今日からは「
未来完了形」に話が移ります。「
未来完了形」はすべて「
現在完了形」がベースになっています。なので、
現在完了形が理解できてないと話になりません。慌てず現在完了形を理解したい方は
こちらから読み直してください。
現在完了形は大丈夫ですか? 大丈夫な方だけ次に進みます。
●概念図の比較
例によって、概念図から行きます、
まず、慌てず「現在完了形」の概念図から確認しましょう。
<現在完了形の概念図>
↑こうでした。
この概念図のような
赤い帯をイメージする場合は「
現在完了形」です。
では、それにたいして
未来完了形はどうか? ↓こうなります。
<未来完了形[継続]と[経験]の概念図>
↑こうなります。こちらにも赤い帯があります。ではこの
両者の違いはどこでしょうか?
実は「
赤い帯の右端」です。
現在完了形は
↑このように「
右端が【現在】」になります。
一方、
未来完了形は
↑このように「
右端が【未来の一点】」になります。
過去完了形は右端が【過去の一点】でしたね!
未来完了形は
右端が【未来の一点】になったのです。
●ここでワンポイント!
未来完了形が苦手な人はいらっしゃいますか?
未来完了形が苦手な人は、おそらく「赤い帯の右端が【未来の一点】」であるほうは大丈夫だと思います。違うところが苦手なはずです。
右ではない! 未来完了形が苦手な人は「
赤い帯の左端」
が苦手だと思います。
●左端(右端ではない)が過去であることが
未来完了形[継続]と[経験]では大事
(
注意! 実は未来完了形でも
[完了・結果]の場合、左端は
現在あるいは未来になってしまう・次回解説します)
未来完了形[継続]の場合
「
赤い帯の左端」は
過去に存在するのです。
未来完了形[継続]は
【過去→現在→未来】の全ての地点を赤い帯が通過します。未来完了形[継続]は「赤い帯の
右端」が現在から未来に移動しただけ…なのです。ですが
未来完了形が苦手な人は、右端のついでに
赤い帯の左端も移動してしまうように感じるようです。
未来完了形の赤い帯の左端は、ほかの完了時制と同じように過去にあります。しかし
未来完了形が苦手な人は赤い帯の左端が過去ではなく、現在か、未来にあるように思ってしまうようです。
この概念図の「
赤い帯の右端」ももちろん大事です。「
赤い帯の右端が【
未来の一点】である」と「カッチリ決まっていない」場合は、未来完了形は使えないのです。
「【未来の一点(より前の話だ)】」がカッチリ定まっていれば、
未来完了形を使わなければなりません。
========
★
未来完了形[継続]は
現在完了形[継続]の
右端を「
現在」から「
未来の一点」に
移しただけ
●<
未来完了形[継続]>
「
現在完了形」をベースにして考えるので、まずは<
現在完了形[継続]>を確認しましょう。
・確認【
現在完了形[継続]】
I
have lived in Tokyo for ten years.(私は10年間東京に住んでいる)
概念図
↑これをベースにして変化させます。【
未来完了形[継続]】に変化させましょう↓こういう英文になります。
・
未来完了[継続]の英文
Next month I
will have lived in Tokyo for twelve years.(来月になると私は12年間東京に住んだことになる)
will have+過去分詞 になっているところを「
未来完了形」と言います。have+過去分詞の手前に
will がついて
未来時制にしています。
概念図
この↑概念図の「
赤い帯の右端」に着目してください。
・
現在完了形は「
赤い帯の右端」が「
現在」
・
未来完了形は「
赤い帯の右端」が「
未来の一点」
という違いなのです。
●
[継続]の場合では「
赤い帯の左端」は
両者とも「過去」であることは、未来完了形が苦手な人はしっかり認識してください。
未来完了形の英文の例文↓
Next month I
will have lived in Tokyo for twelve years.(来月になると私は12年間東京に住んだことになる)
この英文には
Next month (来月)
という部分がありますね。
来月はまだ来てないので
未来を想定しています。つまり「
Next month」が「
未来の一点」なわけです。
この「
未来の一点(来月)」
より前で「
過去からの話」を表現する場合、「
未来完了形」を使うわけです。つまりこの英文は「
来月になれば、過去から来月にわたって、12年間東京に住んでいたことになる」という意味です。
●ここでまたワンポイント!
