カタカナ語にご用心【37】セカンドオピニオン(英訳編)
最近、医療の現場でよく使われている言葉に、セカンドオピニオンというのがある。今かかっている医師の診断の治療に対して別の医師の意見を求めることだが、これはもともと英語から来た言葉なのでsecond opinionでいい。
だが、世間でよく聞く「セカンド○○」の類の表現には、結構和製英語も混じっているから、注意が必要だ。
私には縁がないが、ちょっとお金のある人が別荘のことをセカンドハウスと言ったりする。しかし英語ではsecond homeが正しい。
夏だけ住む別荘という意味ではsummer houseという表現もある。
小物用の小型バッグのことをセカンドバッグということがあるが、これはまったくの和製英語。そのままぴったりの英語表現はないが、small purseで通用する。
定年後の第二の人生のことをセカンドライフと言うのもよく耳にする。いかにも英語っぽいが、やはり和製英語。もっと具体的にlife after retirementと言ったほうがいい。
逆に英語でsecondとかsecondaryを使っていても「第二の」と訳さない方がいい例もいろいろある。ここでは代表的な例として、secondary school(高等学校、高校教育)だけをあげておくことにしよう。
では、以上を参考に、次の5つの文を英訳してみよう。
① この件についてセカンドオピニオンが聞きたい。
② ミシガン湖にうちの夏の別荘がある。
③ その国の高校教育は問題を抱えている。
④ とても素敵なセカンドバッグだ。
⑤ 定年後どうするか何か考えていますか。