毎週水曜日は smart.fm で更新してきた、
旧チャンネルブログの文法問題を引き続きお届けします。
今週は解答編です。
チャレンジしてくださった皆様、ありがとうございました。
今回はイディオム(熟語)のうち、「動詞がらみの熟語」についてやりました。では解答と解説に参りましょう。
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以下の英文を各々、文法的に正しいものには「○」、文法的に間違っているものには「×」を記しなさい。
1 He depended on Yoko.
2 He depended on her.
3 He depended Yoko on.
4 He depended her on.
【正解】
1 He depended on Yoko. ○(彼は洋子に依存している)
2 He depended on her. ○(彼は彼女に依存している)
3 He depended Yoko on. ×
4 He depended her on. ×
【解説】
まず、
depend を辞書で調べましょう。すると大概 [
自] みたいマークが書いてあります。「自動詞」を表します。で、傍に(
on)とか (upon) と書いてあります。
こういう場合、
[
depend on ~] が1つの「イディオム(熟語)」であることを示します。
で、こういう場合の「イディオム(熟語)」は
「
自動詞+前置詞」のイディオム(熟語)
という形になります。
「
自動詞+前置詞」のイディオム(熟語)…この場合、
「
自動詞+前置詞+
名詞」…という語順になります。
ここで気をつけたいのは、「
名詞」の部分です。ここが「
代名詞」であっても、語順は同じなのです。つまり
○
自動詞+前置詞+
名詞(代名詞ではない普通の名詞)
○
自動詞+前置詞+
代名詞
×
自動詞+
名詞+
前置詞
×
自動詞+
代名詞+
前置詞
となります。したがって
1 He
depended on Yoko. ○
2 He
depended on her. ○
3 He depended Yoko on. ×
4 He depended her on. ×
となります。
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5 He put on his coat.
6 He put on it.
7 He put his coat on.
8 He put it on.
【正解】
5 He put on his coat. ○(彼は自分のコートを着た)
6 He put on it. ×
7 He put his coat on. ○(彼は自分のコートを着た)
8 He put it on. ○(彼はそれを着た)
【解説】
今度は put を辞書で引きましょう。今度は[
他]のようなマークが着いているはずです。つまり put は他動詞なのです。
熟語としては
put on でしょうから、今度は辞書の put の並びから
熟語を探しましょう。どこかに
put on という部分があるはずです。見つかりましたか?
熟語の
put on には(例えばジーニアス英和辞典ならば)その横に
[他] というマークがあるはずです。この場合の「イディオム(熟語)」は、(depend on とは違い)
「
他動詞+副詞」のイディオム(熟語)
という形になります。on はこの場合、前置詞ではありません。【
副詞】なのです!
「他動詞+副詞」のイディオム(熟語)…この場合、語順に注意があります。
○
他動詞+副詞+
名詞(代名詞ではない普通の名詞)
×
他動詞+副詞+
代名詞
○
他動詞+
名詞+
副詞
○
他動詞+
代名詞+
副詞
となるのです。上から1番目が○。2番目が×です。
「
代名詞」は、[他動詞+副詞]の
後に置くことができないのです。
したがって
5 He
put on his coat. ○
6 He
put on it. ×
7 He
put his coat on. ○
8 He
put it on. ○
となります。
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9 He took off his coat.
10 He took off it.
11 He took his coat off.
12 He took it off.
【解答】
9 He took off his coat. ○(彼は自分のコートを脱いだ)
10 He took off it. ×
11 He took his coat off. ○(彼は自分のコートを脱いだ)
12 He took it off. ○(彼はそれを脱いだ)
【解説】
今度は take を辞書で引きましょう。実は[自]のマークも最後の方にありますが、ほとんどは[他]のようなマークが着いている説明部ばかりのはずです。つまり take は原則、他動詞なのです。
熟語としては take off を探しましょう。今度はちょっとやっかい。
take off は、ジーニアスだと、明らかに
[自] と
[他] があるんです。
意味を調べると
[自]<飛行機などが>離陸する
[他]<衣類・靴など>を脱ぐ
となっています。
今回はそのどちらでしょう?
