毎週水曜日は smart.fm で更新してきた、
旧チャンネルブログの文法問題を引き続きお届けします。
今週は解答編です。
多くの皆様にチャレンジいただき嬉しく思います。ありがとうございます。
では先週の問題の解説に参ります。
山ほど解説がありますのでご注意!
さてではいきますか…(長いですよ~~~~~(ToT))
===========================================================
日本語に合うように、( )内の語(句)を並べかえなさい。
1.昨夜舞台で踊っているのをあなたが見た小さな女の子は私のいとこです。
The(saw / little girl / on / you / dancing)the stage last night is my cousin.
解答:The (little girl you saw dancing on) the stage last night is my cousin.
解説:これを文法で解くためには、「次の2つの文法事項」を知らなければなりません。
・
関係代名詞の目的格省略
・
知覚動詞+O+現在分詞(~ing)
先に
知覚動詞+O+現在分詞(~ing)
から学びましょう。
●文法事項
知覚動詞+O+現在分詞(~ing) 「
Oが~しているのを知覚動詞する」という意味を作ります。
「
知覚動詞」…というものをご存じですか?
見る・聞く・感じる、といった
意味の単語です。
具体的に言えば、
see、
hear、
look at、
watch、
feel などです。
これらを総称して「
知覚動詞」と呼ぶことがあります。
「
知覚動詞」には
特殊な文法がいくつかあります。そのうちの1つが
★
知覚動詞+O+現在分詞(~ing) 「
Oが~しているのを知覚動詞する」
というものです。
例文
I
saw the cat crossing the street.(私は
その猫がその通りを横切っ
ているのを見た)
saw the cat crossing が見事に[
知覚動詞+
O+
現在分詞(~ing)]になっています。なので「私は
その猫がその通りを横切っ
ているのを見た」という訳例になっています。ここまでよろしいでしょうか?
では↓この英文の意味はどうなるでしょう?
You
saw the little girl dancing on the stage last night.
★
知覚動詞+O+現在分詞(~ing) 「
Oが~しているのを知覚動詞する」
↑これを踏まえると↓
(あなたは
その小さな女の子が昨夜舞台で踊っ
ているのを見た)
となります。
---------
・
関係代名詞の目的格省略
まず、
関係代名詞の目的格を知らなかったら、これを学んでいただかないといけません。
これが
スーパー大変! 長~~~~い説明が必要となります。
↓こちら(7)から(14)までを読んで役割を覚えてください。
https://www.alc.co.jp/beginner/article/mouthbird/2008/08/...
で、(14)に、↓こういった部分があります。
>-------------------------------------------------
「
関係代名詞の目的格」は
省略することができる(口語だと省略するほうが普通)。
という文法です。
つまり
(2) I know the boy(
whom)she loves.
=I know the boy she loves.
(4) She lives in a house(
which)he built.
=She lives in a house he built.
となるのです。
英語の苦手な方、↓これだけ見て意味が分かりますか?
I know the boy she loves.
She lives in a house he built.
whom や which が消えてしまっているのですよ!
この部分が、
英語が苦手な人にとっては最高に苦手です。
>-------------------------------------------------
↑これが「
関係代名詞目的格省略」です。
((↑↑ここまでが分かっていないと↓↓ここからが分かりません))
===========
ここから
例題を書き連ねます。
すべてそれぞれの英文の意味を答えなさい。
例題1
The boy is my cousin.
→その
少年は私のいとこです。
例題2
The boy whom she loves
is my cousin.
これは
she loves
the boy.(彼女は
その少年を愛している)
↑この英文のうちの [
the boy] という【
目的語】が
欠けているので
関係代名詞は目的格の whom を使っています。
↓こんな感じ
The boy (
whom she loves
●)
is my cousin.
したがって
→彼女が愛している
少年は私のいとこです。
例題3
The boy she loves
is my cousin.
これは、例題2から[
関係代名詞目的格のwhom] が
省略されただけ
The boy (she loves
●)
is my cousin. となるだけで、
意味は例題2と同じ。
→彼女が愛している
少年は私のいとこです。
----
例題4
The little girl is my cousin.
→その
小さな女の子は私のいとこです。
例題5
The little girl whom you saw dancing on the stage last night
is my cousin.
これは
You
saw the little girl dancing on the stage last night.
