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mouthbirdさんの日記

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2009年
11月21日
23:03 mouthbirdさん

be動詞 A=B は本当か?

http://q-eng.com/diary/2106
で、
MuscleMagicianさんからいただいた質問でずっとお返事が返せないものがありました。




>「イコール関係」というのが物凄く違和感あるんです。 マウスバード先生の生徒の方でも同じような方いませんか?いらっしゃいましたらどのように説明していらっしゃるのでしょうか?




これに対するお返事になります。




まず私は
be動詞について(その1)という日記で
http://q-eng.com/diary/2405




be動詞の基本的な用法は、厳密に「イコール(=)関係」を築くもの




と書きました。
これが良く分からない、というお話だと思います。




―――――




まず、「よくわからない」とおっしゃる方用? の例文を書いてみます。




1)Tom is a boy.(トムは一人の少年だ)




イコール関係なのですから。




Tom = a boy




というわけです。
ところが、もし Tom = a boy であるならば、反対にして a boy = Tom と言えるではないか?
と思うわけです。
これをbe動詞を使って英語で書くと
  ↓




2)A boy is Tom. (一人の少年はトムだ)




になります。これはおかしくないでしょうか?
a boy (一人の少年)は、常に「トム」と言えるだろうか? 言えないですよね。
だからおかしいくないか? ということになるわけです。




この考え方で行くと、確かに A=B にはなりません。 a boy は Jim だったり、Ken だったり、Taro だったりと、「無限にいくらでもありえる」からです。




ここまで良いでしょうか?




この発想で考える場合、be動詞は A=B という発想はよくありません。この場合、別の発想が必要です。
どうしてもこの発想で考えてしまう場合




 A be B は「Aの素性を説明するとBである」という発想をするしかありません。




1)Tom is a boy.(トムは一人の少年だ)
で言うなら、
 ⇒「 Tom の素性を説明すると、一人の少年である」
という具合になります。




 他にも例えば




3)The flower is beautiful.(その花は美しい)
 ⇒「その花の素性を説明すると、美しい」
という具合になります。




―――――




ほ~らやっぱり = (イコール)じゃないんだ!




ということになりますが、それでも




 A=B




という発想は必要な場面が出てきます。それについて説明します。




例えば




3)The flower is beautiful.(その花は美しい)…これは良いんですが、
4)The flower is beauty.…これは正しい英語でしょうか?




実は 4)は間違いです。なぜか?




このとき、効力を発揮するのが




 A=B




という発想なのです。




flower は「花」です。beauty は「美」という概念です。




3)その「花」は「美しい」…ならば OK なのですが
4)その「花」は「美(という概念)」だ …は変ではないでしょうか?




あたかも、その花が「美」の象徴のようです。それはおかしい。
したがって




3)The flower is beautiful.…これは正しい
4)The flower is beauty.…これは正しくない




となるのです。




ここまでよろしいでしょうか?




―――――




ここまで考えると、次のように考える人がいます。




それじゃあ
  A be B は「AはBだ」…でいいじゃねーか!




こう考える日本人は実は多いのです。
しかしこれはこれで困ることがあります。




例えば、喫茶店でコーヒーを頼むとき、なんていいますか?
例えば「私はコーヒーだ」と言ってもおかしくないですよね。
これを、
   A be B は「AはBだ」
で考えてしまうとどうなるでしょうか?




5)I am coffee.




になってしまいます。




この英文がおかしいことを証明するのにも役立つのが




 A=B




という発想なのです。




be動詞は A=B なのだから
5)I am coffee. の意味は
  私=コーヒー
になってしまうのです。私はコーヒーではなく人間なので、これなら自分の間違いがすぐ分かるはずです。




もちろん、5)I am coffee. がおかしい理由を
A be B とは「Aの素性を説明するとBである」という発想である
ということからも「おかしいですよね」と説明できます。
 「私の素性は実はコーヒーだ」…という意味になりますから、明らかにおかしいと分かります。




しかし、
 A be B とは「A=B」という発想のほう
が、この場合分かりやすいのではないでしょうか?




