映画も観たいと思っていたものの、見逃したため、新鮮な気持ちで本を読んだ。
第一部、Pi の生い立ちやら宗教観、哲学的な話などが延々と続き、冒険物語を読むつもりが哲学書を読んでいるみたいな感じだった。早く海に出たい一心で、頑張って読んだ。
第二部、長い長い漂流生活。
実はこのころ、うちで不幸があり、丸1週間本を読むどころではなかった。
そのため、「洋書を読む会」のスケジュールから大幅に遅れ、他の皆さんは100ページ以上も先を読んでいるという状態に・・・。
正直、投げ出そうかとも考えた。第一部ですでに疲れていたし、結構難しかったから。わからない単語も1ページに4~5個はある。
ところが、「洋書を読む会」の皆さんが気にしてくださり、励ましたり買いかぶったり、いろいろ声をかけてくださった。
よ~~し!
私はこれまで、わからない単語は原則として全部調べる精読派で、それを誇りにしていたのだが、背に腹は代えられぬ。初めて、その主義を捨てることにした。
わからない単語も極力調べずに、とにかく進む。もし同じ単語が何度も繰り返しでてきたらその場合だけ、調べる。
そして、速読を心がけ、集中力を途切れさせないために時間まで測った。1ページ3分、1時間に20ページを目標にした。結局、頑張っても18ページぐらいだったが。
このころは結構辛かった。追いつかなきゃ!というプレッシャーで、時間を気にして、進んだページ数と残っているページ数を数えてばかりいた。
それでも根性で、空いていた週末を使って一日50ページ、60ページと進め、なんとか皆さんに追いつく頃には、私も物語にのめり込むことができるようになっていた。
漂流の後半には号泣までした。
でも、一筋縄では行かないこの物語。
感動だけで終わらせてもらえない。
哲学書→冒険物語→ファンタジーと来たかと思ったら、
第三部ではそれまでの物語すべてを否定しかねない展開に・・・。
このへそ曲がりな展開は、何なんだ?
私としては、もやもやして納得しかねる部分が多いのだが、それも作者の狙いなのだろう。
まったく、素直じゃないなぁ。
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