(あなたは
その小さな女の子が昨夜舞台で踊っているのを見た)
↑この英文のうちの [
the little girl] という【
目的語】が
欠けているので
関係代名詞は目的格の whom を使っています。
↓こんな感じ
The little girl (
whom you
saw ● dancing on the stage last night)
is my cousin.
したがって
→昨夜舞台で踊っているのをあなたが見た
小さな女の子は私のいとこです。
例題6
The little girl you saw dancing on the stage last night
is my cousin.
これは、例題5から[
関係代名詞目的格のwhom] が
省略されただけ
The little girl (
you
saw ● dancing on the stage last night)
is my cousin. となるだけで、意味は例題5と同じ。
→昨夜舞台で踊っているのをあなたが見た
小さな女の子は私のいとこです。
……「
例題6の英文」こそ、
この並べ替え問題の正解だったわけです。
ちなみに、出題で(
必ず「日本語に合うように」並べかえるように!)と注意をしておきましたが、この理由が分かった方はいらっしゃるでしょうか? 実は、私の生徒さんは次のように答えたのです。(dancing の位置にご注目ください)
The
dancing little girl you saw on the stage last night is my cousin.
残念ならが間違いです。しかし「英語が苦手な彼女なりにものすごく精一杯考えられたこと」が良く分かる答えでした。きちんと「
関係代名詞の目的格省略」の部分は見事にクリアしているのです。しかしこれだと意味が「昨夜舞台であなたが見た踊っていた小さな女の子(もしくは、小さな踊り子)は私のいとこです」になってしまうのです。
(補足:dancing を現在分詞で取ると「踊っている女の子」になり、dancing を動名詞で取ると「踊るための女の子=踊り子」となる)
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2.学生たちは、自分が難しいと思う問題に取り組んだ。
The students tackled the problem( thought / difficult / which / was / to / they) solve.
解答:The students tackled the problem (which they thought was difficult to) solve.
解説:これを文法で解くためには、「次の2つの文法事項」を知らなければなりません。
・
tough構文
・
連鎖関係代名詞(もしくは)
関係代名詞+挿入節 <呼び方が違うだけで、内容は同じもの>
今度は先に「
tough構文」を学びましょう。
------
【
tough構文】とは…
例文
The river is dangerous to swim in. (その川は泳ぐには危険だ)
↑これは
tough構文を使った例文です。
●【主語+be(もしくは第二文型の動詞)+補語(概ね形容詞)+to do】
になります。このときの 『
to do(の後ろ)』の部分が
ポイントなのです。
★
to do の【後ろの部分】が【主語】と同じであればそこを無くなさなければならない】という文法があります。これを tough構文と呼びます。
例文を解説します。
The river is dangerous to swim in. ←は
最後が in で終わっています。変に思えませんか?
→
本当は最後を
to swim in the river としたかったはずです。
つまり↓こんな英文にしたくないですか?
The river is dangerous
to swim in the river.
しかし
↑これは文法的には間違った英文です。
「正しくは
to swim in で終わらせます」。swim in の
後ろに the river を書いてはいけません。
つまり正しくは↓こういう英文になります。
The river is dangerous
to swim in.(こういう場合「前置詞in の目的語」が無い、と表現されます)
in の後に書きたかった
the river は【この文の
主語】ですよね。
The river is dangerous
to swim in.
(
主語)
こういう英文は、
最後の『to do』の後ろの重複部分(この場合なら
the river)
を書いてはいけないのです。
つまり
×
The river is dangerous
to swim in the river. (文法的に
間違っている)
○
The river is dangerous
to swim in. ←これが
tough構文(文法的にあっている)
(その川は泳ぐのに危険だ)
というわけです。(
in は残してください。
重複している部分(この場合ならば
the river)
だけを消します)
----
では↓この英文はどうなっているか分かりますか?
The problem was difficult to solve.
↑これも
tough構文なのです。
The problem was difficult to solve. ←は
最後が solve で終わっています。変に思えませんか?
→本当は最後を
to solve the problem としたかったはずです。
つまり↓こんな英文にしたくないですか?
The problem was difficult
to solve the problem.