私は絶対にコーヒーではないからです。




これで、納得がいかれるでしょうか? いかれる良いなあと思いますが。正直自信度は50%ぐらいです。
m(_ _)m

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コメント

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2009年
11月25日
23:45
mouthbirdさん

「A=Bでは分からない・しっくりこない」という人は現実にたくさんいらっしゃいます。もちろん私自身は「A=B」しっくり来ます。しかし彼、彼女たちはしっくり来ないわけです。be動詞の説明に限らず、「私の文法項目の説明がしっくり来ない人」はたくさんいると思います。私としては「そういう人には、その人に合わせた、その人向けの説明」をできるだけしてあげたいと思っています。今回はそのつもりで書いてみました。MuscleMagicianさんは理解してくださったようなので、ほっとしています。納得させる自信がなかったので(^^)


2009年
11月22日
06:54
MuscleMagicianさん

マウスバード先生、ご多忙な中わざわざ連絡までいただいてありがとうございます。新システムでは往々に新着を見逃してしまうので大変助かります。さて、説明に関しては「すっきり納得できました!ありがとうございます!」というところで感想戦に入りたいと思います。まず、具体的に違和感のある部分を伝えていなかったにも関わらず、ひっくり返した場合や形容詞が続く場合など、ひっかかっていた点を見事に例に出して説明してくださった先生の知識と経験に冒頭から脱帽でした。これから私が人に説明する際には大いに参考にさせていただきます。やっぱりマウスバード先生は違いますね!ありがとうございます!

2009年
11月25日
23:45
mouthbirdさん

私が書いた部分でひっかかっていたようですね。違かったらどうしようかとヒヤヒヤしてました。納得いかれたようでこちらもほっとしています。何かあったらまたご質問ください。お待ちしています。


2009年
11月22日
11:21
MST102さん

詳しくはないですがプログラミングの言語では=は代入として使われたり経済学でも=は使われますが、数学の=とは違うように使われてますね。be動詞の定義なんかありそうな気もしますね~。

2009年
11月25日
23:45
mouthbirdさん

ふむふむ。プログラミングや経済学の=だと数学の=とは違うんですね。そういや if A=<5 go to 510 とかBASICでやった気がします。これだと数学の=とは違いますね。この感じでbeを説明したほうが良かったかなあ。コメントありがとうございました。


2009年
11月22日
12:54
Q-Eng Managerさん

hada のコメント:


数学的なイコールなら左辺と右辺を逆にできるべきだという発想はありませんでした。 なるほど!言われてみれば…という感じです。 また、be 動詞の別の説明として「be 動詞に意味はない、単純に文の形を整えるもの」なんてのもあるようです。 日本語にないものを理解したり説明するのは大変ですね。

2009年
11月25日
23:45
mouthbirdさん

左辺と右辺を取り替える、という発想は思いつかない人には思いつかないようです(私も言われるまで気がつきませんでした) 過去に言われたことがあり、だから今回答えられらだけです。確かに「be は文の形を整えるもの」というのもあるんですよね。be動詞は概ねSVCの第2文型をつくるのですが、補語の「C」って何の略かご存じですか? complement の頭文字なのです。complement の原義は「補完物;完璧にするもの」という意味なのです。つまり、「補完物;完璧にするもの」を付け足し、完成させる(文の形を整える)のに使われるのが be動詞 とも言えなくはないのです。ただ「それだと、MuscleMagicianさんにはしっくりこないだろう」と思い、別の説明をしてみました。


2009年
11月26日
00:20
MST102さん

kono


2009年
11月26日
00:21
MST102さん

このcomplementというのは知りませんでしたし、ものすごくわかりやすかったです。いつもありがとうございます^^


2009年
11月22日
13:19
Q-Eng Managerさん

SujiTaro のコメント:


こんにちは。(^O^) 私は『A be B は「AはBだ」』の説明の方がしっくり来ます。
ご指摘されている「私はコーヒーだ」の文も、字面どおりに捉えれば日本語でも論理的におかしい文です(人間はコーヒーにはなりません)。これは「私の注文はコーヒーだ」の「注文」の部分が省略された省略構文と考えた方が自然です。 My order is a coffee. だと論理的におかしい文ではありませんよね。なお、英語の文法書などでよく見る「be動詞はイコールの意味」の説明は、筆者が左辺と右辺を入れ替えても成り立つかまでは深く考えて書かれていないものだと推測されます。

2009年
11月23日
03:00
Q-Eng Managerさん

bqwrock06442さん


「私の注文はコーヒーだ」の「注文」の部分が省略された省略構文と考えた方が自然です。 は不自然だと思います。よく考えてみてください。注文がコーヒーになっています。この文の内容は、コーヒーが欲しい、ほかの飲み物じゃないよ、と言っていますね。I want to have a coffee.くらいが適当だと思います。  order を使うと、喫茶店だとやや大げさではないかと思います。日本語の内容をもう少し考えてみてください。


2009年
11月23日
03:06
Q-Eng Managerさん

bqwrock06442さん


コーヒーは「注文」ではありません。「字面どおりに捉えれば日本語でも論理的におかしい文です」はあなたのコメントにも当てはまると思います。一番簡単なのは、Coffee, please.


