smart.fm で更新してきた、
旧チャンネルブログの文法問題をお届けします。
今週は解答編です
参加してくださった皆様ありがとうございました。
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●アプリ情報:
テストバージョン 2.18と2.19 。
今週の進捗
なしです。すみません。早く何とかしたいのですが…
今後の予定(作成順)
・チャットルーム作成
・アプリにコースが作れるように大幅改良(8月以降)
遅れに遅れて大変申し訳ありません。
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問題の解説の方に行きます。
正直、今回の皆様の解答は私にとっては大変意外でした。
こういう発見があると私は嬉しくもあり、また悲しくもあります。
嬉しいのは「新たな発見があること自体」です。
悲しいのは「こういうのが、もしかしたら得意な人が文法を嫌う原因なのかもしれない」と思ったことです。
では、まいります。
今回のテーマは、ここ数回でやってきたネクサス関係の続きです。
・使役動詞+O+原形不定詞
・知覚動詞+O+原形不定詞
・知覚動詞+O+~ing
の英文を「Oを主語にして受動態にしたらどのようになるか」
を学習します。
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問題
次の能動態の英文を受動態に書き換えなさい。ただし by ~ は全て省略すること。
(1) We saw him enter the room.
解答
He was seen to enter the room.
(彼はその部屋に入るのを見られた)
解説
そもそもの問題文には「
知覚動詞+O+
原形不定詞」という部分があります。
We
saw him
enter the room.
↑ ↑
知覚動詞 原形不定詞
です。
こういう「知覚動詞+O+原形不定詞の英文」を【Oを主語にして受動態にする場合】
⇒『
原形不定詞』を→『
to不定詞』にする
というルールがあります。
受動態は細かく「線を引いたほうがわかりやすい」でしょう。
画像にしてみました。
ポイントは
「
原不(
原形不定詞のこと)」が受動態になると→「
to不定詞」になることです。
by ~ は今回省きます。
したがって答えは
He was seen
to enter the room.
となります。
この問題で「あること」が分かりました。多くの優秀な方々が「大いなる勘違い」をされていました。
「
原不(
原形不定詞のこと)」が受動態になると→「
to不定詞」にはなりますが
「
原不(
原形不定詞のこと)」が受動態になると→「
~ing(
現在分詞)」には
なりません。
多くの人が「~ing」に【も】なる、と勘違いされていました。
違います。そうではないのです。
例えばこういう問題だったら「~ing(現在分詞)」になります。
【例題】
We saw him
entering the room. を受動態にせよ(by~ は省略せよ)。
これならば答えは、
He was seen
entering the room.
にしかなりません。これも画像にしましょう。
実際、
この問題(We saw him enter the room.を受動態にせよ)は「関西大学の入試問題」です。
もし入試で解答欄に[He was seen
entering the room.]と書いたら、
100%不正解です。
※おそらくこういう部分が、英語がお好きな方が文法を嫌う部分なのではないかと思っています。どうでしょうか?
この問題はあくまで「We saw him enter the room.を受動態にせよ」という問題です。【受動態の形ならば、似たような意味でも可】という問題ではないのです。
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ちなみに…
私が以前よくネイティブスピーカー様に「難しい文法の質問を、英文を提示して聞いた」場合、ネイティブ様は、よく↓こういうこと【だけ】をしてくれました。
「この質問の英文はナチュラルではない。私ならこう言う表現を使う」と言って、質問の英文を「全文書き直し、全く違う英文を提示」してくれる。すると続けざまに別のネイティブ様が2人も3人も、それぞれが思う「ナチュラルな表現」を提示して下さる。彼らにしてみれば「いい英語」を親切に教えて下さっているつもりなのだと思います。
あなたはこれをどう思いますか?
あなたが
お得意な人だったら
大喜びするかもしれません。しかし、
私はちっとも嬉しくなかったです。
困るだけでした。なぜかわかりますか?
だって、質問は「生徒に教える文法問題」なんですよ。「問題」なんですよ。ネイティブ様は「私が聞いた問題の
答えを全く教えてくれず、代わりに【全然違う英文を『いくつもいくつ』も提示してくれる】」のです。こっちのがナチュラルだ! いやいやこういう表現ほうががふさわしい、と山ほどいただきました。
どうだ、役に立つだろう、というわんばかりに山ほどたくさんの意見で埋めつくされました。掲示板は大変盛り上がりました。
でもそんなん、いくら沢山もらっても、
問題の答えは全く分からない!