しかし
↑これは文法的には間違った英文です。
「正しくは
to solve で終わらせます」。solve の
後ろに the problem を書いてはいけません。
つまり正しくは↓こういう英文になります。
The problem was difficult
to solve.(こういう場合「他動詞solve の目的語」が無い、と表現されます)
solve の後に書きたかった
the problem は【この文の
主語】ですよね。
The problem was difficult
to solve.
(
主語)
こういう英文は、
最後の『to do』の後ろの重複部分(この場合なら
the problem)
を書いてはいけないのです。
つまり
×
The problem was difficult
to solve the problem. (文法的に
間違っている)
○
The problem was difficult
to solve. ←これが
tough構文(文法的にあっている)
(その問題は解くのが難しい)
というわけです。
重複している部分(この場合ならば
the problem)
を消します。
<以上が tough構文の説明>
---------------------------
・
連鎖関係代名詞(もしくは)
関係代名詞+挿入節 <呼び方が違うだけで、内容は同じもの>
駿台予備校系の参考書などでは『
連鎖関係代名詞』と名づけられています。旺文社の「ロイヤル英文法」では『
関係代名詞+挿入節』と名づけられています。呼び方が違うだけで、
同じ文法です。
↓この
例題が分かると、この文法が習得できます。
【
例題】
次の( )に適切な関係詞を入れなさい(ただし thatを除く)。
I saw the woman( )I thought was his mother.
分かりますか?
・「
連鎖関係代名詞(もしくは)
関係代名詞+挿入節」
とは、
関係代名詞 + <S+思う(に似た意味の動詞)> ~
という構造をとる文法のことです。
例題で考えてみましょう。
I saw the woman
( )I thought was his mother.
↑
この辺が問題です。
I thought が『
S+思う』という形になっていることが分かりますか?
つまり、「
<I thought>が
挿入されている」のです。
挿入なんだから「
抜き取って」しまいましょう。
例題の英文↓
I saw the woman
( )I thought was his mother.
↑この英文から
<I thought>を
抜き取ってしまいます。
すると↓こうなりますね。
I saw the woman
( )was his mother.
↑これだと
( )の答えは
分かるのではないでしょうか?
( )was his mother.
↑もともとは
The woman was his mother.だったはずです。
the woman を指す「
関係代名詞の主格」を入れましょう。
「人」の「
主格」だから答えは⇒
who ですね。
したがって答えは
I saw the woman(
who)was his mother.
(私は彼の母親である女性を見た)…となります。
↑これに、
さっき抜き取った<I thought>を入れてあげます。
すると↓
I saw the woman(
who)<
I thought> was his mother.
となります。意味は
(私は
私が彼の母親
と思った女性を見た)となります。
(以上が「連鎖関係代名詞(もしくは)関係代名詞+挿入節」の説明)
-------------------
では、なんとか答えを出しましょう。さっきと同じように「
例題」を駆使して答えを導き出しましょう。
例題1( )に適切な関係詞を入れなさい(thatを除く)。
The students tackled the problem( )was difficult to solve.
(
)was difficult
to solve. ←
tough構文になっている。
もともとは↓
The problem was difficult
to solve.
(その問題は解くのが難しい)
であったはず。
the problem を指す「
関係代名詞の主格」を入れましょう。
「物」の「
主格」だから答えは⇒
which ですね。
したがって、正解は
which。
The students tackled the problem(
which)was difficult
to solve.
(学生たちは、解くのが難しい問題に取り組んだ)
…となります。
例題2
・以下の英文のどこかに
they thought を挿入し、「学生たちは、
自分が解くのが難しい
と思う問題に取り組んだ」という意味の英文を完成させなさい。
The students tackled the problem
which was difficult
to solve.
自分が思う=
they thought なわけです。
例題2は 「<
they thought>を
挿入する」わけだから、
⇒「
連鎖関係代名詞(もしくは)
関係代名詞+挿入節」の知識を使えばよいです。
関係代名詞は
which なんだから、
which(
関係代名詞)の
直後に <
they thought> を
挿入すればOK。
したがって
The students tackled the problem
which <
they thought> was difficult
to solve.
が正解となります。
…で、これこそが、本問題の答えな分けです。お分かりいただけたでしょうか?
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3.牛乳はカルシウムやビタミン類やタンパク質を含んでいるが、それらはすべて体に重要なものである。
Milk contains calcium, vitamins and protein,( which / all / for / important / of / are)our bodies.