2009年
11月25日
23:45
mouthbirdさん

私も「AはBだ」が楽でいいですw ただ、下手をすると「I am coffee.」と言ってしまうので、両方教えて、「AはBだ」では日本語に置き換えると上手く行かないことがあるよ。気をつけよう、と教えるのが、SujiTaroさんや私のようなタイプには適切なのではないかと思います。


2009年
11月22日
16:06
GoodGriefさん

おお、わかりやすい!さすがプロって説明ですね。

2009年
11月25日
23:46
mouthbirdさん

ありがとうございます。この説明、自信がなかったんですよ。コメントいただいて自信が付きました。


2009年
11月23日
04:12
Q-Eng Managerさん

bqwrock06442 のコメント:


be 動詞を「~である」「~だ」とだけ考えるのは、不十分です。hada さんのおっしゃるとおり、日本語にないものです。その証拠に、be + adjective の形ではbe 動詞を日本語には訳せないでしょう。My order is a coffee. という文章は、I am a coffee. を単純に、my order に変えただけで、A = B でしょうが、(私はおかしな説明だと思っていますが) B = A ではない、私の主張している、「コーヒー」の内容は、「私の注文」とは限らないはずです。これは「コーヒー」の内容が、「私」でないのと同じです。be 動詞を数学の = だと考えるからそうなるのです。「プログラミングの言語では=は代入として使われたり経済学でも=は使われますが、数学の=とは違うように使われてます」とおっしゃるとおり、英語の = は数学の = ではありません。「である」「だ」と日本語に書いてあれば、即、be 動詞だと考えるのは、間違いのもとでしょう。他の動詞を使うことも考慮される方がいいと思います。折角、(人間はコーヒーにはなりません)。と考えられたのですから、「私の注文はコーヒーだ」も、「注文はコーヒーにはならない」ということも考えて欲しかったですね。一見、論理的には正しいとお考えでしょうが、「私の注文した品物はコーヒーだ」と言わないと、正しくはないはずです。そんなことよりも別の動詞を使う気持ち(この場合)になって欲しいですね。

2009年
11月25日
03:56
Q-Eng Managerさん

bqwrock06442さん


A = B で B = A というのは、B が名詞のときには、都合がいいようです。B が名詞だと誤りがすぐ分かります。B が名詞でなくても判定はできますが、やや難しいようです。


2009年
11月25日
23:47
mouthbirdさん

私も「AはBだ」が楽でいいですw ただ、下手をすると「I am coffee.」と言ってしまうので、両方教えて、「AはBだ」では日本語に置き換えると上手く行かないことがあるよ。気をつけよう、と教えるのが、SujiTaroさんや私のようなタイプには適切なのではないかと思います。


2009年
12月11日
23:13
Q-Eng Managerさん

coccyx のコメント:


初めまして。とても分かりやすい説明で納得できました。感謝です!

ところでBe動詞を使う場面は「受け身」や「進行形」でも出てきますが、
ここにも A=B という発想が含まれているのでしょうか。

2009年
12月29日
02:16
Q-Eng Managerさん

MasaYan のコメント:


http://smart.fm/users/mouthbird/journal/2008/4/16/37654-bedoushi-nitsuite-sono-1
で質問して、この記事を教えてもらい、勉強させていただきました。
まずは、丁寧なフィードバックへの感謝と、全ての方へ理解してもらおうとなさっているマウスバードさんの努力に敬意を表したいと思います。ありがとうございます。

内容についてですが、

A be B は「Aの素性を説明するとBである」 --- (a)

という説明が私には分かりやすかったです。
(でも、まだ完全には理解できていないかもしれません。なんか、申し訳ないです。)

一方で、何度読んでも数学のイコールでは私は納得できません。
数学のイコールを厳密に理解すればするほど納得がいかないものとなるのではないかと思います。それは、数学のイコールは単純に「A は B だ」という訳し方ができなくて、もっといろいろな意味 (量や単位なども全て同じ) を持っているからだと思います。
私が違和感を覚えた理由は、数学のイコールとして理解しようとしたけれど、イコールの両サイドで品詞が違ったからではないかと思います。

ですので、「文法のイコール」と再定義し、上記 (a) をその意味とすれば納得がいきそうです。
これは、プログラミングでのイコールを「代入する」という意味として再定義するのと同じです。

ところで、(a) の説明を使うことで、問題となるような反例というものはありますか?

また、「厳密に」という言葉を使う意味というのはどこにあるのでしょうか?単に (文法の) イコールと区別するのななぜでしょう?

p.s.
個人的には、ここでのイコールを先に理解して、数学のイコールが分からなくなる子供はいないか、ということを少し思いましたが、考え過ぎかもしれませんね。
現に、「教える」ということは、教わる人のレベルで分かりやすく教えることが重要だと思います。例えば、「原子核の周りを電子は回っています」 (厳密には正しくありません) と教える方が初めて原子の構造を勉強する学生にとってはイメージしやすく、次のステップに効率よく進めるわけです。

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