全く役に立ってません。
肝心の「
答え」を
ネイティブの皆様は誰1人教えてくれなかった。だから【問題の答えがわからない】。生徒に答えを教えられない。まさか「この英文はネイティブ様にナチュラルじゃないと言われたから解かなくていい」と言うわけもいかない。正解を伝えなきゃ生徒は授業で怒られるかもしれないし成績を上げられない、合格に導けない! だから「
ナチュラルな英文なんか教えてもらっても困るだけ」でした。
それ以来、私がネイティブ様に英文法問題の質問をする場合、私は決まって以下のような「注釈」を付けることにしました。
「私はこの問題の答え【だけ】を知りたい。よりナチュラルな表現は全く知りたくない。頼むから答えだけを教えてくれ」
さらにちなみに。
私がこういうことを書くと「
生のいい英語を教えて貰ったほうがいいじゃないか。英語を将来役に立てるときにありがたい情報じゃないか」とおっしゃる方が大勢います。確かに「
英語を将来役立てたい方」にとってはそうなのだと思います。仮にこの問題に間違っても合格点は取れるでしょうし。
しかし「
英語が嫌いで苦手な人」、つまり「
英語を将来役立てたくない人」にとってはどうでしょうか?「よりナチュラルな英語の情報」など、「
余計で無駄な知識」にしか思えないのです。正解を出せなきゃ「不合格」になる確率のほうが高いのです(得意な人と違って)
生のより良い英語なんかより、「今、受験のために仕方がなくやっている英語の勉強」で「試験に受かればいい最小限の情報」だけ欲しいのです。
最小限度を覚えるだけで精一杯ですから。ただでさえ取れそうもない合格点を取りたいだけなのです。
・
数学嫌いな人は、「
数学を将来役立てるため」に、「より良い数学の知識」をできるだけ多く覚えたいですか? それとも受かるのに必要な「
最小限度の情報」を覚えたいですか? それと同じなのです。
(それでも「
ネイティブの生のいい英語の知識を英語嫌いな人にも伝えるべきだ!(
英語好きになるかもしれないだろ~?)」と思う人がいるものです。
もし、そういう方がいらしたらぜひ私にご連絡ください。代わりに、私は知り合いの数学者に頼んで、あなたに「
試験に全く必要ない『
生の数学者の良い数学の情報』を
100時間ぐらいかけて山ほど」講義してもらう手配を致します。Ψ(`∀´)Ψ 生の数学者の情報を聞き漏らさずキケヨ~~~(
数学好きになるかもしれないんだろ~?))
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なお、
We saw him
enter the room.
We saw him
entering the room.
のニュアンスは、英米人は意識していませんが、実際は違います。(
参考<補足もお読みください>)
したがって上の2つのをそれそれ受動態にした英文
He was seen
to enter the room.
He was seen
entering the room.
この2文のニュアンスは、英米人は意識していませんが、実際は違います。
したがって
We saw him
enter the room. の受動態は
〇 He was seen
to enter the room.
× He was seen
entering the room.
です。
We saw him
entering the room. の受動態が
× He was seen to enter the room.
〇 He was seen
entering the room.
なのです。
よろしいでしょうか?
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(2) They made the child go there alone.
解答
The child was made to go there alone.
(その子供は一人でそこに行かされた)
解説
ポイントは
「
原不(原形不定詞のこと)」が受動態になると→「
to不定詞」になることです。
by ~ は今回省きます。
したがって答えは
The child was made
to go there alone.
となります。
絵で表してみましょう。
このようになります。今回は by them を省くという指定があるので
The child was made
to go there alone.
が正解になります。
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(3) We have never heard him speak ill of others.
解答
He has never been heard to speak ill of others.
(彼が他人の悪口を言うのを聞かれたことがない)
解説
ポイントは
「
原不(原形不定詞のこと)」が受動態になると→「
to不定詞」になることです。
by ~ は今回省きます。
したがって答えは
He has never been heard to speak ill of others.
となります。
絵で表してみましょう。
今回は by us を省く指定になっているので、正解は
He has never been heard to speak ill of others.
となります。
なお
He has never been heard
speaking ill of others.
を別解とする方がいらっしゃいましたが、
不正解です。
We have never heard him
speaking ill of others.
の受動態ならば
⇒He has never been heard
speaking ill of others.
が正解です。
絵で表しますね。
となります。
したがって
We have never heard him
speak ill of others. の受動態は
〇 He has never been heard
to speak ill of others.
× He has never been heard
speaking ill of others.
です。
We have never heard him
speaking ill of others. の受動態が
× He has never been heard to speak ill of others.
〇 He has never been heard
speaking ill of others.
なのです。
よろしいでしょうか?
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次の( )に入れるのに適切なものを選択肢の中から1つ選べ。
(4) He was seen( )out of the house.
A.go B.went C.gone D.going
解答: D.going
解説:
He was seen( )out of the house.
この英文は受動態なので
We を主語にした能動態をまず考えましょう。
最初に思いつくのは↓こんな感じではないでしょうか?
We saw him
go out of the house.
これ受動態を直しましょう。今まで何回もやっているように、「
原形不定詞」は⇒「
to不定詞」になります。
絵で表しましょう。こうなりますね。
すると
He was seen(
to go)out of the house.
だとありがたいです。しかし選択肢には to go はない。
さて困った。
でも、待ってください。知覚動詞の場合
「知覚動詞+O+
~ing」というケースもあります。そっちで考えましょう。
すると↓こういう「能動態⇒受動態」ができあがりませんか?
すると
He was seen(
going)out of the house.
という受動態の英文がふさわしいとわかるでしょう。
going ならば選択肢にあります。したがって正解は
D.going
となります。
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以上になります。
ネクサスシリーズは今回で一応終了です
いかがだったでしょうか?
それではまた来週~~~~。
問題編
http://q-eng.com/diary/9803
出典
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