたのではなかろうか? だから、Aを選んだのではないか。どうであろうか?




1つだけ確かなことがある。それは
 このとき、英語が苦手な人は「よりネイティブらしい表現」など、微塵も考えていない
のである。
 「○になりそうなものを「必死に」選んでいるだけ」
なのである。




続きは次回
(5)↓最終回へ
http://q-eng.com/diary/2118

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