私には「行きつけのパン屋」というのがあって、よく散歩帰りに寄る。石窯で焼いたおいしいパンを、もちろん買って帰ることもできるが、店先の簡易ベンチに座って、できたてを食べることもできるのだ。このとき、パンを買った人にはサービスに無料のコーヒーが出る。機械による簡易ドリップ式だが、その割りにはおいしいのだ。
このサービスという言葉、日本では「おまけ」とか「特典」の意味で使われることが多いが、英語のserviceは日本語とだいぶ守備範囲が違うので、注意が必要だ。
英語のserviceに「おまけ」の意味はなく、基本的に「本来の業務」を示す。しかしその具体的な内容は文脈によりいろいろだ。従軍しているのであれば、その本来の業務、つまり「軍務」の意味になる。
電車などの運行をin serviceといったりもする。 その反対はout of serviceだ。
車の点検や修理にも、この言葉は使われる。日本人には馴染みが薄いが、「礼拝」の意味にもなる、といった具合だ。日本の喫茶店でよく見かける「モーニングサービス」はうっかりmorning serviceなどと表記すると「朝の礼拝」の意味になるのでご用心。
ではここで、5つの文を英訳してみよう。最初の4つはいずれもserviceという単語を用いて、最後の⑤は用いないでつくってみてほしい。service areaというのはイギリスでは通じるがアメリカでは通じない。ではアメリカに行ったつもりで考えてみてほしい。
① トムは今、軍務に服している。
② 山手線はただいま恵比寿と品川間で運転を見合わせております。
③ 私の車は今、点検中だ。
④ 明日、私は礼拝に出席します。
⑤ サービスエリアまでどれくらいですか。
- 総アクセス数(2,801)
- (2)
- (1)
コメント