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mouthbirdさんの日記

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2008年
06月18日
01:37 mouthbirdさん

冠詞のお勉強(その1)

こんにちは。最近は日が高いですね。だいぶ熱くもなってきました。
今回から、冠詞についてのお話を書こうと思います。予定では3回シリーズです。


え~と、まず断っておくことが3つあります。


(1)冠詞はそう簡単に極められるものではない。私の師匠の1人は「冠詞50年」という格言?をよくおっしゃっていた。これは「我々日本人が、冠詞をネイティブ並に使いこなせるようになるには50年かかる」という意味である。
(2)ここでは冠詞の極々『基本的な考え』のみ記し、細部に関しては記述しない。(スペース的にも知識的にもできない)
(3)このブログのメインターゲットは「大学受験生」。大学受験生として知っておいて欲しいことをメインに説明する。


以上の3点です。よろしくお願いいたします。m(_ _)m


そもそも「冠詞」はなぜあるのか? という根本的なことから考えましょう。日本語にはないですよね。ですが英語にはあります。ここに「言語の特徴」がみられます。
実は


・日本語は、数字(1つか、複数か)を気にしない言語
・英語は数字(1つか、複数か)を気にする言語


と言えると思います。ここが冠詞を考える上での1つのキーポイントになります。
ちょっと次の2つの文を比べましょう。


 (1)He is a young man.(彼は青年だ)
 (2)They are young men.(彼らは青年だ)


(1)と(2)どこが違うでしょうか?


日本語は、せいぜい「ら」が加わったぐらい。


です。しかし


英語
 「He ⇒ They」 …大きく変わった
 「is ⇒ are」 …大きく変わった
 「a ⇒ 消えた」 …大きく変わった
 「man ⇒ men」 …大きく変わった
4カ所も大きく変わっています


「彼(単数)」が「彼ら(複数)」に変わると、動詞も変わるし、冠詞も消えるし、その後の名詞も変わってしまうのです。
というか変えなくてはならない。そういう言語なわけです。
英語は「単数か? 複数か?」を常に注意し、それに応じて大きく変化させる必要がある言語なのです。
名詞の頭にあったりなかったりするこの「冠詞」は、この「数字関係」と無関係ではないのです。
そのあたりを1つの手がかりにして、冠詞のお話を今日はしたいと思います。


【a の基本的な役割】

a は、基本的には「1つの」という意味です。もちろんそれくらいはご存じの通りと思います。では、英語ではなぜ a をつけたり、つけなかったりするのでしょうか?


まずここでは「初めて出くわすもの」を考えます。
例えば「本」を表現することを考えましょう。


「私は本を持っていた」という意味を考えましょう。


日本語なら⇒「本」は「本」で終わりです。
ですが、英語はそうは行かない。「1冊なのか、複数なのか」という「数字」が求められます。特に「初めて話題になっているのだから、それが1つか複数か、大変気になる」のです。それが分からないと、動詞なども困る場合もあるのです(先ほどの例のように)。
ここでは、1冊ということにして⇒「a book」としましょう。


 I had a book.


と1冊を示す数字(a)を入れてあげます。このように「1つか複数かを分かるようにする」のが英語のルールなのです(※数えられる名詞の場合)。
「1冊」のように「1つの場合」、その話題で初めて出てくるものは (例外はあるのですが)ほとんど a になります。これを「初出 a」と呼びます。
オタク向けですが↓2:03~に関連記事情報があります。



もし、I had the book.と言ったら、その本は既に話題になっていた場合など、「お互い知っている本」を指すわけです。


何度も書きますが、「a」と書いて「1つ」を表さないと、「1つなのか、複数なのか」不安になるのが、英語の基本的な発想なわけです(※数えられる名詞の場合)。


ところで、「最初から、1つか複数か分かる名詞」があることはご存じでしょうか?
例えば I。どう考えたって1つしかない。こういう名詞には a を付ける必要がないのです。
だから、 An I had a book. とは言わないわけです。


ここまでよろしいでしょうか?


