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未来を表す時制(その3)(解答編)
今週は、先週(問題編)の解答編です。
実は先週の問題編の最後にいただいたコメントを見てびっくりしております。
「tdmintonさん」と書かれているではないですか! Σ( ̄□ ̄)!
この問題は、参考出典元を「ここがおかしい 日本人の英文法 T.D.ミントン著 安武内ひろし訳 研究社」とさせていただいています。
いただいたコメントの内容を見ると、ご本人さまではないかと考えられます。Σ( ̄□ ̄)!
このコメントを踏まえ、<(※あくまで ミントンさんの意見)>などの表記は消させていただきました。
いただいたコメントを踏まえつつ、解答編をお送りいたします。
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問題1
次の空欄に、最もふさわしくないのはA~Cのうちどれか?
Ken: Shall we ask Tom to come along with us tonight?
Joe: No. ( )
A:He’ll go to bed early tonight.
B:He’s going to bed early tonight.
C:He’s going to go to bed early tonight.
正解:A
では今回の場合はどうか?
「トムが今晩いっしょに行くか誘ってみようか」と聞いた返事で、
「今晩必ず早く寝るだろうよ」とここまでの確信を持って言うのは、この状況では難しいという具合です。
もし、何らかの事情でトムが今晩早く眠るつもりがあることを知っていれば、返事は
B:No. He’s going to bed early tonight.
C:No. He’s going to go to bed early tonight.
となるはずです。もし、どうしても will を使いたいなら、probably などの修飾語つけて断定の意味を和らげるほうが安全とミントンさんはおっしゃっています。
そして、例えば
No. He'll probably go to bed early tonight: he usually does on Sundays.(いいや、たぶん彼は今晩早く寝るよ。だって、日曜日はたいていそうしているから)
といった修飾が後ろに付くはずだそうです。
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問題2
次の英文の訳例として、よりふさわしいほうはA・Bのどちらか?
・Students will wear uniforms at all times.
A:生徒は常に、制服の着用をお願いいたします。(へりくだった丁寧な言い方)
B:生徒は常時、制服を着用のこと。(ぶっきらぼうで命令的)
正解:B
「命令を下す文に will+原形動詞」が使えるようです。これは上の問題1でやった「予測の will」の延長ラインにあるもののようです。つまり「他人の行動に断定的な予測をしている」という形なのです。つまり他人に権威的に「予測を実現するように強制」している感じなのです。
ミントンさんは「きわめて形式ばった命令口調であって、くだけた会話には不適切である」とおっしゃっています。
※この問題ですが、tdmintonさんから「意見ではなく、一般に周知されている使い方です」とコメントいただきました。
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問題3
AチームとBチームがサッカーの試合をしています。Aチームが3対0で勝っているとします。
そして、あと1分で試合終了という状況です。このとき、
「Aチームの勝ちだな」
と言う場合、適切なのは、次のどちらでしょう?
A: Team A will win.
B: Team A is going to win.
正解:B
これはその2(解答編)の問題3でやりました。
「現在の状況から考えて未来に起こることがほぼはっきりわかっているとき…は be going to」なのです
【そうなる決定的な要素がある場合】は、「外れる可能性をみとめない will 」よりも「be going to」になります。
今回はどうしたって、あと1分じゃ、Aチームが勝つでしょう。したがって、be going to になります。
ただもし will を使えば「勝たない可能性があるよ」という意図を示すようです。
今回は、普通に考えて、Aチームが勝つでしょうから、正解はBとさせていただきます。
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問題4
次の英文の意味を汲み取った文として、ふさわしい日本語はどちらでしょう?
・Will you be quiet?
A:恐れ入ります、少々静かにしていただけますか?
B:うるせーぞ! てめえ! 静かにしやがれ!
正解はB。
この問題ですが、まずお断りをさせてください。m(_ _)m
tdmintonさんから↓コメントをこのようにいただきました
「私が書いたものをひどく大げさにしたものです。この英語訳例は、私の意見ではありません」
とコメントいただきました。
実際この(訳例B)は私が作った意味を汲み取った文です。その意味で大変失礼致しました、申し訳ありませんでした。
原文は以下のとおりです↓
>先生が Will you be quiet? (静かにしてくれるか?)と言ったときには、実際には、Shut up you little ×××! (うるさいぞ、この悪がき)の意味であることを、英国の小中学生はみんな知っています。
この説明文の手前には、「人にものを頼む場合の Will you ~? についての説明」が↓こうあります。
>このかたちは、みなさんがおそらく思っているよりもはるかにぞんざいな言い方です。
したがって、 「will は人にものを頼むときに使えるが、ぞんざいな言い方である」と言えると思います。
※ただ、私はかつて、あるアメリカ人に「Will you ~? 」がぞんざいかどうか聞いたことがあるのです。そのときの彼の意見は「No.(ぞんざいではない)」というものでした。イギリス英語とアメリカ英語の違いでしょうか? ど、どうなんだろう? 疑問に思っています。
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問題5
次の空欄に、ふさわしいのはA・Bのうちどちらか?
