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mouthbirdさんの日記

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2009年
09月08日
14:59 mouthbirdさん

文法の例外細目と関係副詞that(3)

シリーズ「文法の例外細目と関係副詞that」の3回目である。(1)を見てない方は(1)から見ていただきたい。
(1)
http://q-eng.com/diary/2123
(2)
http://q-eng.com/diary/2122


****




(2)英語が苦手な人の発想と得意な人の発想の違い




e. 細かさ編(苦手な人は細かいかどうかが分からない)




前回((2)のc)の結論はこうである。




英語が得意な人は
 B. I never forget the day that I met you.
のような、関係副詞のthatは細かすぎると感じる。見覚えが全くorほとんどないからである。(だから教わるべきではないと思える)




 一方、「苦手な人はどう感じるか?」がこの章の話である。
結論から言うと、「苦手な人は全く細かく感じることができない」のである。




「細かさ」だと分かりにくいので、「難しさ」とここでは変えてみる。苦手な人は「どう難しいのか」が、感じられないのだ。







 これは「数学」で取り替えて見ると簡単に分かる。







数学が苦手な皆様。↓これらの問題の難易度があなたに分かるだろうか?




 (1) √7 は有理数かを示せ。
 (2) tan1°は有理数かを示せ。
 (3) cos60°は有理数かを示せ。




数学が得意な方なら、これらの「難易度の違い」は一目瞭然なのだそうだ。あなたに分かるだろうか? 数学嫌いなあなたなら、難易度の違いなんて「全く分からない」はずだ。それとも「なんとなく」でもわかるだろうか?




この英語版がいわば
 B. I never forget the day that I met you.
である。
英語の得意な人だけが「関係副詞のthatが細かい」と感じるのだ。
「英語が苦手な人」は、この問題の細かさなんて「全く分からない」のだ。




ちなみに、数学の問題の難易度を説明しよう。実は1番難しいのは(2)。これは京都大学の過去問題で、超難問なのだそうだ。この(2)の難易度を100とした場合、




 (1) √7 は有理数かを示せ。  (難易度 40・基本問題)
 (2) tan1°は有理数かを示せ。 (難易度 100・超難問)
 (3) cos60°は有理数かを示せ。 (難易度  1・(問題として成立しないくらいのやさしい問題)
なのだそうだ。(出題・難易度判定:理系の大学生fermatさん)




 数学が苦手な皆さん、上の「難易度」の説明で、それぞれの難しさか「ピン」くるだろうか? おそらく「全くピンとこない」はずである。なぜなら、(1)(2)(3)の全ての答えがどの道分からないからである。数学が嫌いな人にとって見れば、




 (1) √7 は有理数かを示せ。  (難易度 100・基本問題なの? 知るか!)
 (2) tan1°は有理数かを示せ。 (難易度 100・超難問なの? 知るか!)
 (3) cos60°は有理数かを示せ。 (難易度 100・やさしい問題? わかんねーよ! 悪かったな!)




となるはずである。難易度の差なんて全く感じられないのだ。




これを英語の細かさで考える。




 B. I never forget the day that I met you. (thatは細かい。細かさ100)
 C. I never forget the day when I met you. (whenなら細かくない。細かさ20)




ぐらいではないだろうか。(細かさ判定:私)




 英語が苦手な皆さん、上の「細かさ」の説明で、それぞれの細かさか「ピン」くるだろうか? おそらく「全くピンとこない」はずである。なぜなら、B.Cの使い方がどの道分かっていないからである。英語が嫌いな人にとって見れば、




 B. I never forget the day that I met you. (細かさ100・thatだとなんで細かいの?)
 C. I never forget the day when I met you.  (細かさ100・whenだとなんで細かくないの?)




となるはずである。細かさの差なんて全く感じられないのだ。




****




f. 英語が苦手な人が、どうしても気になる部分(必死さの表れ)




前回の
c. 苦手な人の発想…「○をもらえればよい」
 で、
英語嫌い人間は、単純に「試験で○が欲しい」だけなのだ!
 と書いた。苦手な人は「テストで点が欲しいだけなのだ」
これと「細かさ」はリンクする。
『細かさ』と入試で出題される確率を考えてしまうのだ




例えば
(  )に適切な英単語を選択肢から選びなさい
 A I never forget the day (   ) I met you.
  ア・where イ・when
といった問題は、十分ありえるが、この問題が出題される確率はどれくらいだろう?
英語の先生から「やさしい」と言われるような問題だろう。何の捻りもない。
 先生から「やさしすぎる」と言われると、「英語の苦手な人」も、こんなやさしい問題は「テストで出にくい」と考えるのだ。




