手術着と言っても短パンにはき替えるだけだ。
院長は、私のあらわになった太ももの内側に、レーザーを入れる予定の場所だろう、マジックで印をつけていった。
手術台に寝て右腕に血圧計を腕につけ、左腕に点滴をする。
手術する右足何箇所かに麻酔の注射針が刺される。できたての大福のように柔らかい太ももの内側だから、チクっと刺されると痛い。
しばらくすると、今度は局所麻酔を足に打たれる。
足の付け根からレーザーを入れて腿から膝までの静脈を焼いてしまうのだそうだ。
それは麻酔のせいで何も感じなかった。
その後、膝の下の、横にぼこぼこしている静脈を抜き取るという。ここはレーザーを使えないので、両側から針を刺すのだという。
静脈焼いたり、抜いたり、素人には想像できないけれど、全部で30分くらいの簡単な手術だそうだ。
膝の下の静脈を針でチクチク刺しているらしくちょっと痛い。うーん。これは、痛いっていうことをアピールした方がいいかしら?
しかも、脛の皮を横にギュッギュッと引っ張られる感じがすごくするんだけど。
「痛!」
ちょっと、小さな声で呟いてみた。
「あ。痛かった~?」
院長は軽~く答えそのままギュッギュッと私の静脈を引っ張っている。
うー。この引っ張られる感じ。良い感じはしないなあ。
とかなんとか思っている間に手術は終わった。
その後、足にきつく包帯を巻き膝から下と腿にサポーターをはき、足の付け根を圧迫するための丸めた包帯を固定した。
「では、明日、消毒に来てくださいね。あ、抜いた血管見ます?」
そこには、ガーゼの上に、透明な細い管(?)が並んでいた。
「透明なんですね。」
「ええ。血が無いですからね。」
ふーむ。血管ってこんな透明な薄い管だったのね。なんとなく、血管は赤いと思っていたけれど、血が赤いのだから血が無ければ透明な訳ね。
静脈をとってしまっても、深い所に別の静脈があるし、必要なら新しい静脈ができるのだそうだ。
人間の体って凄いのね。どうやってそういうシステムを獲得したんだろうね。
「今日は車は運転しないでくださいね。」
看護婦さんは私の足に包帯を巻きながら言った。
「明日からは運転できます?」
看護婦さんは、包帯から顔を挙げ私の顔をじっと見た。
「え?・・・・・・普通はできないでしょう・・・・?足が痛いと思いますし、サポーターはめてるから動きづらいでしょう?」
「はあ、そうですね。」
車を運転できないとちょっと不便だな。毎朝夫を駅まで送るのは1週間くらいはやめよう。
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