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mouthbirdさんの日記

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2018年
09月05日
15:56 mouthbirdさん

副詞ですが…(解答編)

smart.fm で更新してきた、旧チャンネルブログの文法問題をお届けします。
今週は解答編です。

チャレンジ並びにコメントありがとうございました。思いのほか 3 の問題が物議を醸しだしてしまいました。3は単純なルールと思っていましたが、そうではないようです。困りました。皆さんと一緒にしっかり考えようと思います。

では、解答と解説に参ります。


問題:文中の(   )内から正しいほうを選びなさい。

1・We got home(late, lately)in the morning.

解答:late
解説:late も lately もともに副詞があります。
 late は副詞ならば「遅く」という意味が基本です。でも「(ある期間の)終わり近く」という意味があります。
 例えば late in life は⇒「人生の終わり近く」⇒「晩年」…といった具合です。

一方 lately は副詞しかありません。基本的に「最近」という意味で、もっぱら現在完了形で使われます。
例文
 Have you seen him lately?(最近彼に会いましたか?)<例文出典:ジーニアス英和辞典>

本問であれば、late in the morning にして「午前中の終わり近く」という意味にするのが適切でしょう。
(問題文の訳例:我々は午前中の終わり近くに家に着いた)

----
2・I was(pretty, prettily)happy living in San Francisco.

解答:pretty
解説:間違いのほうの選択肢の prettily は「きれいに」とか「行儀よく」という意味の副詞です。これを当てはめたら、「きれいに幸せだ」とか「行儀よく幸せだ」になってしまう。
一方 pretty は「形容詞」で「かわいい」という意味だが、「副詞」なら「かなり」という意味がある。これなら「かなり幸せだ」で問題がないだろう。
(問題文の訳例:私はサンフランシスコに住んでかなり幸せだった)

----

3・Our town was(very, much)damaged by the typhoon.

解答:much

解説・あまりいい問題ではなかったようです。

まず、この問題集についていた解説をそのまま書くとこうあります。→「過去分詞を修飾する場合は much を用いる」←これだけです。
この説明に近い説明があるwebページを見つけました。
https://www.makocho0828.net/entry/very-much-180218
↑このページには
↓このような説明部があります。例文も be much damaged を使ったものでした。

> 一般動詞を「過去分詞」として使った「受け身(受動態)」の場合はmuchを使って修飾します。
>
> 例
> The village was much damaged by the earthquake.
> 「その村は地震で大きな被害を受けた」

 ↑ここのページの説明では、形容詞化した過去分詞なら通常 very だが、そうでない完全な受動態だと much である、としています。

単純に用例を調べてみました。

単純に "was much damaged by" で用例検索すると 15,800件ヒットしました。使われないことはないようです。

一方 "was very damaged by" の用例検索だと5,250件ヒット。用例自体はあるようです。

よって、very も使われないこともないでしょうが、どちらかを選べと言う問題なので much を正解といたします。

=========

【考察】

↑上を踏まえれば「受動態なんだから very ではなくてmuch」でおしまいです。でもどうも引っ掛かりますね。そこでこの部分をもっと考察しましょう。

まず辞書ではどのように説明されているでしょうか? ジーニアス英和辞典で much を調べると、次のようになっていました。

>---
[副] [過去分詞を修飾して]とても、ひどく、大変
<中略>
We have been much helped in work by Mr. Brown. この仕事ではブラウンさんに大変援助を受けました。
[語法]
(1)肯定文では通例好ましくない意味合いの語(distressed, confused, annoyed など)と連語するが、これらの語は very, very much とも連語し、むしろその方が much との連語より多い。I was much pleased by what I saw. のように好ましい意の語と連語するのは不自然で very を用いる。否定・疑問文ではこの不自然さはない。I was not much pleased ... / Were you much pleased by ...?
(2)形容詞化した過去分詞にはその意味に関係なく very: I am very interested in collecting stamps. 切手の収集に大変こっています。<後略>
>---<引用ここまで>

 ジーニアスにある[語法]を踏まえれば「damage は好ましくない意味合いがあるので、very が使われないこともない」のかな、と思いました。でも damaged は形容詞化したものではないので、much のほうがふさわしい、と考えるべきなのかと考えています。


================


================

ここまでは very か much かという話でした。ここからは、「much だとしても、much はあまり使われないのではないか?」という話題に移ります。

単純に用例検索をしてみます。
"was severely damaged by"  214,000 件

"was seriously damaged by"  64,000 件

"was heavily damaged by"  153,000 件

↑これらは much よりはるかに多いですね。much は15,800件ですから。ここまではっきり差がつくと、damaeged を使っていたこの問題文は very か much かを区別させる問題としてはよくなかったと思わざるを得ません。申し訳ありませんでした。

ご意見・ご指摘を下さった、 neginohanaさん、Blauer Himmelさん、luminさん、大変ありがとうございました。

問題編
http://q-eng.com/diary/21526

出典
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コメント

1番~6番を表示

2018年
09月06日
00:30
エリオットさん

Our town was(very, much)damaged by the typhoon.

