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mouthbirdさんの日記

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2010年
09月01日
20:37 mouthbirdさん

動詞がらみのイディオムには種類がある(解答編)

毎週水曜日は smart.fm で更新してきた、旧チャンネルブログの文法問題を引き続きお届けします。
今週は解答編です。

チャレンジしてくださった皆様、ありがとうございました。

今回はイディオム(熟語)のうち、「動詞がらみの熟語」についてやりました。では解答と解説に参りましょう。

---------------

以下の英文を各々、文法的に正しいものには「○」、文法的に間違っているものには「×」を記しなさい。

1 He depended on Yoko.
2 He depended on her.
3 He depended Yoko on.
4 He depended her on.

【正解】
1 He depended on Yoko. ○(彼は洋子に依存している)
2 He depended on her.  ○(彼は彼女に依存している)
3 He depended Yoko on. ×
4 He depended her on.  ×

【解説】
まず、depend を辞書で調べましょう。すると大概 [] みたいマークが書いてあります。「自動詞」を表します。で、傍に(on)とか (upon) と書いてあります。
こういう場合、
[depend on ~] が1つの「イディオム(熟語)」であることを示します。
 で、こういう場合の「イディオム(熟語)」は

  「自動詞+前置詞」のイディオム(熟語)

という形になります。

自動詞+前置詞」のイディオム(熟語)…この場合、

 「自動詞+前置詞名詞」…という語順になります。

ここで気をつけたいのは、「名詞」の部分です。ここが「代名詞」であっても、語順は同じなのです。つまり

 ○ 自動詞+前置詞名詞(代名詞ではない普通の名詞)
 ○ 自動詞+前置詞代名詞
 × 自動詞名詞前置詞
 × 自動詞代名詞前置詞


となります。したがって

1 He depended on Yoko. ○
2 He depended on her.  ○
3 He depended Yoko on. ×
4 He depended her on.  ×

となります。

-------------------------------

5 He put on his coat.
6 He put on it.
7 He put his coat on.
8 He put it on.

【正解】

5 He put on his coat.  ○(彼は自分のコートを着た)
6 He put on it.     ×
7 He put his coat on.  ○(彼は自分のコートを着た)
8 He put it on.     ○(彼はそれを着た)

【解説】
今度は put を辞書で引きましょう。今度は[]のようなマークが着いているはずです。つまり put は他動詞なのです。

熟語としては put on でしょうから、今度は辞書の put の並びから 熟語を探しましょう。どこかに put on という部分があるはずです。見つかりましたか?

 熟語の put on には(例えばジーニアス英和辞典ならば)その横に [他] というマークがあるはずです。この場合の「イディオム(熟語)」は、(depend on とは違い)

  「他動詞+副詞」のイディオム(熟語)

という形になります。on はこの場合、前置詞ではありません。【副詞】なのです!

「他動詞+副詞」のイディオム(熟語)…この場合、語順に注意があります。

 ○ 他動詞+副詞名詞(代名詞ではない普通の名詞)
 × 他動詞+副詞代名詞
 ○ 他動詞名詞副詞
 ○ 他動詞代名詞副詞

となるのです。上から1番目が○。2番目が×です。
代名詞」は、[他動詞+副詞]の後に置くことができないのです。

したがって

5 He put on his coat.  ○
6 He put on it.     ×
7 He put his coat on.  ○
8 He put it on.     ○

となります。

-----------------------------

9 He took off his coat.
10 He took off it.
11 He took his coat off.
12 He took it off.

【解答】
9 He took off his coat. ○(彼は自分のコートを脱いだ)
10 He took off it.    ×
11 He took his coat off. ○(彼は自分のコートを脱いだ)
12 He took it off.    ○(彼はそれを脱いだ)

【解説】
今度は take を辞書で引きましょう。実は[自]のマークも最後の方にありますが、ほとんどは[他]のようなマークが着いている説明部ばかりのはずです。つまり take は原則、他動詞なのです。

熟語としては take off を探しましょう。今度はちょっとやっかい。
take off は、ジーニアスだと、明らかに [自] [他] があるんです。
意味を調べると
[自]<飛行機などが>離陸する
[他]<衣類・靴など>を脱ぐ

となっています。
今回はそのどちらでしょう?

 意味から考えるほうが簡単でしょう。
  →[他]<衣類・靴など>を脱ぐ
   ↑これのはずです。

 でも、意味からではなく、単語の並びでも考えて欲しいものです。
 問題文の場合 his coat とか it が混ざっています。名詞や代名詞が関わっています。
 だったら「他動詞」でないと、困ります。したがって
  →[他]<衣類・靴など>を脱ぐ
   ↑これのはずです。

つまり、9~12の問題の take off

  「他動詞+副詞」のイディオム(熟語)

という形になります。off はこの場合、前置詞ではありません。【副詞】なのです!
5~8と全く同じ形!

