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夫が1月14日から出張でＮ市に出かけた。

ついでに言うと、娘はＮ市の大学に行っている。ま、二人の距離はバスで約50分、電車だと・・・・・分からないや。ま、そんな距離である。でもお互いに忙しいから全く会う機会が無いけれどね。会う気も全く無いし。

夫は1週間くらいで帰れるんじゃないかなあ、帰りたいなあ、という気持ちで出かけた。ダメでも1月末には帰れるんじゃないかなあ、帰りたいなあ、と言う気持ちだった。

しかし、1週間が過ぎ、夫から「帰れない」と言うメールが来た。
ま、別にかまわないけど。

2週間近く過ぎた頃、「いつ帰れるの？」というメールを送った。
なぜって・・・・。
夫はやたらたくさんテレビ番組を録画しているので、録画できる残量がどんどん減っていくからだ！

私は夫にメールを送る。
「次の録画済み番組で消去してよい物を選んでください。
××××
●●●●
△△△△
ひつじのショーン
アニメ　バクマン
東京かわいいＴＶ
ワールドビジネスサテライト
ガイアの夜明け
未来世紀ジパング
夢の扉
世界ふれあい歩き
イッピン
ソロモン流
地球ドラマチック
ケイ山だの英国式庭園だより
がっちりマンデー
実践百名山
地球バス紀行
大人の旅歩き
日本百景
世界遺産
アド街ック天国
グレーテルのかまど
ゆうゆう紀行
SONGS
池上彰の●●●●
今日の健康
・・・・・・・・・・・・」
20以上の番組の題名を書いた。

帰ってきた返事は、
「次のものは残してください。
××××
●●●●
△△△△
ひつじのショーン
アニメ　バクマン
東京かわいいＴＶ
どーも君
・・・・・・・・・」

半数以上じゃないか！もっと削れ！

「バクマンも見るの？」
「うん。」

クー！残量考えてアニメなんて諦めてよ！

出張はついに2月半ばに突入。
その間、時々消去していい番組を尋ねる。

実家に行くと、時々母が尋ねる。
「ハルちゃん（仮に夫をこう呼ぶことにする）がいなくて寂しくないの？」
「なんで？なんでさみしいの？『亭主元気で留守がいい』って言うじゃない。ほんっと、楽だわ。鼾をかく人がいないから夜は良く眠れるし、朝早く起きなくていいから楽だし、ご飯も適当に自分のだけ作ればいいし。」
「冷たいのねえ。」
いやいや。お母様。あなただって、「亭主元気で留守がいい」ってよく言っていたじゃないですか。

夫が別にいなくてもかまわないんだけど、年度末に向かって、保険とか年金とか、税金とか、車の保険が切れるとか、なんだかんだとめんどくさい書類が送られてくる。
それを開封してどんな内容か、いつまでにどういう返事をするかメールをする。

夫から返事が来た。
「分かりました。じゃあ、私から電話しておきます。今日は珍しく10時に帰れたけれど、いつも9時過ぎから打ち合わせが始まって帰れるのが夜中の12時過ぎ。それから洗濯したり、もうへろへろです・・・・・。食事はコンビニで買ってます。」

ちょっとかわいそう・・・・。私は夫がいないから、実家で何度も外食に連れて行ってもらってリッチな食生活。お寿司、ウナギ、イタリアン、和食、焼き肉・・・・・。デパートに行った時はお弁当買ってきたり、高いサラダとかオードブルとか買ったり・・・。

「そっちお天気が荒れてるってニュースで言ってたから、風邪ひいたりしないでね。」
けなげな妻は思いやりのあるメールを送る。

時々夫を癒してあげようと、ちびマルの写メを送ったりする。
夫からの返事は、
「ちびまるちゃん、可愛いね。私は一応まだ生きてます・・・・。」


夫は結局2月28日に帰って来た。

私　「大変だったねえ。」
夫　「うん。疲れた。コンビニが命の綱だった。」
私　「せっかくお魚がおいしい所にいたのにね。何にも食べられなかったの？」
夫　「うん。早い日はヨーカドーでお弁当買って食べて寝た。」
私　「じゃあ、うちにいるのと同じ物食べてたのね。」
夫　「うん。夜行くから50％引きとかを買ってた。」
じゃあ、完全にうちにいるのと同じじゃない（笑）。

私　「で、今度はいつ行くの？」
夫　「え！・・・・・えーん。一応夏まで行かない予定なんだけど・・・・。」
私　「えー。そうなの？どこか別の現場とか行かないの？北海道とか、九州とか。おいしい物いろいろあるよ。」
夫　「今度は大手町の予定なんだけど。」
私　「つまらない・・・・。」
夫　「うん。いつも行っているところだからね。つまらない。」
（私の言う「つまらない」の意味を夫はわかっていない。）

私　「ほら、そうでしょ。秋田とかさ、東北もおいしいものあるよ。」
夫　「もう、しばらくはいいです・・・・・・。」


翌日、夫が帰宅して言った。
「今日会社でね、出張から帰った夜に、うちの奥さんに『今度はいつ出張するの？』って聞かれた、って言ったら、みんなに『えー！』って驚かれた。」

あ、そう。
私は会社の男性諸君の声より、彼らの奥さんの声を聞いてみたい。