では




 B I never forget the day (   ) I met you.
  ア・where イ・that
といった問題は、十分ありえるが、この問題が出題される確率はどれくらいだろう?
英語の先生から「細かい」と言われるような問題だろう。捻りがあると言えばある。
 『細かい』ならば「テストで出やすい!」と「苦手な人は考えてしまう」のだ!(実際は、この問題に限って言えば、出にくいのだが)




つまり、『細かい』なら「むしろテストで出されやすいかも!」と英語の苦手な人は考えてしまうのである。




それは、テストで1点でも多く取りたいからである! 
まして、私のように、平均87点の英語のテストで7点しか取れなかったような、英語の才能がない人ほど、その気持ちが強い。




英語の先生から「細かいから出ないよ!」と言われたとしても、私なら信じない。
 私は、そういう先生にだまされ続けたからだ!




基本問題ばかりがテスト出るだろうか?




 「そんなはずはない」ことを英語苦手人間はよく知っている!(基本問題ばかり出るのなら、私は7点しか取れなかった、なんてことはならなかった。)
「極悪な難問こそ狙われる! だからそこも覚えたい! 細かいものこそ覚えて1点でも取りたい!」
 …そうとしか、英語苦手人間は考えないのである。




したがって、英語が苦手な人は結局『得意な人から細かいと言われる場所こそ』どうしても気になってしまう部分があるのである。
もちろんこのとき「ネイティブらしい表現」なんて、脳裏に微塵もないのである。




 ↓ここのリンク先も参照して欲しい。別の角度で「細かさと英語の苦手な人の発想」について紹介している。アンケートなどで「苦手な人ほど『得意な人が細かい』と言ってしまう部分を、どうしても気にしてしまうこと」が分かると思う。
http://juken.alc.co.jp/mouthbird/archives/2008/02/post_432.html




続きは明日。
※↓続き(4)へ
http://q-eng.com/diary/2119

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コメント

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2009年
09月08日
17:40
GoodGriefさん

こんにちは。

MB先生が、続きを全部書かれた後で投稿しようかどうか迷ったのですが、1点だけ書くことにしました。



「関係副詞のthatは不自然な表現である」旨、書かれていらっしゃるようですが、私は「頻繁に目にする」と考えています(どうしてinやonがないのか、いつも不思議に思っていましたのでよく記憶しています...)。



例えば...

①The Year That Clayton Delaney Died





②For Cubs Fans Only!!!: This Is the Year That the Cubs Absolutely, Definitely, Without a Doubt Will Win the World Series--Maybe.

http://www.junkudo.co.jp/y_detail.jsp?ID=8159921338



③2007: The Year that Search Grew Up

http://searchenginewatch.com/3627989



①は「歌のタイトル」(歌詞の中でもthatが使われていました)。

②は「本の副題」です。



関係副詞のthatが正式な用法なのかどうかまでは私にはわかりませんが、少なくとも歌のタイトルや本の副題に使われる程度に使用されていることは確かだと思います。


2009年
09月08日
18:20
mouthbirdさん

>GoodGriefさん

ふむふむ。割と目にされているのですね。洋楽を普段聞かない私には分からなかった情報です。ありがとうございます。

実のところ、when の代わりのthat は、where や why の代わりの that よりは、はるかに頻度が高いことを私は知っています。

ただ全体としては、when の方が多いでしょうね。つまり、関係副詞のthatは不自然とは思いませんが、頻度はwhenに比べれば少ない、という感じです。

なお、

少なくとも現代英文法では「関係副詞のthatは正式な用法」です。ただ説明している本が多くなさそうだというくらいです。

ただし文法解説書としては一番売れていそうな「総合英語Forest」には記述があります。私のバイブル「ロイヤル英文法」にももちろん載っています。実際何には載っていて、何には載っていないかを全部調べたいくらいです。私は文法オタなんで、その手の文法の本は結構持ってますが、関係副詞のthat に言及している文法本・文法問題集は18冊中6冊でした。もちろん6冊とも「関係副詞that」と説明しています。

なお、文法解説書ではなく、英文解釈本にこの関係副詞のthatの解説は載っていることも多いのではないでしょうか(手元に関係副詞のthatの解説がある英文解釈本が1冊あります。実はこの本の解説のほうが、他の文法書の類より関係副詞のthatを詳しく解説してますw)。実際に長文に関係副詞のthatが出てくれば、解説せざるを得ないでしょうから。

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