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mouthbirdさんの日記

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2009年
05月13日
14:57 mouthbirdさん

「関係詞」と得意・不得意(解答編)

こんにちは。旧チャンネルブログの流れを汲む日記の水曜日がやってきました。
今週は解答編です。




今回は非常に多くの方にコメントをいただきました。ありがとうございました。
まず、解答から行きましょう。




問題
・(1)~(3)のカッコ内に、that 以外の関係詞必ず入れなさい
・また(1)~(3)の訳例を作りなさい

(1)The man(  )answered the phone told me you were out.
(2)The boys(  )names were called left the room.
(3)The suggestion (  )I made was rejected.




・(4)と(5)のカッコ内の選択肢は「日本で教わる英文法上はどちらも正しい」が、より正しいほう選びなさい。
(4)This is the doll(which, that)I made yesterday.
(5)This is a doll(which, that)I made yesterday.




・(6)上の(4)と(5)の問題で、それを選んだ「根拠」を書きなさい。




解答
(1)who 「電話に答えた男は君が外出中であると私に告げた」
(2)whose「名前を呼ばれた少年たちはその部屋を後にした」
(3)which「私が作った提案は拒絶された」




(4)that
(5)which
(6)the は that と仲良しで、a は that とあまり仲良しではないから。







まず、(1)~(3)について解説します。
おっと、その前に! 関係詞が苦手な人は、ぜひとも、「ここ(全15回)」をまずご覧になっていただきたいのです。ご覧になっていただけましたでしょうか? ではでは!




(1)The man(  )answered the phone told me you were out.




・括弧の右側に↓下線を引きます。
The man(  )answered the phone told me you were out.
・下線部において、あるべきなのにないものを探します。
The man(  )answered the phone told me you were out.
          ↑動詞 answered の「主語」がないですね。
・括弧の左側を見て、人か物か動物かを確認します。
The man(  )answered the phone told me you were out.
  ↑man は「人」ですね。
ここの中ほどにある表に基づき、「【主語】がなく、【先行詞が人】のもの」を探します。
⇒who ですね。
よって、正解は who です。




正解が分かっても、英語が苦手な人の多くはこの英文の訳例を上手く答えることが難しいはずです。主語と動詞の位置が「遠く離れている英文」が苦手なのです。(1)ですと
(1)The man(who answered the phone) told me [you were out].
文全体の主語は「the man」で、動詞は「told」なのです。離れてますよね。この英文の骨格は「男は告げた」というものになります。それから「時制の一致」に気をつけてください(ここの(2)時制のズレを参照)→[you were out]の意味は「あなたは外出中だった」ではなく「あなたは外出中である」としなければなりません。したがって、全体の意味は「電話に答えた男は君が外出中であると私に告げた」となります。




――――――――――――――――




(2)The boys(  )names were called left the room.




・括弧の右側に↓下線を引きます。
The boys(  )names were called left the room.
・下線部において、あるべきなのにないものを探します。
The boys(  )names were called left the room.
            ↑この場合はちゃんと主語ありますが、、、「name だけ」って変だと思いませんか?
⇒ “boys' name” 「少年たちの名前」
にしたくないですか? つまり、この下線部には【所有を表す語】=[boys']が、本当は欲しいのに、欠けているのです。
・括弧の左側を見て、人か物か動物かを確認します。
The boys(  )names were called left the room.
  ↑boys は「人」ですね。
ここの中ほどにある表に基づき、「【所有を表す語】がなく、【先行詞が人】のもの」を探します。
⇒whoes ですね。
よって、正解は whoes です。




正解が分かっても、英語が苦手な人の多くはこの英文の訳例を上手く答えることが難しいはずです。主語と動詞の位置が「遠く離れている英文」が苦手なのです。(2)ですと
(2)The boys(whose names were called) left the room.
文全体の主語は「The boys」で、動詞は「left」なのです。離れてますよね。この英文の骨格は「少年たちは後にした」というものになります。したがって、全体の意味は「名前を呼ばれた少年たちはその部屋を後にした」となります。




――――――――――――――――




(3)The suggestion (  )I made was rejected.