確かに紛らわしい問題ですね。
by動作主(by the typhoon)があるのでやはり受動態の意識が強い感じがします。
そうすると述語動詞を修飾するということでmuchだろうという予測はつきます。

また「多くの損害を受けた」というのは「状態」でなく「動作」です。
過去分詞が「動作」から「状態」へと意味が変化していくと形容詞化すると思います。
そうなるとveryの出番になります。muchは動詞、過去分詞を修飾し、veryは形容詞、現在分詞を修飾するという役割分担です。

それにしてもこんな区別にどんな意味があるのでしょうかね。おそらくnativeの方も紛らわしく感じているでしょうね。予備校生を指導している者にとっては少々意地悪な問題です。

とはいえ、やはり区別する意味はあるんでしょうね。そもそもveryは形容詞・副詞を強調する語で、muchは程度を示す語ですから、同じようには使えないと思いますが。

辞書を見ていたらmuch differentが出てきました。どう解釈したらよいのか。differentは比較を表す形容詞だと考えれば解決つきました。比較級はmuchで強調できますから。こんな風に考えるとdifferent than, different toも納得がいきます。

以上、乏しい知識から私見を述べさせてもらいました。大変勉強になります。

2018年
09月06日
11:39
mouthbirdさん

>>1 エリオットさん
> by動作主(by the typhoon)があるのでやはり受動態の意識が強い感じがします。
> そうすると述語動詞を修飾するということでmuchだろうという予測はつきます。
なるほど! そう考えることができますね!

ただ、luminさんがネイティブに問い合わせて調べてくださったところによると、(luminさん、ありがとうございます)
 The typhoon much damaged the town. ←これはだめだそうです。受動態ならmuchでも許容範囲のようです。不思議ですね。

> 辞書を見ていたらmuch differentが出てきました。どう解釈したらよいのか。differentは比較を表す形容詞だと考えれば解決つきました。比較級はmuchで強調できますから。こんな風に考えるとdifferent than, different toも納得がいきます。

形容詞でも much で可能な場合もあるんですね。このあたりは複雑ですね。おっしゃるように 比較級の強調と同じと考えれば much で行けそうですね。

コメントありがとうございました。またのお越しをお待ちしています。

2018年
09月07日
02:23
エリオットさん

>The typhoon much damaged the town. ←これはだめだそうです。

肯定文だからmuch単独ではだめで、very muchとしなければならないと思います。疑問文や否定文ならmuch単独でいいと思いますが。
I like coffee much.とはふつう言いません。I like coffee very much.と言います。

The typhoon damaged the town very much.ならOKです。

上文を受け身にすると
The town was (very) much damaged by the town.となります。この場合、veryは省略可能です。

2018年
09月07日
02:28
エリオットさん

The town was (very) much damaged by the town.
訂正→The town was (very) much damaged by the typhoon.

失礼しました。

2018年
09月07日
02:54
さん

5:

google で検索して、「何件」というのには、異論があります。

日本人の書いた英語が含まれているからです。
damaged は、形容詞化しているわけではないので、「過去分詞」だ、だから、much だと単純に考えて書くのでは。

件数が 多い、少ないは「あて」にしない方がいいと思いますけど。


much different or very diffrent について

dif.fe.rent /'dIffrEnt/
adj
1 [(from, than, to)] unlike; not the same or of the same kind
Mary and Jane are very different (from each other).
She looks different with her hair short.
                         Longman Interactive American Dictionary

much diffrent は、約30冊の辞書を調べましたが、ヒットしません。(google 検索とは違います)

very different
*as different again
《口》 まったく異なる, えらい違いだ (very different) 《通例 良いほうに異なるというニュアンスを伴う》. 研究社 リーダーズ+プラス

2018年
09月07日
04:12
mouthbirdさん

>>3 エリオットさん
なるほど! very much になるのですね! それなら納得できます。ありがとうございました。


>>5 Blauer Himmelさん
> google で検索して、「何件」というのには、異論があります。日本人の書いた英語が含まれているからです。

Blauer Himmelさんは、googleの例文検索でヒットする件数のうち、何%が(日本人を含む)非英語ネイティブの書いた英文ページだとお考えなのでしょうか? 全体の件数が極端に少ないならばともかく、1000件以上であればほとんど無視できるレベルだと思うのですが。私は99.%以上、圧倒的に英語ネイティブが書いた英文がヒットすると思っているのですが。

ちなみに
"was much different"でgoogle検索すると 1,460,000 件出てきます。


中には↓こんなページもありました。
much different, very different, a lot different.
https://thegrammarexchange.infopop.cc/topic/much-differen...

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