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文法の例外細目と関係副詞that(3)
シリーズ「文法の例外細目と関係副詞that」の3回目である。(1)を見てない方は(1)から見ていただきたい。
(1)
http://q-eng.com/diary/2123
(2)
http://q-eng.com/diary/2122
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(2)英語が苦手な人の発想と得意な人の発想の違い
e. 細かさ編(苦手な人は細かいかどうかが分からない)
前回((2)のc)の結論はこうである。
英語が得意な人は
B. I never forget the day that I met you.
のような、関係副詞のthatは細かすぎると感じる。見覚えが全くorほとんどないからである。(だから教わるべきではないと思える)
一方、「苦手な人はどう感じるか?」がこの章の話である。
結論から言うと、「苦手な人は全く細かく感じることができない」のである。
「細かさ」だと分かりにくいので、「難しさ」とここでは変えてみる。苦手な人は「どう難しいのか」が、感じられないのだ。
これは「数学」で取り替えて見ると簡単に分かる。
数学が苦手な皆様。↓これらの問題の難易度があなたに分かるだろうか?
(1) √7 は有理数かを示せ。
(2) tan1°は有理数かを示せ。
(3) cos60°は有理数かを示せ。
数学が得意な方なら、これらの「難易度の違い」は一目瞭然なのだそうだ。あなたに分かるだろうか? 数学嫌いなあなたなら、難易度の違いなんて「全く分からない」はずだ。それとも「なんとなく」でもわかるだろうか?
この英語版がいわば
B. I never forget the day that I met you.
である。
英語の得意な人だけが「関係副詞のthatが細かい」と感じるのだ。
「英語が苦手な人」は、この問題の細かさなんて「全く分からない」のだ。
ちなみに、数学の問題の難易度を説明しよう。実は1番難しいのは(2)。これは京都大学の過去問題で、超難問なのだそうだ。この(2)の難易度を100とした場合、
(1) √7 は有理数かを示せ。 (難易度 40・基本問題)
(2) tan1°は有理数かを示せ。 (難易度 100・超難問)
(3) cos60°は有理数かを示せ。 (難易度 1・(問題として成立しないくらいのやさしい問題)
なのだそうだ。(出題・難易度判定:理系の大学生fermatさん)
数学が苦手な皆さん、上の「難易度」の説明で、それぞれの難しさか「ピン」くるだろうか? おそらく「全くピンとこない」はずである。なぜなら、(1)(2)(3)の全ての答えがどの道分からないからである。数学が嫌いな人にとって見れば、
(1) √7 は有理数かを示せ。 (難易度 100・基本問題なの? 知るか!)
(2) tan1°は有理数かを示せ。 (難易度 100・超難問なの? 知るか!)
(3) cos60°は有理数かを示せ。 (難易度 100・やさしい問題? わかんねーよ! 悪かったな!)
となるはずである。難易度の差なんて全く感じられないのだ。
これを英語の細かさで考える。
B. I never forget the day that I met you. (thatは細かい。細かさ100)
C. I never forget the day when I met you. (whenなら細かくない。細かさ20)
ぐらいではないだろうか。(細かさ判定:私)
英語が苦手な皆さん、上の「細かさ」の説明で、それぞれの細かさか「ピン」くるだろうか? おそらく「全くピンとこない」はずである。なぜなら、B.Cの使い方がどの道分かっていないからである。英語が嫌いな人にとって見れば、
B. I never forget the day that I met you. (細かさ100・thatだとなんで細かいの?)
C. I never forget the day when I met you. (細かさ100・whenだとなんで細かくないの?)
となるはずである。細かさの差なんて全く感じられないのだ。
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f. 英語が苦手な人が、どうしても気になる部分(必死さの表れ)
前回の
c. 苦手な人の発想…「○をもらえればよい」
で、
英語嫌い人間は、単純に「試験で○が欲しい」だけなのだ!
と書いた。苦手な人は「テストで点が欲しいだけなのだ」
これと「細かさ」はリンクする。
『細かさ』と入試で出題される確率を考えてしまうのだ
例えば
( )に適切な英単語を選択肢から選びなさい
A I never forget the day ( ) I met you.
ア・where イ・when
といった問題は、十分ありえるが、この問題が出題される確率はどれくらいだろう?
英語の先生から「やさしい」と言われるような問題だろう。何の捻りもない。
先生から「やさしすぎる」と言われると、「英語の苦手な人」も、こんなやさしい問題は「テストで出にくい」と考えるのだ。
では
B I never forget the day ( ) I met you.
ア・where イ・that
といった問題は、十分ありえるが、この問題が出題される確率はどれくらいだろう?
英語の先生から「細かい」と言われるような問題だろう。捻りがあると言えばある。
『細かい』ならば「テストで出やすい!」と「苦手な人は考えてしまう」のだ!(実際は、この問題に限って言えば、出にくいのだが)
つまり、『細かい』なら「むしろテストで出されやすいかも!」と英語の苦手な人は考えてしまうのである。
それは、テストで1点でも多く取りたいからである!
まして、私のように、平均87点の英語のテストで7点しか取れなかったような、英語の才能がない人ほど、その気持ちが強い。
英語の先生から「細かいから出ないよ!」と言われたとしても、私なら信じない。
私は、そういう先生にだまされ続けたからだ!
基本問題ばかりがテスト出るだろうか?
「そんなはずはない」ことを英語苦手人間はよく知っている!(基本問題ばかり出るのなら、私は7点しか取れなかった、なんてことはならなかった。)
「極悪な難問こそ狙われる! だからそこも覚えたい! 細かいものこそ覚えて1点でも取りたい!」
…そうとしか、英語苦手人間は考えないのである。
したがって、英語が苦手な人は結局『得意な人から細かいと言われる場所こそ』どうしても気になってしまう部分があるのである。
もちろんこのとき「ネイティブらしい表現」なんて、脳裏に微塵もないのである。
↓ここのリンク先も参照して欲しい。別の角度で「細かさと英語の苦手な人の発想」について紹介している。アンケートなどで「苦手な人ほど『得意な人が細かい』と言ってしまう部分を、どうしても気にしてしまうこと」が分かると思う。
http://juken.alc.co.jp/mouthbird/archives/2008/02/post_432.html
続きは明日。
※↓続き(4)へ
http://q-eng.com/diary/2119
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