・括弧の右側に↓下線を引きます。
The suggestion (  )I made was rejected.
・下線部において、あるべきなのにないものを探します。
The suggestion (  )I made was rejected.
              ↑他動詞 made の「目的語」がないですね。
・括弧の左側を見て、人か物か動物かを確認します。
The suggestion (  )I made was rejected.
  ↑suggestion は「物」ですね。
ここの中ほどにある表に基づき、「【目的語】がなく、【先行詞が物】のもの」を探します。
⇒which ですね。
よって、正解は which です。


正解が分かっても、英語が苦手な人の多くはこの英文の訳例を上手く答えることが難しいはずです。主語と動詞の位置が「遠く離れている英文」が苦手なのです。(3)ですと
(3)The suggestion (which I made) was rejected.
文全体の主語は「The suggestion」で、動詞は「was rejected」なのです。離れてますよね。この英文の骨格は「提案は拒絶された」というものになります。したがって、全体の意味は「私が作った提案は拒絶された」となります。




―――――――――




英語が苦手な人は特に(3)が苦手なのではないかと思います。今回もお答えを what と答えた方など、いらっしゃいました。what は、こういう場合に使えないのです。




ついでなので、what について説明しましょう。
【関係代名詞 what について】
what は =「the thing(s) which」とよく説明されます。(これはどんな場合にも当てはまるわけではありませんが、ほとんどのケースで当てはまります)
【例題1】:次に that 以外の適切な関係詞を入れなさい。
・She didn't believe the thing (   ) she said.
【解答】:which




【解説】
She didn't believe the thing (   ) she said.




・括弧の右側に↓下線を引きます。
She didn't believe the thing (   ) she said.
・下線部において、あるべきなのにないものを探します。
She didn't believe the thing (   ) she said.
                      ↑他動詞 said の「目的語」がないですね。
・括弧の左側を見て、人か物か動物かを確認します。
She didn't believe the thing (   ) she said.
              ↑thing は「物」ですね。
ここの中ほどにある表に基づき、「【目的語】がなく、【先行詞が物】のもの」を探します。
⇒which ですね。
よって、正解は which です。




解答を入れた英文は↓こうです。
・She didn't believe the thing (which) she said.
ここまでいいですか? ↑の文ですが
・She didn't believe the thing which she said.
            ↑この下線部が「the thing which」です。
お分かりでしょうか? what は =「the thing(s) which」とよく説明されます。つまり
・She didn't believe the thing which she said.
=She didn't believe what she said.
なのです。




だから例えば、
【例題2】:次に that 以外の適切な関係詞を入れなさい。
・She didn't believe (   ) she said.
この問題ならば、解答は what です。




【例題1と例題2】で解答を入れた英文を見比べましょう
例題1・She didn't believe the thing (which) she said.
例題2・She didn't believe (what) she said.




見比べてどうでしょうか?
・答えが which の場合⇒括弧の左に[先行詞]になるものがある(この場合先行詞は (the) thing)
・答えが what の場合⇒括弧の左に[先行詞]になるものがない
ということが分かると思います。




ところで、今回の問題(3)はどうだったでしょうか?
(3)The suggestion (  )I made was rejected.
 括弧の左に[先行詞]になりそうな ”suggestion”が思いっきりあります。したがって、(3)の答えが what になることはないのです。




―――――――――




以上が、前半でした。
そうそう、主格と目的格の関係代名詞は(上の問題で言えば、(1)や(3)のケース)は、全部 that と交換可能、と通常習います。だから、(1)や(3)でthat と答えてくださったかたもいらっしゃいましたが、今回は「 that 以外 を答えていただく問題」でした。申し訳ございません。




それを踏まえて、後半の(4)~(6)では「 which と that の違い」について「考えてもらいたいなあ~」と思っていました。




――――――――――――――――――――――――――――――――




それでは、後半に参りましょう。こちら(4)~(6)は、得意な人にために作りました。だって、得意な人は関係詞が得意ですから、当たり前の問題だとつまらないでしょう。




【問題】
・(4)と(5)のカッコ内の選択肢は「日本で教わる英文法上はどちらも正しい」が、より正しいほう選びなさい。
(4)This is the doll(which, that)I made yesterday.
(5)This is a doll(which, that)I made yesterday.
・(6)上の(4)と(5)の問題で、それを選んだ「根拠」を書きなさい。