意味から考えるほうが簡単でしょう。
→
[他]<衣類・靴など>を脱ぐ
↑これのはずです。
でも、意味からではなく、単語の並びでも考えて欲しいものです。
問題文の場合 his coat とか it が混ざっています。名詞や代名詞が関わっています。
だったら「他動詞」でないと、困ります。したがって
→
[他]<衣類・靴など>を脱ぐ
↑これのはずです。
つまり、9~12の問題の
take off は
「
他動詞+副詞」のイディオム(熟語)
という形になります。off はこの場合、前置詞ではありません。【
副詞】なのです!
5~8と全く同じ形!
「他動詞+副詞」のイディオム(熟語)…この場合、語順に注意がありましたね!
○
他動詞+副詞+
名詞(代名詞ではない普通の名詞)
×
他動詞+副詞+
代名詞
○
他動詞+
名詞+
副詞
○
他動詞+
代名詞+
副詞
となるのです。上から1番目が○。2番目が×です。
「
代名詞」は、[他動詞+副詞]の
後に置くことができないのです。
したがって
9 He
took off his coat. ○
10 He
took off it. ×
11 He
took his coat off. ○
12 He
took it off. ○
となります。
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13 The airplane took off Narita.
14 The airplane took off.
【解答】
13 The airplane took off Narita.×
14 The airplane took off. ○(その飛行機は離陸した)
【解説】
take off は先ほど調べましたね。
[自]<飛行機などが>離陸する
[他]<衣類・靴など>を脱ぐ
です。
今回はどちらでしょうか?
意味から考えた方が楽は楽です。主語が「飛行機」なんだから、
[自]<飛行機などが>離陸する
ですね。
でも形からでも解けるのです。もし今回の take off が [他]<衣類・靴など>を脱ぐだったら、
意味を考えると…
13 The airplane took off Narita.(その飛行機は成田を脱いだ)
14 The airplane took off. (その飛行機は ? を脱いだ)
になってしまいます。おかしいですよね。
したがって、13、14は
[自]<飛行機などが>離陸する
なのです。ここまでよろしいですか?
じゃあ形は?
1~4は 自動詞+前置詞
5~8、9~12は 他動詞+副詞
でした。
実は、熟語欄で
[自] と書いてあったら
→
自動詞+副詞
なのです。つまり、
13、14の take off は「
自動詞+副詞」なのです。
「
自動詞+副詞」の熟語は
×
自動詞+副詞+
名詞
×
自動詞+副詞+
代名詞
×
自動詞+
名詞+
副詞
×
自動詞+
代名詞+
副詞
全部ダメ!\(`へ´ )/=3
(代)名詞を勝手に【すぐには】置けないのです。
したがって
13 The airplane
took off Narita.は×です。
実は「その飛行機は成田を離陸した」と言いたいならば
The airplane took off
from Narita. と「
前置詞の from」をNaritaの前に入れてあげます。
[自動詞]は文法上、そばに(目的語となる)名詞を置かなくても全く問題がありません。
したがって、
14 The airplane took off. ○(その飛行機は離陸した)
となります。
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まとめます。
【
自動詞+前置詞】型
○
自動詞+前置詞+
名詞
○
自動詞+前置詞+
代名詞
×
自動詞+
名詞+
前置詞
×
自動詞+
代名詞+
前置詞
【
他動詞+副詞】型
○
他動詞+副詞+
名詞
×
他動詞+副詞+
代名詞
○
他動詞+
名詞+
副詞
○
他動詞+
代名詞+
副詞
【
自動詞+副詞】型
×
自動詞+副詞+
名詞
×
自動詞+副詞+
代名詞
×
自動詞+
名詞+
副詞
×
自動詞+
代名詞+
副詞
熟語にはこういう【型】が実はあるのです。
気をつけながら覚えてみてはと思います。
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以上になります。いかがだったでしょうか?
それではまた来週の水曜日に!
問題編
http://q-eng.com/diary/433
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