「他動詞+副詞」のイディオム(熟語)…この場合、語順に注意がありましたね!

 ○ 他動詞+副詞名詞(代名詞ではない普通の名詞)
 × 他動詞+副詞代名詞
 ○ 他動詞名詞副詞
 ○ 他動詞代名詞副詞

となるのです。上から1番目が○。2番目が×です。
代名詞」は、[他動詞+副詞]の後に置くことができないのです。

したがって

9 He took off his coat. ○
10 He took off it.    ×
11 He took his coat off. ○
12 He took it off.    ○

となります。

------------------------------------

13 The airplane took off Narita.
14 The airplane took off.

【解答】

13 The airplane took off Narita.×
14 The airplane took off.    ○(その飛行機は離陸した)

【解説】
take off は先ほど調べましたね。
[自]<飛行機などが>離陸する
[他]<衣類・靴など>を脱ぐ

です。
今回はどちらでしょうか?

意味から考えた方が楽は楽です。主語が「飛行機」なんだから、
[自]<飛行機などが>離陸する
ですね。

でも形からでも解けるのです。もし今回の take off が [他]<衣類・靴など>を脱ぐだったら、
 意味を考えると…
13 The airplane took off Narita.(その飛行機は成田を脱いだ)
14 The airplane took off.    (その飛行機は ? を脱いだ)
 になってしまいます。おかしいですよね。

したがって、13、14は
[自]<飛行機などが>離陸する

なのです。ここまでよろしいですか?

じゃあ形は?
1~4は     自動詞+前置詞
5~8、9~12は 他動詞+副詞
でした。

実は、熟語欄で [自] と書いてあったら

      →自動詞+副詞

なのです。つまり、13、14の take off は「自動詞+副詞」なのです。

自動詞+副詞」の熟語は
 × 自動詞+副詞名詞
 × 自動詞+副詞代名詞
 × 自動詞名詞副詞
 × 自動詞代名詞副詞

全部ダメ!\(`へ´ )/=3
(代)名詞を勝手に【すぐには】置けないのです。

したがって
13 The airplane took off Narita.は×です。

実は「その飛行機は成田を離陸した」と言いたいならば
 The airplane took off from Narita. と「前置詞の from」をNaritaの前に入れてあげます。

 [自動詞]は文法上、そばに(目的語となる)名詞を置かなくても全く問題がありません。
したがって、
14 The airplane took off.    ○(その飛行機は離陸した)
 となります。

----------------

まとめます。

自動詞+前置詞】型
 ○ 自動詞+前置詞名詞
 ○ 自動詞+前置詞代名詞
 × 自動詞名詞前置詞
 × 自動詞代名詞前置詞

他動詞+副詞】型
 ○ 他動詞+副詞名詞
 × 他動詞+副詞代名詞
 ○ 他動詞名詞副詞
 ○ 他動詞代名詞副詞

自動詞+副詞】型
 × 自動詞+副詞名詞
 × 自動詞+副詞代名詞
 × 自動詞名詞副詞
 × 自動詞代名詞副詞

熟語にはこういう【型】が実はあるのです。
気をつけながら覚えてみてはと思います。

------------

以上になります。いかがだったでしょうか?
それではまた来週の水曜日に!

問題編
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コメント

1番~8番を表示

2010年
09月01日
21:24
neginohanaさん

いつもありがとうございます。

代名詞を間に挟むタイプと、そのまま後ろにつけるタイプがあることは知っていましたが、自動詞・他動詞の違いだとは知りませんでした。
なんとなく耳慣れた方を選んでいました。

あと、「他動詞+副詞」の場合、副詞にアクセントが来ますよね。それも手掛かりにしていました。

間違った13は、自信がありませんでした。
The airplane took off from Narita. が正しいのかなぁと、かなり迷いました。
こっちならよかったのでしょうか。

2010年
09月01日
22:15
ken14さん

いつもありがとうございます。
 
 今回、(代名詞を除く名詞)という区分を頭に入れていませんでした。
名詞がいいのなら、代名詞もOKだろうという感覚でした。
 
 では、9~12は何故正解したかと言うと、これは感覚的なもので、
「こういう言い方はしないな」と思ったからです。

 いずれにしても、ひとつ又憶えました。来週も待ってます。

2010年
09月02日
00:04
mouthbirdさん

>>1 neginohanaさん
airplane のスペルミス申し訳なかったです! 今直しました!><
そうなんです、from が必要だったのです。
ご指摘ありがとうございました。m(_ _)m

