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earth-riseさんの日記

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2013年
05月01日
13:56 earth-riseさん

毛蟹娘の育て方・・・・子育ては親の独りよがりかもしれないけれど

  • その他
娘の毛蟹は手のかかる子だった。
いつも周りを気にするし、マイナス思考で頑固で泣き虫だったので、毛蟹を納得させたり、なだめたりするのが大変だった。
しかも何かあるとすぐにお腹が痛くなったり頭が痛くなったりで、しょっちゅうお医者さんに通っていた。

小学2年生の頃は学校に行きたくないと言いだしたので、無理に行かせなかった。
当時私は、絵本の読み聞かせサークルに入っていた。そのサークル以外にも、読み聞かせの先生のお伴をさせていただいて、あちこちの読み聞かせの会に行っていた。
だから、気分転換に毛蟹をそういう会に連れて行き、午後になると小学校に顔を出したりした。

私は絵本を読むのが好きだった。絵本の1ページ目を開くと、絵本が語りだすのだ。だからその通りに私は声を高く低く、大きく小さく、早くゆっくり読むだけだった。

でも、私に語らない絵本もあった。どうしても読みたくない。あるいは絵が生理的にうけつけない。そういう本は、私は読み聞かせしなかった。そういう本の中には名作と言われる本も何冊かあった。
例えば、「ぐりとぐら」だ。
子どもたちがこの本のどういう所にときめいて、どういう所で盛り上がるかとても分かる。でも、本が語りださないので、私が自分を盛り上げて語り、歌った。子どもたちはとても楽しんでくれたけれど、私が楽しんでいなかった。
「かいじゅうたちのいるところ」という本はもっとひどかった。生理的にうけつけない。あの絵がダメなのだ。これは絶対に読み聞かせしなかった。

サークルに入ってくる人達は絵本が好きな人が多いのだけれど、好きだから絵本を上手に読めるわけではない。

練習でいろいろな人が読むのを聞いていると、聞いていても心が動いてこない事がよくあった。もちろん、聞かせるテクニックもあるけれど、それ以前に、楽しくないのだ。

その中で、特に面白くない人が(ごめんなさい)、私に言った。
「どうしてそんなに上手に読めるの?あーすさんのを聞いていると本当に楽しいの。」
私は答えた。
「特にこう読もうと思いませんけど、楽しいと思って読んでます。」
するとその人が答えた。
「あ、そう・・・・。私は絵本を読んで楽しいと思ったことは一度も無いの。息子にもよく絵本を読んだけれど、それは子どもの情操教育に必要だから読んだだけなの。孫が生まれたから孫に上手に絵本を読んであげようと思ってこの会に入ったのだけれど、ここに入って驚いたの。こういう読み方があるんだなって。そして楽しそうに読んでいる人を見てびっくりしたの。」

え!!!
私の方が驚いた。楽しくないのに、情操教育に必要だから読んでいた?そんな読み方で情操教育になるのだろうか?
親が楽しくない本を読んでもらった子供はどういうふうに感じていただろう。笑っただろうか?楽しんだだろうか?絵本を好きになっただろうか?

私は楽しいから、毛蟹に絵本を読んでやった。好みと違う本でも、毛蟹に見せると、毛蟹は自分で眺めて好きな絵本を自然に選んでいた。
ああ、子供ってこういう物が好きなのか・・・・。そういう発見が楽しかった。

別の日。
図書館で読み聞かせの練習を見学させてもらった時の事。
長新太の「ぼくのくれよん」という本を、読み聞かせに使うかどうかという話になった。
私はこの本はすごく楽しいと思った。溢れるエネルギーをクレヨンで絵を描いていくぞう。それをみんなに理性的に止められるのだが、それでも書くのをやめられない気持ちが子どもたちの心にぴったりだと思った。
ところが、司書の人の意見は違った。
「これは、もう絵を描いては駄目だと言われたのにまた書いてる所で終わるでしょう。だから、子どもたちの心の中で、「駄目だと言われたのにまた書いてる」という不満で終わるから、この本はよくないと思う。」

そういう解釈もあるんだ・・・・。でも、駄目だと言われても止めないのが子ども。そこがいいと思うんだけどな。
それに、道徳的な結論を子どもに示すことが重要かな。子どもは自分なりのオチとか結論を見出す物だ。それより何より、結論を出すこと自体、子供に必要だろうか?