Ken: Would you send me a postcard from London?
Joe: ( )
A:Yes, I will. I’ll send you one as soon as I get there.
B:Yes, I would. I would send you one as soon as I get there.
正解:A
Would you ~ ? 「~してくれませんか?」と頼まれた返事としては、I would は使えません。
肯定の返事は will ~、否定の返事は won’t ~ を使います。
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問題6
次の空欄に、最もふさわしいのはA~Cのうちどれか?
Ken: Let’s go out for dinner.( )
Joe: Really? Thank you.
A:I’ll treat you.
B:I’m treating you.
C:I’m going to treat you.
正解:A
Ken は「ディナーを食べに行きましょう。私がおごりますよ」と言いたいわけです。
頼まれるより先に、進んで何かをしてあげるようなとき、つまり申し出の時に will が使われるのです。
伝統的な日本の英文法ならこれは「意志の will」と言っている用法の1つだと思います。
Bであったら、現在おごっている真っ最中になってしまい、未来の予定は表しません。続きに未来を表す修飾語句がないからです。
Cは「おごる予定である」とすでに予定にしている表現で、これはおかしいと思うのです。自分の「予定」を相手に伝えるのではなく、自分の「申し出の意志」を相手に伝える必要があるように思います。、、、しかし、richeさんから[ニュアンスは異なりますが、C も可のように思います]とのコメントいただきました。私には分からないので、ご意見をいただければと思います。
m(_ _)m
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問題7
次の日本文の英訳例として、最もふさわしいのはA~Cのどれか?
「ごめんなさい。今後はもう少し慎重にやります」
A: Sorry. I’ll be more careful next time.
B: Sorry. I’m being more careful next time.
C: Sorry. I’m going to be more careful next time.
正解:A
約束をするときにも will は使われます。
B はあきらかに違います。ここの問題2でやったように、未来の予定で be 動詞の進行形は使えないのです。
C は、今後はもう少し慎重にやる予定ですとなります。これは少し変だと思います。
ここでは、慎重にやるという「約束」をしないとおかしくないでしょうか?
この will は伝統的な日本の英文法なら「意志の will」と言っている用法の1つで「そうする」という意志を示すシーンだと思います。
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問題8
次の日本文の英訳例として、最もふさわしいのはA~Cのどれか?
「財布をよこせ。さもないと殺すぞ」
A: Give me your wallet or I’ll kill you.
B: Give me your wallet or I’m killing you.
C: Give me your wallet or I’m going to kill you.
正解:A
実はすぐ上の問題7と似ています。問題7は約束でしたね。これもそれに近くないですか?
「さもなければ殺す!」という「約束」ですw (約束というよりは脅しですが)
こんな場面で、悪党が「殺すぞ!」と約束?を示さなかったらおかしいですよね。
つまり、脅すときは will を使うわけです。
ミントンさんは「この場合で、be going to や 進行形は使わないと断言してもいい」とおっしゃっていました。
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実はミントンさんのこの本では、もう1つ紹介しています。
それは挑戦の will という使い方です。
<例>
I'll raise you $100.
(さらに100ドル賭けます(ポーカーのとき)
これは、問題6の「申し出」、問題7の「約束」、に近い感じがしないでしょうか?
などの場合、will が使われるという具合のようです。
以上、3回にわたって未来のことについての表現を紹介してきました。いかがだったでしょうか?
今回の原書「ここがおかしい 日本人の英文法 T.D.ミントン著 安武内ひろし訳 研究社」には、これ以上の情報が満載です。
今回は未来のことに関する説明でしたが、完了形についても詳しく書かれています。以前のコメントにもありましたが、完了形を苦手にしている英語学習者は非常に多いと思います。
現在形についても詳しいです。個人的には現在形が1番難しいと思っていますが、この本で怖くなくなりました。
もちろん時制だけではなく、いろいろな文法事項に触れています。気になったかたはぜひご購入の上、お手元に置かれてはいかがでしょうか? きっと役に立つと思います。
リンク:その1解答編 その2解答編 その3問題編
次回ももちろん、水曜日の更新です。
次回は「問題編」ではなく、(とある)問題集? を皆様に解いていただく予定です。(意味が分からないと思いますが、申し訳ありませんが我慢してください。来週分かります)。
きっと来週は面白いはずです。
ぜひ皆様のご意見をいただきたいのです。
どうぞよろしくお願いいたします。m(_ _)m
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