smart.fm で更新してきた、
旧チャンネルブログの文法問題をお届けします。
今週は解答編です
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参加してくださった皆様ありがとうございました。
今週のはやはり難しかったようですね。
それでは解答と解説です。
問題
1・次の日本語に対応する英文を書いたつもりである。
「もしあなたが都合が良ければ、今行こう」
Let's go now if you are convenient.
しかし、この英文には大間違いがある。この意味の日本語になるように、英文を正しく直しなさい。
解答
Let's go now if it is convenient for you.
解説
convenient という形容詞の知識を問う問題であった。「通常、convenient は人を主語にした英文の補語としては使えない形容詞」なのである。
つまり
☓ I am convenient
☓ You are convenient
☓ He is convenient.
☓ She is convenient.
☓ George is convenient.
↑ご覧のように、こういうのは全部☓である。
じゃあ、どう言えば良いのかというと、
it is convenient for + 人
と使うのである。it は状況のit。特に何かを指すわけではない。
It is convenent for me. ならば「私にとって状況は都合がいい」という感じになる。
これを使って
Let's go now if it is convenient for you.
と
してほしかったのが今回の問題であった。
<関連余談>
実はこれは、かれこれ10年ほど昔の私の失敗談である。
私はあるアメリカ人に向かって「If you are convenient, …」と話し合かけたのである。
この時、このアメリカ人は少し首を傾げて、口をややへの字に曲げで、「分かった」という意味で首を縦に振った。
私は違和感を感じた。
私はこう思った→「意味は通じたのだろう。しかし私が喋った英語にはどこかに致命的な間違いがあるに違いない」
私はすぐさま辞書を引っ張り出し、即座に間違いを見つけ出した。「通常、convenient は人を主語にした英文の補語としては使えない形容詞」だということを発見したのだった。
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2・次の英文の意味を日本語で書きなさい
George was difficult to be around for a long time.
解答例
ジョージの周りに長い時間いるのは困難だった
解説
実は difficult も「通常は人を主語にした英文の補語としては使えない形容詞」である。
ところが、difficult はある条件下だと、人主語でも補語で確実に使用可能になるのである。
実は「tough構文の場合は difficult は人主語でも 補語で確実に使用可能になる」のである。
<tough構文>
例文
The river is dangerous to swim in. (その川は泳ぐには危険だ)
in の後に注目である。本当だったら
The river is dangerous to swim in
the river.
と、もう1回 the river と書きたい感じではなかろうか。in で終わってしまっている。
実は in で終わってしまうのが正しい形である。
The river is dangerous to swim in ●.
↑ここが欠けるのが正しいのだ。
tough構文の解説は↓
http://q-eng.com/diary/16278
で、こういう tough構文は itを主語に書き換えることができる。
The river is dangerous to swim in ●.
=It is dangerous to swim in the river.
これだと it to 構文になる。文の意味としては「その川で泳ぐのは危険だ」となる。
実は問題文の
George was difficult to be around for a long time.
は、人主語なのに difficult が来ている。これは tough構文の確率が高いと判断できる。
tough構文であればどこかに ● を置ける場所があるはずである。
そう考えられれば↓ここの位置に●が置けると分かるはずである。
George was difficult to be around ● for a long time.
このままだと分かりにくいかもしれないので、it を主語にして書き換えてみる。
すると
=It was difficult to be around George for a long time.
となる。この英文なら意味を作り出すのは簡単であろう。
it は to 以下を指すのだから
→「ジョージの周りに長い時間いることは困難であった」
となる。
<関連余談>
・私が「tough構文の場合は difficult は人主語でも 補語で確実に使用可能になる」という知識を得たのは、10年ぐらい前である。難しめの「誤文訂正問題」を解いた時に出くわした。
・出題した英文は、青山学院大学の入試の試験問題の長文にあった英文のアレンジである(人名と時制を変えただけである)。高3の生徒3人に出題したが、誰一人正しい訳例を作れた人はいなかった。
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私はこのように間違いが直せたり、難しい英文の意味が正しくわかると気分が良いのです。そうではなく中途半端なままだと「気持ちが悪い」のです。(ではどうも世の中の耳タイプさんはそうではないようです。中途半端で楽しいらしい)
いかがだったでしょうか? それではまた来週。
問題編
http://q-eng.com/diary/20355
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