ややこしいのは、数えられない名詞(不可算名詞)の場合です。
英語は「数を気にする」言語です。だから「数えよう、たって、数えら得ない名詞」にも敏感です。
例えば 水(water)。水を1つ、2つ、と数えるのは難しい。いやできません。当然こういう「数えられない名詞」には a は付きません。(あえて数えるときは a glass of water (グラス1杯の水)のような言い方をします)


だから「私は水を飲んだ」と言いたい場合は
 I drank water.
になります。これは
 I had a book. と違い、a を付けないわけです。「私は本を持っていた」なら「本」には a が付くけれども「私は水を飲んだ」なら「水」には a が付かないのです。たとえ初出でも a を付けられないのです。


以上が、a の基本的な考え方です。もちろん「a」にはもっと様々な使われ方や注釈があります。ですが、それはまた別の機会にしましょう。


せっかくなのでここで1つクイズ
・次のカッコ内に、a か the かふさわしい方を入れなさい。(いずれの2文も、前に文脈がないとする。要するに初出の場合と考える)
(見知らぬ人に)「本屋を探しているのですが」と言いたい場合
 I'm looking for(  )bookstore.
簡単かな? でもコメントを待っております。m(_ _)m


次回は the についての基本的な考え方を紹介します。


ではまた来週。


(その2はこちら
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コメント

1番~14番を表示

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2008年
06月18日
02:28
さん

1:

hada のコメント:
ちょうど冠詞についての日記を書こうとしていたところでした。 冠詞は a/an/the のどれかしかつかないなら、まだいいんだけど、何もつかない無冠詞が出てくると混乱しまくりです。 混乱の原因はやっぱり不可算名詞だろうなあ。

2008年
06月18日
03:37
さん

2:

mana.k のコメント:
冠詞はスゴク難しいですよね。。。

ブログを英文で書いているので課題です。



>I’m looking for(  )bookstore.



この問題なんですが、どうなんでしょう?

前アメリカ人の友人に聞いたのですが、町に1つしかないもの、例えば駅などには

いつでもThe を使うと聞いたことがあります。。。

この問題も当てはまるのかな?

2008年
06月18日
03:50
mouthbirdさん

>hadaさん

冠詞の日記楽しみにしています。無冠詞もあるからややこしいですよね。なお今回のシリーズでは無冠詞については取り上げない予定です。ホントは取り上げた方がいいのかもしれないのですが、長くなってしまうので。



>mana.kさん

町に1つしかない、それを探しているということががお互い分かっていれば the でしょう。(この辺は次々回話します)

しかし、そうでなかったら、どうしますか?

2008年
06月18日
04:04
さん

4:

StPaul のコメント:
Mana.k san,

>I’m looking for(  )bookstore.



My thinking procee.

1. Bookstore is countable. So I need some article before 'bookstore.'

2. Both 'a' and 'the' are OK.

I'm looking for a bookstore. (本屋ならなんでもいい。不特定)

I'm looking for the bookstore. (決まった特定の本屋。たとえば友人にいぜん教えてもらった本屋とか。)

アメリカ人の友人が言われたのは、町に1つだから、本屋と言えば、お互いあれだと分かる(特定できる)場合を言っています。





文法の知識は、書いたり、話したりするときには、必須です。

英語で書いた経験のある人はお分かりだと思いますが、冠詞の最も難しいのは

”冠詞が付くか?付かないか?です”

Have a nice day.



St. Paul

2008年
06月18日
05:57
さん

5:

xaky のコメント:
Marisa stole a precious thing
やっぱりタメになりましたかw
マウスバードさんとこのチャンネルの受講生の皆さんのことを考えて入れましたから、
よかったです。

2008年
06月18日
07:24
mouthbirdさん

>St. Paulさん

無冠詞も難しいですね。予定では今回は無冠詞の話はしないつもりなのですが、もしかしたら触れるかもしれません。



>xakyさん

>マウスバードさんとこのチャンネルの受講生の皆さんのことを考えて入れましたから、

え? ホント? 

xakyさんの昨日の日記にあったこの動画の"Marisa stole a precious thing "の文を見て、 「これは今度のブログのテーマにちょうどいいから、動画をブログの中に入れてしまえ!」と思いつきました。 (このブログの原稿は3日前に製作したのです) つくづく「タイミングがいいものだ」と思いました。

偶然だと思ったのですが、必然だったのかあ~www ありがとうございます。m(_ _)m

2008年
06月18日
13:15
さん

7:

kaike のコメント:
この場合、
I’m looking for a bookstore.
だと、思います。
できたら、無冠詞の話もしてほしいです(^^)

2008年
06月18日
14:45
hiromidukiさん

冠詞は英文を書くときに、いつも悩みます。定義がたくさんありすぎて、なかなか覚えられず、感覚で決めたりすることもあったりして・・・。なので、ぜひこのブログを参考に、冠詞の理解を深めたいと思います!



クイズの答えですが、今回の場合は初出の文で、見知らぬ人に、ということなのでa bookstoreだと思います。

2008年
06月18日
14:54
さん

9:

HARUTI のコメント:
a については、「一つの」という視点ですが、あまり前面的に「一つ」という意味がつかないことが多いようですね。もちろん内容的には、「一つの」です。でも、これで終われば、冠詞は楽です。ここからが大変ですね。

a は、「同種の・同じグループに属する」という意味が出てくるそうです。

有名なことわざは、

Birds of a feather flock together.

