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Divine Secrets of the Ya-Ya Sisterhood (ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密) 映画
廉価版がしかも2割引になっていたから、つい購入してしまった。題名から、なんとなくコメディかと思っていたら、思いのほか深刻なお話だった。母と娘の確執、友情、幸せ・・について考えさせられる。
劇作家のSidda は、長年母Viviとうまくいっていなかったが、自分の幼少時の体験を劇に書いたことで、その関係は決定的に悪くなる。お互いに相手を「手の付けられない母(娘)」だと思っているが、私から見ればこの母娘は実によく似ている。
しかも、Viviも自分の母とうまくいっていなかったのだ。両親の仲も悪く、心を痛めていた。
娘時代に父から誕生日に高価な指輪を贈られたとき、それをよく思わない母が、Viviが3人の親友たち(Ya-Ya Sisterhood)といる寝室に入ってきてその指輪を奪い取って行った悲しい思い出もある。
その時の親友のひとりの言った言葉が、↓
Caro: She is sick. Don’t let her get to you.
キャロ: 病気なの。気にしちゃダメ。
「Don’t let her get to you.」は調べても出てこないのだが、何となく気持ちはわかる。
Siddaと Viviのことを心配して、Viviの少女時代からの親友たち(Ya-Ya Sisterhood) が繰り出してきた。
そして、Siddaを「誘拐」し、彼女らの若い頃の記録(スクラップブック)を見せてViviの歴史を語り、彼女が抱いている母(Vivi)に対する誤解を解こうとする。
Siddaには長年同棲している恋人がいて、ついに結婚することにしたのだが、彼女は自分の少女時代の不幸な経験から結婚に対する恐れや不安がぬぐいきれない。 Ya-Ya Sisterhood に「誘拐」されている間に、彼との電話でつい興奮して破談を告げてしまう。
Ya-Ya Sisterhood の3人に言うことには↓
Sidda: I’ve hit the snooze button on my biological clock a long time!
シッダ: 結婚しても、もう子どもは産めないかも。
また出た!「biological clock」
「snooze button」って何かと思ったら、私の目覚まし時計にもついている「スヌーズボタン」のことだ。寝ぼけ眼で目覚ましを止め、また眠りに戻ってしまっても5分ごとに再び鳴るようになっている。
「もうちょっと、もうちょっと」と起きるのを先送りにしている状態を、「biological clock」に応用したのかも。 結婚に踏み切れないでいるうちに、どんどん年をとっていき、出産に適した年齢が過ぎていく感じ。
次々にViviの(不幸な)人生が語られていくが、その中には楽しかった母娘の記憶だってたくさん含まれている。でも、ViviもSiddaもそれを忘れていたようだ。
やがて、Viviは自分の影響で娘が本当の愛を、幸せになる機会を、捨てようとしていることに気付き、庭で踊りながら聖母マリアに祈る。
Vivi: She’s only seen me holding back.
ヴィヴィ: ダメなところばかり見せたから。
「hold back」で、「引っ込める、引き止める、隠す、ためらう」などの意味があるらしい。
いずれにしても、消極的な意味かな。
Viviは、一番愛していた恋人を戦争で亡くし、「2番目でもいいから一緒にいて欲しい」という男性と結婚した。人一倍目立ちたがりで、「有名になりたい」という夢を持ちながら、4人の子どもの母親で終わり、常に不満だらけの人生だったようだ。 そんな母親を見て、娘も人生を信じられるだろうか。
幸せか不幸かは、自分が決めるもの。 自分の前にある幸せを無視して、ないものねだりを続けたViviが、最後にはその過ちに気付き、Siddaとも和解したハッピーエンドはよかった。
こんなに年取ってから気付いても遅いような気もするが、少なくともSiddaには同じような不満だらけの人生を送らせずに済んだだけよかったかも。
Ya-Ya Sisterhood たちのパワーには元気付けられる。 観ながら私は泣いてばかりだったが、彼女たちには慰められた。
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