こんにちは。最近は日が高いですね。だいぶ熱くもなってきました。
今回から、冠詞についてのお話を書こうと思います。予定では3回シリーズです。
え~と、まず断っておくことが3つあります。
(1)冠詞はそう簡単に極められるものではない。私の師匠の1人は「冠詞50年」という格言?をよくおっしゃっていた。これは「我々日本人が、冠詞をネイティブ並に使いこなせるようになるには50年かかる」という意味である。
(2)ここでは冠詞の極々『基本的な考え』のみ記し、細部に関しては記述しない。(スペース的にも知識的にもできない)
(3)このブログのメインターゲットは「大学受験生」。大学受験生として知っておいて欲しいことをメインに説明する。
以上の3点です。よろしくお願いいたします。m(_ _)m
そもそも「冠詞」はなぜあるのか? という根本的なことから考えましょう。日本語にはないですよね。ですが英語にはあります。ここに「言語の特徴」がみられます。
実は
・日本語は、数字(1つか、複数か)を気にしない言語・英語は数字(1つか、複数か)を気にする言語
と言えると思います。ここが冠詞を考える上での1つのキーポイントになります。
ちょっと次の2つの文を比べましょう。
(1)He is a young man.(彼は青年だ)
(2)They are young men.(彼らは青年だ)
(1)と(2)どこが違うでしょうか?
・
日本語は、せいぜい
「ら」が加わったぐらい。
です。しかし
・
英語は
「He ⇒ They」 …大きく変わった
「is ⇒ are」 …大きく変わった
「a ⇒ 消えた」 …大きく変わった
「man ⇒ men」 …大きく変わった
と
4カ所も大きく変わっています。
「彼(単数)」が「彼ら(複数)」に変わると、動詞も変わるし、冠詞も消えるし、その後の名詞も変わってしまうのです。
というか変えなくてはならない。そういう言語なわけです。
英語は「単数か? 複数か?」を常に注意し、それに応じて大きく変化させる必要がある言語なのです。
名詞の頭にあったりなかったりするこの「冠詞」は、この「数字関係」と無関係ではないのです。
そのあたりを1つの手がかりにして、冠詞のお話を今日はしたいと思います。
【a の基本的な役割】
a は、基本的には「1つの」という意味です。もちろんそれくらいはご存じの通りと思います。では、英語ではなぜ
a をつけたり、つけなかったりするのでしょうか?
まずここでは「初めて出くわすもの」を考えます。
例えば「本」を表現することを考えましょう。
「私は本を持っていた」という意味を考えましょう。
日本語なら⇒「本」は「本」で終わりです。
ですが、
英語はそうは行かない。
「1冊なのか、複数なのか」という「数字」が求められます。特に
「初めて話題になっているのだから、それが1つか複数か、大変気になる」のです。それが分からないと、動詞なども困る場合もあるのです(先ほどの例のように)。
ここでは、1冊ということにして⇒「a book」としましょう。
I had
a book.
と1冊を示す数字(a)を入れてあげます。このように
「1つか複数かを分かるようにする」のが英語のルールなのです(※数えられる名詞の場合)。
「1冊」のように
「1つの場合」、その話題で初めて出てくるものは (例外はあるのですが)
ほとんど a になります。これを
「初出 a」と呼びます。
オタク向けですが↓
2:03~に関連記事情報があります。
もし、I had
the book.と言ったら、
その本は既に話題になっていた場合など、「お互い知っている本」を指すわけです。
何度も書きますが、「a」と書いて「1つ」を表さないと、「1つなのか、複数なのか」不安になるのが、英語の基本的な発想なわけです(※数えられる名詞の場合)。
ところで、「最初から、1つか複数か分かる名詞」があることはご存じでしょうか?
例えば I。どう考えたって1つしかない。こういう名詞には a を付ける必要がないのです。
だから、 An I had a book. とは言わないわけです。
ここまでよろしいでしょうか?
ややこしいのは、
数えられない名詞(不可算名詞)の場合です。
英語は「数を気にする」言語です。だから「数えよう、たって、数えら得ない名詞」にも敏感です。
例えば 水(water)。水を1つ、2つ、と数えるのは難しい。いやできません。当然こういう
「数えられない名詞」には a は付きません。(あえて数えるときは a glass of water (グラス1杯の水)のような言い方をします)
だから「私は水を飲んだ」と言いたい場合は
I drank water.
になります。これは
I had
a book. と違い、
a を付けないわけです。「私は本を持っていた」なら「本」には
a が付くけれども「私は水を飲んだ」なら「水」には
a が付かないのです。たとえ初出でも
a を付けられないのです。
以上が、
a の基本的な考え方です。もちろん「
a」にはもっと様々な使われ方や注釈があります。ですが、それはまた別の機会にしましょう。
せっかくなのでここで
1つクイズ。
・次のカッコ内に、a か the かふさわしい方を入れなさい。(いずれの2文も、前に文脈がないとする。要するに初出の場合と考える)
(見知らぬ人に)「本屋を探しているのですが」と言いたい場合
I'm looking for( )bookstore.
簡単かな? でもコメントを待っております。m(_ _)m
次回は the についての基本的な考え方を紹介します。
ではまた来週。
(その2は
こちら)
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