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たっつんさんの日記

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2013年
03月02日
00:13 たっつんさん

そもそも、なんで「間接目的語」という名称なのか 〜文型と英語的思考〜

●第4文型の間接目的語について

 第4文型の目的語は、それぞれ間接目的語と直接目的語と呼ばれています。第4文型は主語、動詞、間接目的語、直接目的語の順番で SVO1O2という構成で成り立っています。

 間接目的語 O1 ところには somebody、つまり<人>が該当します。なぜ、その動詞の次に来る目的語が「間接目的語<Indirect Objects>」と呼ばれているのかは知りません。

 そして、この間接目的語の前に to や for などの前置詞を置き、O2の後ろに回すことで、SVO (to O1)という第3文型に変換ができます。この時点で、(to O1)の部分は副詞句となります。よって文法上、いわゆる文型の構成要素から外れます。
 
 さらに第4文型の場合、上記にも記したように順番が決まっています。

S+V+O1<人=間接目的語>+O2<物=直接目的語>

です。
 これが、第3文型に変換されるときは、

S+V+O2<物=直接目的語>+{to/for/... + O1<人=間接目的語>}

です。繰り返しますが、{to/for/... + O1<人=間接目的語>}の部分は副詞句です。文法構成には関与していません。


●第3文型の主旨 〜第3文型じゃなきゃイヤ!〜

 個人的な意見ですが、第3文型はSVOで構成されていて、他動詞が使用されていることもあり、とても力強い意図が示されていると考えます。

 I shot the sheriff. [SVO=第3文型]
この意味は「俺は保安官を撃った」っていう意味です。確実に当てて外傷を負わせた、という意味です。そこまでストーリーが描かれています。

Bob Marley の名曲。「殺ってやったぜ!」っていう歌。

 I shot at the sheriff. [SV(M)=第1文型]

 これは「保安官を狙って撃った」であり、その結果として当たったか外れたかは意図していません。よく言われる自動詞の自己完結性というのは、こういうことです。結果がどうのこうのよりも、主語が何をするのか、しているか、したか、に焦点があります。

 これと同様に、

 I love you.

 I fall in love with you.

 は、似ているけど違います。理由は上記と同じです。いわゆる「愛」と「恋」の違いでしょう。愛は他人を思いやる気持ち。恋は自分と自分のストーリーが優先。まさに愛と恋の違いは、I love you. [他動詞]と I fall in love with you. [自動詞]の違いに等しいわけです。
 

 そういった直接、目的語に働きかける作用が強い第3文型の動詞ですが、動詞によっては動詞の次に<人>が目的語としてくることを受け付けない動詞があります。<人>でも<物・事>でも目的語になれる第3文型として成立しながら、動詞の性格・特徴から、目的語は<物・事>のひとつだけというスタイルを採用する動詞があるわけです。

 思うに、このスタイルを採用する動詞というのは、第4文型のように、間接目的語(=人)といわれる目的語を介入させないことで、その動詞の作用を直接、ひとつの目的語に向けることではないか、と考えるわけです。

 どういう種類の動詞が該当するのかは全てを把握していませんが、そういう視点でこれから学習していくといいかと思います。
 個人的には say 系、つまり発言、主張系が多いのかな、と思います。この系統の動詞は第3文型を好みます。人を目的語として介入させるときは、<to + 人>の副詞句として存在させます。やはり「人が目的語であること」について、「あくまで間接的立場である」という立ち位置は同じです。

 これらを総合的に考えると、間接目的語が「間接」目的語である理由は、ここらへんにあるのではないでしょうか?


say
〖say (to/of A) (that)節〗
〖say A (to B)〗:(B〈人〉に)A〈事・言葉など〉を言う

claim
〖claim A〗:A〈事〉を主張する
〖claim that節/to do〗

complain
〖complain (to A) (that)節〗:(A〈人〉に)…であると不平[不満]を言う, 訴える (!受け身にしない)
[自]〖complain (to A) about/of B〗

demand
〖demand to do〗
〖demand (that) A (⦅主に英⦆should) do〗

mention
〖mention doing〗
〖mention that節/wh節〗
〖通例、be mentioned〗


 これらの動詞のパターンとして、動詞の次に<人>が目的語としてくることはないみたいです。[ただし、<to 人>というように、副詞句になった場合を除く。]
 この延長として、提案系のsuggest、propose などを調べてみます。提案である以上、当然<人>が第3文型の目的語として該当しています。

▸ suggest her for an ambassador
彼女を大使にしてはと提案する
(これも、見方によっては人を<機能>として見ている、という風にも見えます。言い方悪いですけど、人=物という感じで、物に該当するのが<人>だった、っていうある種の、機能主義的な観念です。
 訳も彼女「を」という訳になっています。これが間接目的語のように、人が定位置の目的語なら、彼女「に」となったはずではないでしょうか。)



 という感じに。これ以外の文法は、やはり発言・主張系の動詞とスタイルが似ています。

〖suggest doing〗
〖suggest (to A) (that)節〗
〖suggest wh節・句〗

 もちろん例外もあるでしょうけど、こういうパターンで説明できるほうが圧倒的に多いです。英語の要は文型理解であり、その要は動詞です。
 しかしながら、動詞の意味を覚えても形を理解しないと、それこそ「使えない英語」になります。
 また、動詞の形をひとつひとつ理解しても、それは部分最適解であり、全体最適解にはなりません。似たような表現を揃えてみて、そこに本質的な共通項を見出さないと全体最適化はできません。エラーを繰り返すばかりです。



●文法、文型は暗記するしかないのか?

 考えてみれば、私達人間の言語による思考回路は、文法の型により支配されおり、それに従い意思疎通を図ります。俗にSVO型なのか、SOV型なのかで別れるそうですが。

 ということは、逆に考えれば、文法を理解するということは、外国語を使用するその地域の人達の物の考え方を伺う事になります。

 そして私達や彼等は、言語をある種、パターン化しているわけです。ということは、英文法の要である動詞の中で、似ている表現をする動詞は、その表現の型も似てくるはずです。
 仮にそうでないとすると、その都度、その動詞の文法を覚えていないといけなくなります。
 もっと言うと、もし仮に、言語の文法というルールが暗記のみによるものであれば、それは native である彼等、そして日本語ユーザーの私達も同じく、文法のルールを漢字を思い出すようにして話さなくてはなりません。

 たしかに、漢字を忘れたりしますから、記憶に頼る部分もあるとは思います。英語で言うスペリングも同様です。
 しかしながら、言語というのは理解に基づくほうが実は大きいのではないか、というのが私の持論です。
 Japanese Nativeだろうが、English Nativeだろうが、このパターンを、覚えるのではなく経験してきた状況と照らしあわせて、理解して習得しているはずです。私達日本人が、日本語文法やそのパターンを問われた所ですぐに言葉にできない、というのがその証明です。

 おそらく日本語もそうだと思いますが、英語は上記に示したように、5つの文型があり、それぞれの文型に該当する動詞のクセ、種類のパターン、思考の癖があります。
 また、それを理解することが、俗にいう「英語脳」を身につける事だと私は考えます。逆に言うと、文法理解のプロセスのない英語脳は偽物だと思います。

 ひいては、これが私の目指す「暗記ではなく理解に基づく英語力」です。
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