どんなことにも意味がある、どんなことにも結論がある。大人はそういう思考をする。
けれど、この世界は意味を求める必要のないこともある。結論を求める必要のないこともある。
ただ、あるがまま。
あるがままだからこそ、意味があることだってある。

それは言葉にならない。言葉にしたら違う物になってしまう。
子どもの中に溢れるエネルギーや生命力はそういう物ではないだろうか?
全ての物に、「意味」という、大人の枠にはめる必要があるだろうか?
この絵本に登場する「ぞうくん」はまさにそのエネルギーの象徴だと思った。

だから。
世間で名作と言われなくても、結論が良くないと言われようと、とりあえずは楽しめればいいんじゃないかな。


そういえば、私はよく言われた。
「あーすさんって、本当に毛蟹ちゃんをかわいがってるわね。いつも楽しそうにしてて、悩みなんかないでしょう?」

私は毛蟹を可愛がっているというより、自分が楽しいと思う事を毛蟹にさせていた。
悩みだってたくさんあったし、しんどいこともたくさんあったし、腹の立つこともたくさんあった。
でも、楽しかったよ。

だから。
私は今、毛蟹に聞いてみたい事がある。
「ねえ、お母さんと一緒で楽しかった?」


・・・・・・・・・・・・でも、毛蟹はこう言いそうな気がする。
「お母さんは楽しそうだったけど、私は楽しくなかった。」


でも、楽しくなさそうな毛蟹の傍で、楽しくなーい顔をした私がいたら、毛蟹はもっと楽しくなかったよね。
絶対そうだよね!(と信じよう)
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コメント

1番~10番を表示

2013年
05月01日
22:26
maikoさん

あーすさん、ありがとうございます。
女の子って本当、難しいです。
長女はちょっとみんなと違っただけで、大変でした。
着て行った洋服がちょっとみんなと違っていて、お友達に『なんかヘン』って言われたらもう二度と袖を通しません。
だから私は、いつも周りの子をチェックして、みんなと同じにしました。
ある時、『これみんな持ってるから買ってあげるね♡』って言ったら、『もうー(長音記号1)私は私なんだからいいのっボケーっとした顔』ですって(笑)

読み聞かせは私も大好きで、1人何役もOKです。小学校のボランティアもしました。
長女は主人に似て寡黙で、声も低くて歌ったり、英語話すのも恥ずかしい。
でも、最近『この前、おじいさんの声で教科書読んだら褒められたよ〜』なんて言ってました〜。

絵本と言えば、わたし子供の頃は、『こどものとも』がどっさり押入れの袋戸棚にあって、二段ベットの上からちょうど出し入れ出来るようになってて、もう、一日中絵本の世界に入っていましたけど。
うちの子本当、絵本読みませんぷっくっくな顔

2013年
05月02日
06:42
green-geckoさん

朗読って不思議ですよね。

読む声って、なんか場をつくる力を発揮するときがあるのを感じます。
母は、視覚障がいのある方々のための録音ボランティアをしていたので、家でいろいろな文書を朗読して録音していることがありました。けっこう上手でしたよ。

わたしは、感情をたっぷり込めた朗読を聞くのは苦手です。
わたしが感じることと、読んでいる方の感じていることが食い違うことが多いので、
ああ、そこはそういう気持ちで読まないでほしいなあと、思ったりすると本の内容に集中できないから。
なるべく無表情にたんたんと読まれる朗読が好きです。昔ラジオの朗読の時間があって、それはわりあいにそういう読み方だったので好きでした。

たまーに、仕事がらみのイベントで、子どもたちに読み聞かせをしますが、
無表情な低い声で読むと、わりと集中して聞いてくれる気がします。

絵本はどうなんでしょうね。
わたしは、母が「ぐりとぐら」を読んでくれたのは、とても楽しい思い出です。
「はちゅうるい」という絵本も好きだったけど・・・あれは、字があったかなあ・・・・

2013年
05月02日
13:42
neginohanaさん

長新太の「ぼくのくれよん」
楽しい絵本ですよね~。
もう20年も前に出版されたようですが、今でも子どもたちには人気があります。
今日見たのですが、図書館のそれはボロボロになりかけてました。

一過性でなく、何十年も支持されている絵本にはそれなりの理由があるはずです。
人によって好き嫌いがあるのは仕方ありませんが、
「この本はよくない」と決めつけるのはいかがなものでしょうか。

2013年
05月02日
22:26
たっつんさん

 なんか今回のは打って変わって、ドキュメンタリータッチですね。いつもある意味、フィクションではないドキュメントですが…。

 物語に結論はいらない、ですか。深いですね。
 私は、国語とか、理科もですが、ひと通り話が終わったり、実験の結果が出ると、

 「で?」

 っていう、大人が興ざめする疑問を持ってしまう感じでした。
 そこは男性的というか、「で、結論は何なの?」「それがわかると、何がどうなるの?」っていう疑問があったと思います。「なんで大人は最終的な結論を示してくれないんだ?」といったところでしょうか。

 でも今、earthさんの記事を読むと、「結論をそう急ぐな。」というプロセスを大事にする考えにも、共感できるような気がします。

>結論を出すこと自体、子供に必要だろうか?
>全ての物に、「意味」という、大人の枠にはめる必要があるだろうか?
この絵本に登場する「ぞうくん」はまさにそのエネルギーの象徴だと思った。
だから。世間で名作と言われなくても、結論が良くないと言われようと、とりあえずは楽しめればいいんじゃないかな。


