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ピリオドまでが長い英文と文法:その2
今回は、本格的な解説に入る前に、皆様に確認して欲しい文法事項が4つあります(本当は6つあるけれども今日は4つ)。もし知らなかったのであれば、覚えて欲しいと思います。
ではこれを基にして
「私は彼は泳げると思っていた」を英作しましょう。
↓こうでしょうか?
(A)I thought he can swim.
これは残念ながら違います。can の部分がおかしいのです。
「過去の時点でそう思っていた」ので、can を過去時制にして
(B)I thought he could swim.
と、can を could にします。
ここで気をつけたいことがあります。
(B)I thought he could swim. の意味は
× 私は彼は泳げたと思っていた
○ 私は彼は泳げると思っていた
となることです。
「思っていた(thoughtの)時点で、(そのとき)泳ぐ能力を持っているかいないかを考えていた」のです。
「思っていた(thoughtの)時点で、(それより前に・かつて)泳ぐ能力があったかどうかを考えていた」のではないのです。
だから形は could でも、日本語の訳例は「泳げた」ではなく「泳げる」になります。
過去形のcould と書いてあるけれども、あたかも現在形のcan と書いてある場合のように訳すわけです。
(3) 補格の関係代名詞that(「補格」という言い方は一般的ではありません)
次の英文の意味が分かるでしょうか?
I am not the man that I was.
これは、[that I was] が手前の the man を修飾しています。
I am not the man (that I was ●). …という感じなのですが、わかりますでしょうか?
・ I am not the man … ここまでの意味は (私はその男(the man)ではない)ですね。
で、「the man とは、どういう男か」と言うと、 I was ●(the man). ……(私は the man だった)で修飾されているのです。
よく分からないかもしれませんが、よく見ると「違いは am と was だけ」だから、
I am not the man (that I was ●).の意味は
「私は、以前のその男、ではない」⇒「私は昔の私ではない」となります。
(例えば「私は昔、ひ弱だったが今は強い」とか、そういう意味です)
で、
I am not the man that I was.
この文のように「be の直後(補語)がないパターン」の関係代名詞を「補格の関係代名詞」と呼ぶことがあります(一般的ではありませんが)。
そして「補格」の関係代名詞 that は省略できます。つまり
=I am not the man I was. とできます。意味は同じく (私は昔の私ではない)となります。
(4)関係代名詞のwhat
関係代名詞のwhat は(=the thing(s) which)と考えると通常習います。
例
She didn't believe what I said. ←この意味を考えましょう
what=the thing(s) which なので、
=She didn't believe the thing which I said. と書き換えられます。
括弧をつけると
=She didn't believe the thing(which I said ●).
これは、[which I said ●] が手前の the thing を修飾しています。
She didn't believe the thing …ここまでの意味は「彼女はそのこと(the thing)を信じなかった」ですね。
で、このthe thing がなんだか不明瞭。けれども、その後ろから
I said ● が、the thing を修飾しています。だから
She didn't believe the thing(which I said ●).の意味は
⇒「彼女は[(私が言った)こと]を信じなかった」
となります。
the thing which を what に戻してあげます。↓すると、
She didn't believe what I said. となり、この意味は
「彼女は私が言ったことを信じなかった」となります。
以上の(1)~(4)の知識を使って、本文を説明します。
最後の[ I was, ]の形が不気味ですね。[I was ●]としたい感じ。でもそれ(●)がない。
これは上の知識の「(3)補格の関係代名詞that」の知識を踏まえます。実は(3)の一番最後で説明したように、ここは「補格の関係代名詞that」が省略された形なのです。
the sort of person I was
=the sort of person (that I was ●)
とthat を入れてあげましょう。すると意味は「私だった人間の種類」ととりあえずできます。ですがこのままだとかなり変。
だから意訳しましょう。
まずは「(2)時制のズレ」の知識を踏まえます。この文章は「私が13歳か14歳までに」と過去の出来事を表現していますね。
だから、ここはthe sort of person that I was と過去形の「was」になっていますが
あたかも現在形のam と書いてある場合のように訳すわけです。
したがって、あたかもthe sort of person that I am と書いてあると思ってこの意味を考えます。
すると↓
「私である人間の種類」ととりあえずできますね。ただまだまだ変。意訳しましょう。
「私の人間の種類」⇒「私の人間としての種類」…だいぶ良くなってきました。もう少し変えて
⇒「私はどんな種類の人間なのか」…という具合にします。(※「私はどんな種類の人間だったのか」とするとダメです)
ここまでよろしいですか?
ところで、なんでこんなところに、いきなりポツンと「the sort of person (I was ●)/ 私はどんな種類の人間なのか」なんて来ているのでしょうか?
すごく不気味です。しかし、この気持ち悪さを解決する知識があります。
それは「(1),(カンマ),(カンマ)and の法則」です。
少し手前から見てみましょう。
I began to try to know myself, the sort of person that I am, …
となっていますよね。これは(1)の説明にある
I like ①Miyuki, ②Tsukasa, ③Kagami, and ④Konata.
(私は、①みゆき、②つかさ、③かがみ、そして④こなたが好きだ)
と構造が似てませんか?
実は、[I began to try to know ①myself, ②the sort of person that I am, ……]という構造であり、
意味は
「私は、①私自身を、②私はどんな種類の人間なのかを、(③ほにゃららを)、そして(④あにゃららを)知ろうと努め始めた」
となるのです。その証拠に、課題文にはちゃんと「トドメのand」があるのです。(後で指摘します)
ここまで良いですか?
では上の(③ほにゃらら)の部分の意味を解読しましょう。
what I could attempt successfully,
ここは「(4)関係代名詞のwhat」の知識を使います。what=the thing(s) which です。
=the things (which I could attempt ● successfully),
さて、この意味ですが、ここでも「(2)時制のズレ」の知識を使います。
could に注目してください。形は過去でも意味は現在でしたね。
だからあたかも
the things (which I can attempt ● successfully),
と書いてあるような訳例を作ります。
したがって
○「私が上手く試みることができること」となるでしょう。
×「私が上手く試みることができたこと」
です。念のため。
ここまでOk?
さてさて、この次の単語は……and
ほらあった! (1)で説明した「トドメの and」が!
これで確実に「(1),(カンマ),(カンマ)and の法則」の文章であることが確定しました。
ではとりあえず、ここまでの訳例を作ってみましょう。
さて、あと少し説明(④あにゃらら)が残っていますが、これは来週に回しましょう。本当はこの回で収めたかったのですが、だいぶ長くなってしまったので……すみません。
最後の部分を含めて、この文の全体の訳例を作りたい方は、ぜひコメントください。
では、また来週~
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