【解答】
(4)that
(5)which
(6)the は that と仲良しで、a は that とあまり仲良しではないから。




さ~て、物議をかもし出しそうですが、がんばって書いてみようと思います。
ます、お断りしますが、「正しいか正しくないか」で言えば、(4)(5)は、which も that も両方共に正しいと言えます。もし、どちらかが正しくどちらかが間違い、であれば、多くの人がもっと声高に「この違い」について叫ぶはずです。しかし、そんな叫びを聞いたことがありません。だから、それほどの「違い」ではないのです。そうではなく、どちらが「まし」か、というレベルです。(もっとも、後で説明するある英文の場合、xaky さん(ご存じだと思いますが、ネイティブの方[アメリカ人]です)は「これは which だと変だ! that だ」とおっしゃいました。)




正解例を当てはめますね。
(4)This is the doll that I made yesterday.
(5)This is a doll which I made yesterday.




違いは分かるように、thea の違いです。実はこの英文が出てくるのは、私の smart.fm (旧iKnow)のブログでは2回目です。1回目は、私の the に関する話題の3回目です。
冠詞のお勉強(その3)
↑この回では[予告の the] というものを説明しています。もっとも、この回では、両方とも that を関係代名詞として使っています。(つまりは、両方正しいのですよ。何度も言いますが)a と the での意味の違いは、↑の回で確認してください。




お断りしますが、今回は、「意味だとか、予告の the だから、という理由で、答えが which か that かが決まる」のではないのです。純粋に【the は that と仲良しで、a は that とあまり仲良しではないから】…というものが根拠です。




――――――




ここで昔話をさせてください。今から約8年前のことです。当時私は「受験生ネット」というサイトで、受験生の英語の質問に答えていました。答ていた人は私だけではなく、色々な方がいらっしゃいました。その一人で「BeParadiseさん」という方がいらっしゃいました。彼は元高校の英語教師で、奥様がネイティブの方でした。「彼は私以上に英文法に詳しい方」でした。




【↓ここが本日のメインかも】

あるとき、BeParadiseさんがこのような説明をして下さったのです。(例文などは当時のものを正確に写したものではないです)
 (4)This is the doll that I made yesterday.
 (5)This is a doll which I made yesterday.
[先行詞]に the が付いている「物」ときは 関係代名詞は、which より、that のほうが本当は良い。
[先行詞]に a が付いている「物」ときは 関係代名詞は、that より、which のほうが本当は良い。




【理由】:
that の根源は、指示代名詞の「それ」である。




the は「唯一性の the」と申しまして、【『theが付いた名詞』は「唯一1つしかないよ! 他とは違うんだよ!」とアピールされている】んです。
that は「それ!」と特徴的なものをズバリ指し示したいのです。であるので、that は「アピールがあるもの(できればこの世に1個しかないようなもの)」を指し示したい単語なんです。




(4)This is the doll that I made yesterday.
the doll の場合は「(アピールのある)唯一の名詞」を、もう「それ!」っと「the + 名詞」をズバッと指し示す「that」のほうが相性が良いのです。




―――
which の根源は、疑問詞の「どちら」である。




which は(限られた中から)いくつかの選択肢があるがその選択肢からどれかを選びましょう、どれ? どちら? どれがいい、どちらがいい? みたいな単語です。




(5)This is a doll which I made yesterday.
a doll の場合は「似たような本の中の1つ」という感じ。どれかからの1つ。だから「which」と相性が良いのです。だから本来は which のほうが良い。しかしこの場合、個人の好みで that を使う人も多い。ここではあくまで「本来はそうであった」という話である。




もちろん、これはネイティブが意識して使い分けている、というものではありません。ただ、無意識下では使い分けていると思います。




――――――
当時の BeParadiseさんの書かれた上記の内容を見て、私は「へぇ~」と感心してしまいました。ここで私はあることを思い出しました。実は学校文法は、「(明らかに) that の使ったほうが良いケース」というものを習います。それは【先行詞に、最上級の形容詞、the only、the first、the very、the same、などが付く場合】というものです。
・例文:This is the highest tower that I have ever seen.(これは私が見た中でもっとも高い塔だ)
 ↑これを私は思い出しました。「なるほど、まさに、唯一、1つしかないな! だから that なのか!」と思ったものです。