 言われてみれば、そうかもしれません。本を読むということ自体を好きになってもらえるというのは、そこからずっと続く大事な財産になります。結局、今私達が読む本が難しいのは、その手前に読むべき本を読んでいないからですよね。それを考えると、ほんとうの意味での「積読」がその個人の知的財産になります。それを体得できている、ということは大事なことだと思います。
 まず、本とそのストーリーを楽しんでもらう。大事な入り口だと思います。
 

>「ねえ、お母さんと一緒で楽しかった?」

 親御さんならではの疑問ですね。
 私が思うに、家族なので、近いほど深い言い争いや闘いがあったと思います。しかしながら、おおよそ完全な人間など存在しないわけでして、その不完全さを、それが親だからといって、責めることはできないのではないでしょうか。
 むしろ、評価するべきは全力であったところだと思います。

2013年
05月10日
13:38
earth-riseさん

>>1 maikoさん

子育てって本当に大変ですよね。
お子さんが絵本を今読まなくても、子どもの頃の体験は体の中に蓄積されているはず。きっとお子さんがお母さんになったら、たくさん絵本を読んであげると思いますよ。

自分が子どもにした事の影響がいつ出るか、どのように出るか分からないのが子育て。怖い所でもあり、楽しみな所でもありますね。

2013年
05月10日
13:46
earth-riseさん

>>2 green-geckoさん

読み方は、感情を込めるか、感情をこめないか、読み手の方たちで、いつも課題になる事ですね。

私がやっていた読み聞かせは、2~3歳児が対象でしたので、感情をこめ、ある時には絵本に書いていない事も言ったりしました。まだ小さい子どもたちは、自分で想像できなかったりするので、注意力を喚起して次の展開につなげるためです。
もちろん、そういうことを一切しない読み方もありますが、それはもう少し大きくなった子どもたちの時でした。

自分で想像して世界を作り上げることができる子達には、読み手の感情は子どもたちの世界の邪魔をしてしまいます。ですから、その想像を広げる助けになる程度にとどめます。

2013年
05月10日
13:51
earth-riseさん

>>3 neginohanaさん

そうですよね。
本って、好き嫌いはあるけれど、良い悪いって、決められませんよね。私と毛蟹の好みも違いますから、毛蟹が小さい時は、図書館の司書の人にいろいろ選んでもらいました。自分で選ぶと偏ってしまうので。
毛蟹は、「まめ」という、いろいろな種類の豆のが書いてある本と、「マリモ」という、説明がいろいろ書いてある本が好きでした。「なぜ好きなの」と毛蟹に聞いたら、「何故だろうね」と笑っていました。

2013年
05月10日
14:04
earth-riseさん


>>4 たっつんさん

たっつんさんの気持ち、わかりますよ。
私も、物語や映画で、「え?これで終わり?で?どうなったわけ?何が言いたかったわけ?」って思ったりしますから。すごく腹が立ちます。この中途半端な気持ちをどうしてくれるんだって。

絵本を読み聞かせるためにいろいろ読んだ時思ったのですが、子供にそういう理性的な結論を示す必要は無いのではないかと思います。子どもに必要なのは結論ではなく、共感ではないかと思うのです。善悪とか、理論的とかでなく、「あー!すっきりした!」という気持ではないかと。

共感できると「すっきり」しますが、共感できないと「もやもや」で終わってしまいます。ですから、小さい子供の読み聞かせでは、読み聞かせの時間が終わった時、「もやもや」ではなく、「すっきり」で終わることが大事なのです。

たっつんさんは、たっつんさんが「すっきり」する本を読めばいいわけで、世間で面白いとか良いと言われる本だって、「もやもや」で終わるなら、それはたっつんさんの本ではないと思えばいいだけの事でしょ?
私の「かいじゅうたちのいるところ」と同じように。

子育ても同じなんでしょうね。
親のすることが子どもにとって「もやもや」に感じられるのが一番嫌なことかも。
親が間違っても、どこか子どもが「すっきり」と感じられればいいのかもしれないなあ、と思います。

2013年
05月10日
14:05
maikoさん

>>5 earth-riseさん
ありがとうございます。
この子全然本読まないから、興味ないのかしら?とかはおいておいて、お母さん昔読んでくれたな〜。って思い出してくれるだけでもいいですね。
それにしても、感情をこめない読み聞かせもあるなんて、知らなかったです。
いつも、たっぷり演じてるので( ̄◇ ̄;)
もし、自分が子供だったら、たんたんとした朗読は居眠りしちゃう(笑)
みんな、それぞれですね。

2013年
05月10日
16:18
earth-riseさん

>>9 maikoさん

アニメとかでありませんか?主人公の声が自分のイメージと凄く違っていたとか。
感情が入りすぎた読み聞かせって、そんな感じです。

このことについて、毛蟹に絵本を読んだとこのことがありますので、今度日記に書きますね。

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