ネットのお友達の間でよく話題になっていたこの本を、B◯◯・・・の105円の棚で見つけたので、すぐに買った。
「薄くて読みやすそう」という印象。
確かに読みやすい。
でも、SFだったんだ、これ。
別にいいけど。
Jonasという12歳の少年が主人公。まず、彼の住む社会がどんなところなのか、Jonasの日常と行事の描写が続く。
すべて効率よく管理された社会なんだとわかる。はみ出た人間はrelease される。
この説明的な描写が長い。というか、やっと本題が始まるぞと思ったら、すでに半分ぐらいまで来ていた。
Jonasは、Receiverという特別な役割を担うことになり、Giverの元でtrainingされる。
それは、何世代も前の「記憶」を受け継ぐことだった。
その過程で、今度は今の人間たちには本当の感情もないことが(読者に)わかる。
Giverから記憶を受け継ぎ、それを感覚的に経験することによって、Jonasは次第に様々な感情を持つようになる・・・・。
これ、短すぎると思う。
前半、突っ込みどころがたくさんあるのは、SFだから許せるとしても、特に、後半が物足りない。
おもしろくなってきたところで、
「設定は綿密に考えて、説明を続けてきたけど、この後どうしよう。ハッピーエンドにしたいんだけど、どうまとめたらいいか収拾がつかなくなっちゃった。まあいいや、あとは読者に任せるわ」
って感じで丸投げされちゃう。
そういうわけで、物足りなさと不満が残る。
ただ、読み終わった後、なぜか、しばらくじっと考えてしまった。
とてもシンプルでわかりやすい話だったのに、どこか心に引っかかるものがあり、確かに重みがあるようだった。
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