このa feather は、「同じ種類の羽=同種のグループに属するもの」という意味ですね。そこから解釈すれば、

He is a student at this university. = He is one of the students at this university.

の a student も、「学生というグループの一人」という解釈が生まれます。



今回も、見知らぬ土地で、見知らぬ人に書店を尋ねる場合は、

I'm looking for a bookstore.

で、「本屋というグループに属する店を探している」ですから、 a が正解と思います。



station に the がつくのは、公共の建物で、「みんなのもの」という共通認識があるので、いわゆる「初出」でも、



I want to go to the station. となります。

駅を探しているときは、、

I'm looking for a station.

となっても良いと思いますが、「~へ行くための駅」となりますと、the がつくと思います。



I really want to go to Suidobashi by train. Where is the station?



でも、冠詞はここからがさらに複雑の一途をたどるので、冠詞ばかり考えると、本当に気が遠くなります。

2008年
06月18日
16:14
さん

10:

chinguruma のコメント:
数年前外国人の友人に、日本人が英語を使う場合、冠詞の誤りが多いのが気になると言われ、その後、自分では意識しているつもりですが、・・・。連載を楽しみにしています。

2008年
06月19日
16:21
さん

11:

yokokun のコメント:
 I’m looking for( a )bookstore.  だと思います。単純に考えて。

上記の数々のコメントを読んで、「the」の場合もあるのかなと考えてみました。
例えば 「電話予約した本を、買いに行く場合」は、特定の本屋だから「the」になるかも・・・
でもやっぱ、見知らぬ人には、まずは、「a bookstore」と言ってから、
次に「the bookstore」がくると思います。

「初出a」の法則(?)からして答えは( a )!

ここでまた、冠詞のことをハッキリ記憶に残し意識づけようと思います。
3回シリーズ楽しみにしています。

2008年
06月20日
07:04
さん

12:

Potter のコメント:
前に文脈がなく初出で、見知らぬ人に言うのだから、クイズの答えは、

I'm looking for a bookstore. だと思います。

逆にお尋ねで恐縮ですが、

Harry Potter and the Deathly Hallows の447ページ1行目の

Harry's feet touched road. の文で road は加算名詞のはずなのに、なぜ無冠詞なのか分からず、何ヶ月も悩んでます。(なにかイディオムでもあるのかと)

2008年
06月20日
08:29
さん

13:

mashiko_h のコメント:
>(あえて数えるときは a grass of water (グラス1杯の水)のような言い方をします)





→ a glass of water では。

2008年
06月20日
09:10
mouthbirdさん

>kaikeさん

はい。ありがとうございます。無冠詞どうしようか…考えておきます。



>hiromidukiさん

はい、お役に立てば嬉しいです。よろしくお願いいたします。



>HARUTIさん

はい、ありがとうございます。the が付くかもしれない示唆もありがとうございます。



>chingurumaさん

冠詞は日本語にないから間違って当たり前だと思います。間違いをそれほど気にしなくても良いと思いますが、基本は抑えたいと思っています。



>yokokunさん

はい、ありがとうございます。冠詞の基本を抑えていただければと思います。



>Potterさん

はい、ありがとうございます。

>Harry's feet touched road.

難しいですね。推測の域を出ないのですが、「本来の目的・機能を表す名詞」は無冠詞で使う、というルールの延長ではないかと思います。

例 go to bed (特定のベッドに行くわけではない)⇒寝る

  set sail (出航する) catch fire (火をつける)

上記のような例は、一種慣用表現ではあるのです。しかしこの感じで無冠詞で使われているような気がします。

touch road で「道に触れる」というニュアンスで使われているのではないかと思います。



>machko_hさん

Σ( ̄□ ̄)! しまった、直します! grass ⇒ glass に!

_| ̄|○



え~と、私の出題した問題に答えてくださった皆様どうもありがとうございました。

m(_ _)m

こちらが想定していた答えは「a」です。皆様大正解!(^^)



理由は、お互いまだ知らない「本屋」を、それも1件だけ探しているわけだから、初出の a になるためです。



ただし、例外もあります。



その付近が田舎で、どう考えてもその辺りには1件しか本屋がありそうにない場合は the でもいいのです。

実際、アメリカなんかは都市でなければ、本屋は少ないのです。

もし、とんでもなく「ド田舎」なところで

“ I’m looking for a bookstore.”

と言ったら、言われた方は、「おいおい、この町に他に本屋があると思ってるのかよ?」と思うかもしれません。

そういう場合は、たとえ 初出でも the のほうがふさわしいのです。

このあたりは、次回、次々回で関連したお話をさせていただきます。

お楽しみに! m(_ _)m

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