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mouthbirdさんの日記

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2017年
06月12日
11:50 mouthbirdさん

耳VS意味コミュニケーション(2)

では前回の続きです。前回のお話をお読みでない方はお読み下さい。この話を「コミュニケーションと感じるかどうか」をコメントで募集いたしました。
おかげさまでコピット。さんからコメントで「これは完璧なコミュニケーションである」というお言葉おいただきました。ありがとうございます。

 ところがどっこい! 私はこれをコミュニケーションとは微塵も思っていないのです。今回はこれを説明します。

 なぜこれを私はコミュニケーションと捉えていないのか?
 それは私は、コミュニケーションとは「意志の伝達」と捉えているためです。
 つまり「Aさんの意志がBさんに届くこと」をコミュニケーションと捉えているのです。

例えば「コミュニケーション障害」という言葉があります。これは「コミュニケーションを上手く取れない病」です。
コミュニケーション障害」の人は、
 話相手に自分の意志を→上手く伝えられない(話せない)
 話相手の話の内容を→上手く受け取れず、場合によっては曲解する
ということがよく起こります。(なので人と話そうとしなくなるわけですが)


改めて前回の話を確認してみましょう。

<母側>
1・我が母は「●●● ●● ●●●」の意味を知らない
2・母は意味が分からない言葉を相手に喋った
3・何故か全く分からないが、相手は爆笑!
4・そして、何らかの返事をされた。
5・この意味を母はまるで理解していない

<話された相手側>
1・我が母から「やい! てめー! 名前を名乗りやがれ! この野郎!」と片言のドイツ語で聞かされた
2・状況や発音から「この少女は自分の言っているドイツ語の意味がよく分かっていないに違いない」と判断できた。
  もし分かっていたら、こんな失礼な言葉は言わないだろう、とも判断できる。
3・だから、爆笑した。
4・「ここはこの言葉に素直に反応したほうが面白いだろう」と判断したので、自分の名前を(多分)丁寧に名乗った
5・この少女は意味はわかっていないのだろうから、丁寧に名乗ったほうが面白かろう。

 こういう話ではないでしょうか?


さて、ここで恐れ入りますが考えてほしいことがあるのです。
この話ではどこからどこに「意志の伝達」があったでしょうか?

どこにもないと思いませんか?


でも、この話は少なくとも私には「面白い話だ」とは思います。不幸な人が誰もいない。
・この仕掛けを考えたドイツ人のご主人様も満足しただろう。
・話しかけられたドイツ人も喜んだ。
・我が母も大いに喜んだ。
パーティはさぞかし楽しかったと思います。
 何より、我が母はこれでドイツ語会話が好きになりました。この後、我が母は一生懸命にドイツ語を学んだのです。


ですが、これが【コミュニケーションであったかどうか】…これに私は疑問を感じるのです。
この話は
「コミュニケーション(意志の伝達)が成立した」から面白かったのではなく
「コミュニケーション(意志の伝達)が成立しなかった」から面白かった。みんなハッピーになった。
のではないでしょうか?

 「意味のある音声」が「一方の側だけに認識された結果」面白かった話であり、けっして「意志の伝達があった」わけではないと私は思うのです。

 次回はこの続きです。

金曜日はいつものニコ生英文法講義。この続きは来週の月曜日です。

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コメント

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2017年
06月13日
00:26
コピットさん

Hi, MB san!

>私はこれをコミュニケーションとは微塵も思っていないのです。

I knew it! I thought you would say that! :)

2017年
06月13日
10:15
mouthbirdさん

>>1 コピット。さん
ご存じでしょうね。コピット。さんと「定義」が異ならないとこのテーマは意味が無いので。
もう少し後で「なぜこのような差が起こるのか」について書かせていただきます。
なお次回は「私の英語の音声との関わり」を紹介します。次回だけでは紹介できず、しばらく続く予定です。

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