>>2 ken14さん
そうなんです。[他動詞+副詞]型 の場合、代名詞に注意しましょう!
勉強になったようでよかったです。^^

2010年
09月02日
01:11
たっつんさん

質問があります。

---------------------------------------
5 He put on his coat.  ○
6 He put on it.     ×
7 He put his coat on.  ○
8 He put it on.     ○

----------------------------------------
で、

----------------------------------------
 ○ 他動詞+副詞+名詞(代名詞ではない普通の名詞)
 × 他動詞+副詞+代名詞
 ○ 他動詞+名詞+副詞
 ○ 他動詞+代名詞+副詞

となるのです。上から1番目が○。2番目が×です。
「(代名詞ではない普通の)名詞」は、[他動詞+副詞]の後に置くことができますが、[他動詞+副詞]の間に置くことができないのです。
-------------------------------------------------

とありますが、なぜ、7は○なのでしょうか? 上記の説明では「7は×になる」と思います。

 ただ、onの使い方として、叙述形容詞のような扱いをすることがあることも知っています。なので、この7番の文法理解は、[他動詞+名詞+叙述形容詞的副詞on]、つまりSVOCの4文型という理解の方が自然だと思うのです。「彼は、コートをonする」つまり着る、という感じに。

どうでしょうか?

2010年
09月02日
07:47
mouthbirdさん

>>4 tattsun999さん

ごめんなさい、途中で説明を訂正してます。
今は↓このように直っています。

代名詞」は、[他動詞+副詞]の後に置くことができないのです

↑これが正しいです。

したがって、

 ○ 他動詞+副詞+名詞(代名詞ではない普通の名詞)
 × 他動詞+副詞+代名詞
 ○ 他動詞+名詞+副詞
 ○ 他動詞+代名詞+副詞

となります。非常に申し訳ないです。m(_ _)m

2010年
09月04日
04:25
たっつんさん

なるほど。了解です。

民法的な言い方をすれば、言い間違え等の「本人の本心にない錯誤」は誰にでもあることなので、気にしていません。

ただ、7番のonの使い方における私の見解はどう思われますか? 公式には、onはやはりputを修飾する副詞と捉えるべきでしょうか?

 群動詞(phrasal verb)にも、こうやって自動詞+前置詞、他動詞+副詞、自動詞+副詞にわけることができるという理解はしていませんでした。そういうセンテンスはよく見かけますが、それがいちいち自動詞なのか、他動詞なのか考えていません。個人的な感覚として、各動詞に自動詞的な言い方と他動詞的な言い方があるだけなので。
 前置詞か副詞かは、名詞のあるなしでわかりますが。

 とにかく、こういう厳密な理解も気をつけていきたいです。

2010年
09月04日
08:18
hadaさん

解説ありがとうございます。
以前、ロイヤル英文法の句動詞の説明を見たときに

自動詞+副詞 で 自動詞の働きをする
他動詞+副詞 で 他動詞の働きをする
自動詞+前置詞 で 他動詞の働きをする

なんて話があったのをぼんやりと覚えていたのですが、
こういうことだったんですね…

2010年
09月05日
12:33
mouthbirdさん

>>6 tattsun999さん

>7番のonの使い方における私の見解はどう思われますか? 公式には、onはやはりputを修飾する副詞と捉えるべきでしょうか?

はい。文法上ではそのような扱いになります。

>群動詞(phrasal verb)にも、こうやって自動詞+前置詞、他動詞+副詞、自動詞+副詞にわけることができるという理解はしていませんでした。そういうセンテンスはよく見かけますが、それがいちいち自動詞なのか、他動詞なのか考えていません。個人的な感覚として、各動詞に自動詞的な言い方と他動詞的な言い方があるだけなので。

少なくとも「こういった種類があるんだ」という知識はあったほうが良い思うのです。

でも、ようは
「間違って使わないように、間違った場合、なぜ間違いなのか、どう修正すればよいのかが分かっていれば良い」…と思います。こんな区別を知らなくても正しく使いこなせるなら要らない知識だと思います。
こういうのは人によると思います。 私みたいな英語センス0人間は、この知識が無いと、間違いを修正できないのです。(ToT)

>saruさん
はい、今回の知識は「意外と着目されない・説明してる本なども少ない」、と思います。この知識が上手く活用される嬉しく思います。

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