解答:Milk contains calcium, vitamins and protein,(all of which are important
for)our bodies.
解説:ここは「
●●● of 関係代名詞の目的格」という文法事項を学びます。これについて解説している参考書類は極めてまれです。でもよく出題される形だし、よく見かけます。またたっぷり解説があります。例題から考えましょう。
-------------
例題1 以下の英文の意味を答えなさい。
I met his students.
Five of them were Japanese.
↓
「
five of them」 がポイントです。分かりますか?
正解は「私は彼の教え子たちに会った。
彼らのうちの5人は日本人だった」です。
では
例題2 以下の英文の意味を答えなさい。
I met his students.
None of them was Japanese.
↓
「
none of them」 がポイントです。分かりますか?
正解は「私は彼の教え子たちに会った。
彼らのうちのだれも日本人では
なかった(日本人は誰もいなかった)」です。
では
例題3 以下の英文の意味を答えなさい。
I met his students.
All of them were Japanese.
↓
「
all of them」 がポイントです。分かりますか?
正解は「私は彼の教え子たちに会った。
彼らの全てが日本人だった」です。
ここまでわかりますか? ↑これら3つの例題には
もう1つポイントがあります。
them が「they や their ではなく
them であることです。they は主格、their は所有格、「
themは【
目的格】の
代名詞」です。ここを抑えてください。よろしいですか?
-----
では!
例題4 次の意味になるように( )に適切な「関係代名詞」を入れなさい。
「私は彼の教え子たちに会ったが、彼らの全てが日本人だった」
I met his students
, all of( )were Japanese.
今度はこの( )に them を入れられません。今度は
前がピリオドではないですし、「
関係代名詞を使って手前とつなげなければなりません」から。
しかし、元々は
them(=
his students) だったことは分かりますよね。
them は【
目的格の
代名詞】でした。
この場合、この
them の代わりの「
関係代名詞【
目的格】」を入れれば良いのです。
今回の先行詞は「
人(his students)」ですから、
⇒「
人」の場合の
目的格の
関係代名詞は⇒
whom ですね!
したがって、正解は
I met his students
, all of(whom)were Japanese.
「私は彼の教え子たちに会ったが、
彼らの全てが日本人だった」
となります。
ここまでよろしいですか?
----------------
では!
例題5 次の意味になるように( )に適切な「関係代名詞」を入れなさい。
「牛乳はカルシウムやビタミン類やタンパク質を含んでいるが、それらはすべて体に重要なものである。」
Milk contains calcium, vitamins and protein, all of( )are important for our bodies.
この問題の場合も( )に them を入れられません。
前がピリオドではないですし、「
関係代名詞を使って手前とつなげなければなりません」から。
しかし、元々は
them(=
calcium, vitamins and protein) だったことは分かりますよね。
them は【
目的格の
代名詞】でした。
この場合、この
them の代わりの「
関係代名詞【
目的格】」を入れれば良いのです。
今回の先行詞は「
物(calcium, vitamins and protein)」ですから、
⇒「
物」の場合の
目的格の
関係代名詞は⇒
which ですね!
したがって、正解は
Milk contains calcium, vitamins and protein
, all of(which)are important for our bodies.
「牛乳はカルシウムやビタミン類やタンパク質を含んでいるが、それらはすべて体に重要なものである。」
となります。
これが、本問の正解になるわけです。
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以上でした。
これを英語が苦手な高校1年生(今日の時点では高2ですが)に春休みに教えました。「三単現のsを知らなかった、have to の意味も分からなかった、動詞の不規則変化もあやふやな彼女」にこれらを教えてきました。彼女にとっては大変だったと思います。ですが説明のかいはあって、ちゃんと納得されました。
ちなみに
2.の問題は「得意な人」でもよく間違える問題です。得意な人から「なぜその答えになるのか分からないので、教えてほしい」という質問を頻繁に受けます。
このような難しい問題を春休みの宿題として「解説抜き」で課題として「私の生徒」は出されました。そして春休み開けに「確認テスト」があったようです。皆様これをどう思いますか?
問題はいい問題だと思います。ですが解説がこのように大変なのです。
「解説のない宿題として適切」とは私には思えないのです。
今週は以上です。それではまた来週!
問題編
http://q-eng.com/diary/3059
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