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Guess Who's Coming to Dinner (招かれざる客) 映画 1967年
オバマ大統領の両親が「黒人と白人のカップル」だということで、この映画を観てみた。1967年の作品。
全体的に古典的な感じがする、演劇的な映画だ。
しかし、素晴らしかった。
わずか半日の出来事が描かれている。しかし両家族にとっては激動の半日だ。
冒頭は幸せそうなカップルが空港に到着する場面。ただ、黒人男性 John と白人女性 Joey だ。
10日前にハワイで出逢って恋に落ち、結婚を決意したという。
二人は Joey の両親に会いに来た。
日頃から「人種差別ほど愚かなことはない」と言っている両親だから、Joey は楽観的だが・・・
自分の娘が黒人と結婚したいと言い出せば、ショックを隠せない。↓
驚いたのは、彼女の家に長年勤めている黒人家政婦の反応。
John に、あからさまに敵意を表す。「女性が社会進出する時に、一番足を引っ張るのが女性たちだ」というのと同じことだろうか。
John は医学博士で立派な青年。
幸せそうな二人を見て、Joey の母は次第に心が解けて、若い二人の味方になる。
そんな中、John の両親が急に彼らに会いに駆けつける。
息子が婚約したのが嬉しくて、満面の笑みだった二人だが、
現れた婚約者が white girl だと見るや、凍りつく。
Joey の家に着いてから、Joey の両親、John の両親、若い二人、古い友人の司祭まで加わって、いろいろな組み合わせで話し合いが続く。
双方の父同士の話し合い↓
Mr. Prentice: I don't know you at all, and I certainly wouldn't want to offend you. But are you some kind of a nut?
Johnの父: 初対面で失礼だが、あなたは正気なんですか。
このnutというのは、よく聞く。(You've Got a Mail にも出てきた)
もちろん、木の実のことではなく、「ばか者、変わり者」という意味。
母同士の話し合いで二人は理解しあい、
John の母が、手ごわい Joey の父に立ち向かう。
Mrs. Prentice: When sexual things no longer matter to them, they forget it all.
ジョンの母: 愛や恋を語る年を過ぎると忘れてしまう。
ここでの they は父親たちのことだ。
男は年をとると恋する気持ちを忘れて枯れてしまうんだ、という
きつ~い言葉。
一方、John は自分の父と対決している。
John: But you think of yourself as a colored man. I think of myself as a man.
ジョン: でも僕は黒人としてではなく、人間として生きたい。
you think of yourself as ~
なんだ。この of が、私が言おうとする時はスラスラ出てこないような気がする。
登場人物それぞれの立場や気持ちがよくわかり、じーんときた。涙、涙。
今のアメリカでも、異人種間の結婚はそう多くないという。
この映画の時代、多くの州でそれが違法ですらあった。
そんな中、時代を変えていく若い世代、建前と本音の葛藤に苦しむ親、とてもうまく描けている。
:::::::::: おまけ ::::::::::::::
ただ、冷静に私が思うに、(人種の問題以前に)出逢って10日で結婚というのは、早すぎる。
すぐにスイスに移らなければならないと John の事情があったとしても・・・。
私は(娘としての経験から)、もし自分の子どもが、親から見てふさわしくないと思われる結婚を望んだときは、
反対して恋の火に油を注ぐようなことはせず、次のように宣言するのがいいと思う。
「1年経って決心が変わらなければ、そのときは祝福しよう。
ただし、それまでに妊娠しようものなら、認めない。」
1年経てばたいてい目が覚めるものだし、もしそれでも結婚したいのなら本物なのだろうから、親が折れなければならない。
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