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neginohanaさんの日記

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2017年
07月03日
12:31 neginohanaさん

The mammoth Hunters (洋書)

 これはオーディオブックのみで聴いた。

 もちろん翻訳は過去に2回読んであるので、だいたいの内容は覚えている。

 1.2倍速ぐらいに録音されたものらしく、ちょっと速かったが、なんとかついていけた。もっとも、同じところを3~4回ずつ納得の行くまで繰り返し聴いたからだ。それでも、よくわからないところは諦めて流した。

 朗読はこのシリーズずっと同じSandra Burrさんで、本当に素晴らしい。何人もの声色を適度に使って、とてもわかりやすく、感動的に読んでくれている。まさしくドラマという感じ。それでも大袈裟すぎないので、物語にスーッと入っていける。

(前作)シリーズ第2作 http://q-eng.com/diary/19789

 内容は、エイラとジョンダラーが馬の谷から小旅行に出かけたところでマムトイ族に出会い、彼らと共に過ごすことになるほぼ1年間の話。エイラにとってジョンダラーは唯一の自分と同種の人間(クロマニョン人)だったが、ここで初めて人間社会にデビューすることになる。

 ネアンデルタール人を「flat head 平頭」と呼び、卑しい獣扱いする人間たちに、エイラは決して迎合することなく、自分を育ててくれた彼らも言葉を持ち愛情豊かな人間であるとはっきり主張する。エイラはすごい。それに対して、情けないのがジョンダラー。できればエイラに出自を隠して欲しいと思っている。 この辺りが、差別と戦う難しさかもしれない。

 博物館で「ラスコー展」を見た時、ネアンデルタール人とクロマニョン人の復元像があった。確かに現代人とほとんど同じに見えるクロマニョン人に対して、ネアンデルタール人はちょっと違った。それでも、猿とは程遠く、どう見ても人間にしか見えなかった。 おそらく、クロマニョン人だってそれはわかっていただろう。でも、自分より下等な人間として見下していたんだと思う。

 マムトイ族の中での人間模様、特にエイラに心を寄せるレイニックはかわいそう。エイラとジョンダラーのすれ違いの隙間に入り込んで結婚の約束を取り付けたものの、エイラの本心は分かっていたに違いない。他の人にもそうだっただろう。どうして誰も止めなかったのか。

 ジョンダラーはだらしない、の一言。本当にエイラを愛しているのなら、プライドも捨てて自分からぶつかっていくべきだった。それなのに、逃げてばかりで卑屈になっている。
 おそらく、今まで女性にもモテモテで、自分は好きに選ぶことしかしてこなかったからだろう。断られるかもしれないのに自分から素直に気持ちを打ち明ける勇気なんて出ないのだ。 
 最後、エイラがついに婚礼の日を迎える時、ジョンダラーはが自分からエイラに向っていったなら(私は)許そうと思ったが、結局それもなく、ジョンダラーは密かに逃げ出した。それを追いかけて行って告白したのはエイラの方だ。しかも、エイラが決死の覚悟で「I want to go with you」と言った後でさえ、「What about Ranic?」と言うなんて! バカ男!
 まあ、ラブコメ的に見ると、そうなる。

 マムトイ族が拾って育ててきた、クロマニョン人とネアンデルタール人の間に生まれたライダグとの交流は感動的だった。そして、エイラの登場によってライダグは人間として生きられるようになったし、ライオンキャンプ全体の結束も強まった。
 ライダグの最期の場面は、彼の短い人生の苦悩を思うと何度聴いても泣いてしまった。でも、エイラが来てくれてよかったと思う。エイラにとっても、自分の息子に重ねてライダグを愛し、息子の本当の幸せについて考える機会にもなった。

 7ヶ月かけて聴いてきた。楽しかった。次作も聴こうと思う。
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