英語の記事読んでいると、いろいろ知的好奇心をくすぐられるものでして。
正直、ネアンデルタール人とかクロマニョン人とか、ホモサピエンスとか、
人類考古学的な事はあまり興味ないのだが、それでも記事を読むと、「そういうえば、人類はどういう順番でどう流れて来たんだろう?」「一つの類人猿から派生したのか、それとも黒人とか白人とか黄色人種には、いくつかのベースになる類人猿とかがあったのか?」と考えると、
「鳥(鶏)と卵」式に、どっちが、あるいはどれが先か考えると終わりがなく、眠れなくなる。
生物遺伝子学をはじめ、関連する学域の研究、理論が進んでもなお、未知の部分が多く残るってところが、学者たちの情熱を燃やし続けているのだろう。納得できる話だ。
ただ僕が今一番興味があるのは、かなり近い過去の人類考古学、
日本現代史。ちょうど戦後あたりからの日本。築きあげた財産をほぼすべて失い、焼け野原と化した、東京、横浜、広島、長崎、等々の主要都市を抱えた日本の再出発物語(それでも残るものはちゃんと残っていた、というある経営コンサルの考察)。文字通り、ゼロからと言わず、
−100からの
出直しスタート。
天皇制=立憲君主制という根本的な政治システムを失い、
Douglas MacArthur(=マッカーサー)による
新しい秩序=the new orderに揺れ惑う日本。当時を動かしていた政治家は、
白州次郎、
吉田茂をはじめとした偉大な政治家たちだ。
彼らは、今のような確固たる理念もなく、
組織票を求めて三千里、
既得権益を
死守するべく右往左往する
politician ではなく、白州次郎の言葉を借りれば、「
principle のある」
statesmen だ。
マッカーサー相手にハッキリ
主張した政治家たちの時代、また、秩序なき時代を
法律や警察に代わって秩序を創り、各
「シマ」を実行支配していた
山口組をはじめとした
ヤクザたちの
「仁義なき戦い」の時代でもあった。(今は役割を見いだせない文字通りの「ヤクザ」の、元来の社会的立ち位置をご存知だろうか? 知りたい人は映画、
'The God Father' を観よう!
This is how the world systems work!
思えば、政治家もヤクザも最終的にやっている事は本質的には同じ部分もある。
厚生年金は、
第2次大戦中の
戦費を手っ取り早く
調達する手段として施行されたし、
借地借家法は世帯のある男に、
「嫁と子供の事は政府が責任を持って面倒観るから、心配しないで心おきなく戦地で散ってくれ!」という理念の元、設立された。
結局、政治もヤクザもやってることは本質的には一緒なんだ。ついでに言うと、
そんな日本政府を、それでも信用しますか?っていう話)
ー現代というのは、
世界の秩序が変化した
米ソ和平、80年代の
バブルが終わって、90年代からの
失われた20年があって、
9.11を経て、
3.11っていう日本の
社会構造までも
揺るがす出来事を経験している。
さらに、
中国、ロシア、韓国との
領土問題にゆれ、
nationalismに揺れている。今回の騒動の新しい局面は、日本国内においても、
知識層と言われるいわゆる日本の舵取りに関わるようなトップ層にも、
右寄りの思想を口にする人が出てきた事だ。
この状況はまさに、日本が
明治以来、富国を目指して、列強から独立を守ろうとしてきた時、あるいは
大戦前、
大戦中と
似ているのではないだろうか。
人間は
歴史を学んでいても、やはりどこか
他人事で
○×テストの科目でしかないようだ。
実際の経験がないから「弱腰だ」と政府を批判し、また懲りずにヒトラーのような人間を選択し、戦争に向かうのか? これを止めるのは、やはり
深い思考力、logical & critical thinkingしかない。
歴史学の奥義は、
穴埋め選択問題じゃたどり着けない。
哲学的ないし人文社会学的ideologyの考察というところまでいかないと、理解している事にならない。だから東大の問題にはマークシート問題や選択問題がない、全て記述式。そして慶応入試の日本史の問題には、200字の記述式回答問題がある。
また、地方公共団体の
横浜市や
神奈川県、
大阪府では中央を振り切る、独立志向の政治を始めようとしている(
神奈川「州」という発想。おそらく
地方交付税等の撤廃を目指す、
中央政権支配からの脱却等に起因している)。
つまり、
「今、日本は秩序を再構築しようとしている」と言える。日本の戦後現代社会という築き上げてきた日本の
秩序、システムを改めて問いただす、「
deconstruction (=脱構築)」が強く求められているのだろう。
特に3.11での政治家や大企業幹部の不甲斐ない管理、準備、対応は、第2次大戦の前・中・後におけるあらゆる場面における判断力、決断力のなさ、
情報隠蔽体質と同一、つまり、あれから
日本は本質的に
何も成長していないし、
何も変わっていない、という指摘をよく耳にする。その通りだと思う。
やはり、これからを探ろうという状況においては、歴史学を深く追求する
「思考と洞察」が必要だと思う。
そこに必ずヒントはあると思う。
それゆえ、吉田茂等の人物に興味を覚えるんだ。
吉田茂の人物史を振り返り、現代を読み解く現代史ドラマ
http://www.nhk.or.jp/dodra/dodrasp/index.html#d11
久しぶりにバラエティ以外でテレビが観たいと思った。
なんと1897年からのthe Japan Times!
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