未来完了形[継続]の場合、
未来の一点は「節」があまり
ない
この例文もそうですが、
未来の一点は「when~」のような節ではありません。next month で表されています。未来完了形[継続]の場合の例文を調べると、
未来の一点が節である場合があまりありませんでした。tomorrow, や next April といったような副詞(句)がほとんどでした。でもこちらで見つけた「
未来の一点が
節で表されていた例文」を念のため挙げておきます。
By the time my father retires, he will have been employed by the company for almost forty years.(父は退職するまでに、その会社に40年間務めることになる)
by the time が群接続詞(~するときまでに)です。なおこの by the time の節には will をつけてはいけません。理由は「時・条件を表す副詞節は、未来のことでも現在時制」というルールが適用されるからです。
以上が
未来完了形[継続]でした。
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●<
未来完了進行形[継続]>
現在完了形[継続]と、
現在完了進行形[継続]はどのように使い分けるか覚えていらっしゃいますか?
・述語動詞が「
状態動詞」で継続を表す場合→現在完了形
・述語動詞が「
動作動詞」で継続を表す場合を表す場合→現在完了
進行形
と使い分けるのでしたね。詳しくは
こちら
未来完了形[継続]と未来完了進行形[継続]の使い分けも、現在完了形[継続]と現在完了進行形[継続]の場合と
全く同じです。
★『
未来の一点』が示されて、
『その時点』の前までの話であるならば
・述語動詞が「
状態動詞」で継続を表す場合→未来完了形
・述語動詞が「
動作動詞」で継続を表す場合→未来完了
進行形
と使い分けるのです。
「
現在完了進行形」を
ベースにして考えるので、まずは<
現在完了進行形[継続]>を確認しましょう。
・確認【
現在完了進行形[継続]】
Ken
has been doing this puzzle for two hours.(ケンは2時間このパズルをしている)
概念図
これ↑をベースにして変化させましょう。これを【
未来完進行形了[継続]】すると↓こういう英文になります。
・
未来完了進行形の英文
At noon Ken
will have been doing this puzzle for three hours.(正午にはケンは3時間このパズルをしていることになるだろう)
will have+been+~ing になっているところを「
未来完了進行形」と言います。haveやhasではなく
will have という
未来時制になっていますね
概念図
この↑概念図の「
赤い帯の右端」はもちろん「
未来」。
・
現在完了進行形は「
赤い帯の右端」が「
現在」
・
未来完了進行形は「
赤い帯の右端」が「
未来の一点」
という違いなのです。
未来完了進行形の英文の例文↓
At noon Ken
will have been doing this puzzle for three hours.
この英文には
At noon (
正午に)
という部分がありますね。
つまり「
At noon」が「
未来の一点」なわけです。
この「
未来の一点(正午に)」
より前の話を表現する場合、
doが動作動詞なので未来完了形ではなく、「
未来完了形進行形」を使うわけです。この英文は「正午までケンはずっとパズルをしているだろう」という意味になります。
●またしてもここでワンポイント!
この「
未来完了進行形」(will have been ~ing)は実際はあまり目にしないようです。例えば私が頼りにしているロイヤル英文法には
未来完了進行形の例文が載ってないくらいです。ちなみにforestにはありました。(で、Forestには
未来完了進行形を使う場面はあまりない、と書いてあるわけですが)
以上が
未来完了進行形[継続]でした。
以上のように、未来完了形[継続]では
next month
at noon
のような部分があります。ともに
未来の時点の話ですね。こうした部分を、未来完了形(未来完了進行形)では、「
未来の一点」と呼びます。未来完了形[継続]では「
過去から現在を通りこして未来の時点」の話をしているのです。
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今回はここまで。来週は未来完了形[完了・結果]をやります。
金曜日の夜11時からはいつものニコ生英文法講義。この話の続きは来週の
月曜日です。
(↓目次はこちら)
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