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たっつんさんの日記

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2012年
12月16日
13:21 たっつんさん

英検準1級合格に求められる読解力

 これは前回の2012年第2回英検として行われたテストで実際に使用された文面です。英検準1級、TOEICでいうところの730点レベルの内容で求められる読解力がどのくらいのものなのか、興味深いところだと思うので紹介しようと思います。

 受験者の読解力がどのくらいのものなのかは、大学受験の現代文にもあるように、選択肢でどれが一番近い要約なのかを選ばせることで測る事が出来ます。

 英検準1級に求められる読解力も、それに似た内容となっています。人文学的に高度な内容ではありませんが、ストーリーを詳細に追える読解力が求められています。これを5〜10分という短い時間で、読み解く力が準1級で求められています。
 TOEIC part 7にも、全体を要約した選択肢があり、どの選択肢が一番ふさわしいかを選ばせる問題があります。言い換えがされていて、文面を追うというよりも、文章(段落)の全体を見渡して、内容を追わないと正しい選択肢が選べないようになっています。

 ここで、前回の問題から私が間違えた箇所を事例として挙げてみたいと思います。
 問題番号は、2枚目の資料にある33番です。
 これに該当する段落は、Aquaculture poses ... で始まる第2段落です。

 簡単にこのエッセイのテーマについて紹介すると、養殖漁業がもたらす環境への悪影響についての話がそのテーマです。
 養殖と自然の環境によって育った魚の数が減ってきたので、アメリカ政府は養殖の数を増やす事にしたものの、その決断によって引き起こされる生態系等の環境への影響、パラドクス的なジレンマ等について述べられています。

 第2段落では養殖時に使用される栄養剤等の化学物質やケージを抜け出した魚が壊す生態系等の問題点、さらにタラなどの魚が養殖される場合に、必要とされるエサの量が多い事から発生する生態系バランスの喪失問題について述べられています。

 33番の問題文では、そういった沖合養殖漁業に絡む問題のひとつとして考えられる物は何か、という問いが与えられています。
 この問題が試そうとしている受験者の英語読解力は、詳細な情報把握能力だと思います。offshore fish farm は「沖合養殖漁業」で Coastal fish farm は「沿岸養殖漁業」です。まず offshore と coastal の語彙が示す内容を区別できないと解答が難しくなります。

 さらに沿岸養殖も沖合養殖も、ともに環境に悪影響を与えている点は同じです。33番の問題が聞いているのは、沖合養殖で何が起きているか、ということです。

 因果関係としては沿岸養殖で起きた問題が沖合養殖によりさらに悪化しているということです。
 私はこの因果関係が描けず、offshore での話を聞かれているのに、coastal fish farm、つまり沿岸養殖の選択肢を選んでいます。おそらく、不合格者やここの問題が出来なかった人は、こういった情報や状況の把握ができず、混乱した人たちだと思います。


 さらに正解の選択肢の冒頭、The industry's efforts to produce more farmed fish ... , というのも文章の中に明示された内容ではないので、その記述が正当な選択肢としてふさわしいのかどうか、も迷いました(大事なのは、それに続く文でしたが)。
 また文章中の語彙、wild population が魚の生息数を示しているとわかるまで、時間が必要でした。

 短い時間の中で、こういった情報、単語が示している内容を落ち着いて、瞬時に正確に受け取る事ができないと準1級の合格は難しいです。この問題の次には、問題数が4つの配点が8点で、問題文の量が増えた大問4番が控えています。

 準1級の合格者は、やはりreadingで得点を稼いでいます。ここをいかに効率よく得点するかが大事なポイントでしょう。文法や語彙もさることながら、こういった読解力、つまり「情報を精査、整理する力」も必要になってくるのが準1級です。

 こういった力を付けるには、やはり長文読解しかないです。長文読解力は長文で身につけるのがいいと思います。
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