これを知ってから、確認作業に入りましたw それ以来この知識を常に念頭に英文に接してきました。すると、the のときは that、a のときは which という傾向があるなあ、ということが確認できました。皆様もぜひ今後気をつけてみてもらいたいです。




もちろん、ネイティブに確認することも忘れていません。この話を聞いて以来、この手の英文をネイティブに上手くこの話ができる機会があり次第、私は聞いてみました。
いつも概ね↓次のような返事が返ってきます。
――――――
・「う~んwhich も that も要らないよ」と最初に言われる(目的格の関係代名詞は、特に会話だと普通省略される)。
・どっちでもOKだけど、、、【私ならば】
 (4)This is the doll that I made yesterday.
 (5)This is a doll which I made yesterday.
と言うよ。




――――――




皆さん、大体【私ならば】とおっしゃるのですが、結果は面白いように、theのときは that で、a のときは which でした。なお(4)はすかさず that と入れてくれて、(5)は相当悩んでから、「強いて言えば、which」という感じで答えてくれます。または、「俺なら that って言っちゃうかも。でも本当は which のほうが良いんだろうな」と答えてくださった方もいます。良いほうを選んでもらうと、結局はthe は that 、a は which と綺麗に分かれました。ネイティブの皆さんは【 that 、 which の違いを、無意識で良いほうを知っている】のです。もちろん選んだ理由も聞いてますよ。返事はみな「分からない」というものでした。つまり「無意識」で知っているわけです。
今回、コメントで、saku.oさんもわざわざ、ネイティブの方に聞いてくださったようです(ありがとうございます)。もちろん、the は that 、a は which とお答えくださったようです。




―――




「さらに凄い意見を言ってくださったネイティブの方」もいらっしゃいました。それは xakyさんです。
2年前に、今回の問題の(3)The suggestion (   )I made was rejected.をみてもらったことがあるのです。(実はこの英文は私のお気に入りなんです。あっちこっちで、私が昔から引き合いに出してます。)。
xakyさんはやはり、最初は「which も that も要らない」とおっしゃいました。そしてなんと、「この 英文なら which は変だ! thatのみが正解だ」と言い切られました。私はとてもびっくりしました。「『which は変』と言い切れるほどに、the の場合は that なのか!」と思いました。




――――――




また、今回の出題にあたり、いつもチェックを頼んでいるネイティブさんにも尋ねてみました。
今回は【1つ別の英文も英文を足して】聞いてみました。次の3つです。
1)This is the doll (that, which) I made yesterday.
2)This is a doll (that, which) I made yesterday.
3)I have lost a doll. This is the doll (that, which) I made yesterday.




3)を加えました。実は「 1) は予告のtheですが、3)は既出のthe 」なのです。「予告か既出かで、関係代名詞は変わるのか」を聞いてみたかったのです。




彼の返事はこうでした。→「【私ならば】 1)と3)は that。2)は which。」




少なくとも彼の返事では「予告のthe であろうと、既出のthe であろうと、the の場合は thatで、a の場合は which」 でした。この結果「予告の the だから、という理由で、答えが which か that かが決まる」のではなく、純粋に【the は that と仲良しで、a は that とあまり仲良しではないから】…ということが裏付けられた、と思いました。




――――――




確かに xakyさんは、<The suggestion (   )I made was rejected.の場合、which ではなく、that だ>と言い切られました。しかし私はwhich でも良いと思うのです。でも、xakyさんが that だと言い切れるほどに「the の場合は that のほうが良い」と言えるのではないでしょうか?




得意な皆様も今後、ぜひここを気をつけて見ていただければと思っています。




今週は以上になります。いかがだったでしょうか?
ではまた来週をお楽しみに!
 ↓問題編
http://q-eng.com/diary/2166

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コメント

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2009年
05月13日
15:59
neginohanaさん

とても興味深かったです。詳しい解説ありがとうございました。

一人ひとりへのコメントも、ありがとうございます。多かったので、さぞかし大変だったことでしょう。

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