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earth-riseさんの日記

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2012年
07月22日
14:47 earth-riseさん

大学受験前期試験発表の日

  • その他
前期試験2日目を受け終わった娘。
私は、試験会場からの直通バスがやってくるのを、駅で待った。
雪が降っていた。

娘の乗ったバスが駅に着いた。人ごみの中に娘の姿を見つけた。
娘は私に近づくなり言った。
「後期試験、頑張るから。」
昨日の数学の失敗が響いたらしい。

娘は私立は全部落ちていた。国立に受からなければ高卒か2浪かどちらかを選択しなければならない。我が家の経済では2浪は無理だ。本人も精神的に無理だと言っていた。前期で失敗したら、後期はよほどレベルを落として安全な所を狙うしかない。でも、娘は同じ大学を受けるつもりだ。背水の陣である。

試験発表は昔とは全然違う。
昔は大学まで見に行かねばならなかった。遠くから来ている人は、電報で結果を知らせてもらった。そういうことを請け負っていた人達がいたのだ。聞いたところによると学生がバイトでやっていたらしいが、合格すると「サクラサク」、不合格だと「サクラチル」と打ったそうだ。しかし中には、合格者に「サクラチル」と間違って打ってしまった人もいるらしい。

今はパソコンで結果を見ることができる。
学校によって違うが、受験番号を打ち込むと、パソコンの画面にただ一言、
「不合格」
と出たりする。
これは結構こたえる。ドーンと「不合格」の文字が網膜に残るのである。
他に、オーソドックスに、合格者の番号が一覧表になっている所もある。これは
「ああ、私の前の人も、後ろの3人も落ちたのね・・・。」
などと、自分を慰めることができるからまだショックが少ないかもしれない。
去年、倍率60倍以上の岐阜大医学部を受けた時は、合格者一覧を見て娘が言った。(ちなみに岐阜大なのに受験者が多くて、受験者は名古屋駅前の代ゼミと河合塾に分かれて受験した。娘は河合塾だった。)
「私が受験した階では合格した人は一人もいないみたい。受験番号でわかる。」
これだけ不合格者が多いとショックじゃないよね。

試験発表の3月8日。10時
娘はパソコンの前に座った。パソコンで合格者を見る。
娘 「あー●×□▼×:○」
私 「駄目だった?」
娘 「発表は11時からだった。何?この微妙な時間?ああーー。あと1時間かー。ああああ!」

11時。
娘はパソコンの前に座った。
静かである。
・・・・・まだ静かである。声をかけていいものか・・・?

私 「・・・・・どう・・・だった・・・?」
娘 「うん。・・・・・・・・・・受かった。」
私 「え?ほんと?ホントに受かったの?」
娘 「見てみる?」
私 「うん。だって絶対前期駄目だって言ってたじゃない?」
娘 「うん。後期にかけるつもりだった。」
私 「(パソコンを見ながら)本当にこの番号?間違いない?」
娘 「ほら、受験票。間違いないでしょう?」
私 「・・・・うん。あってる・・・。あってるけど・・・・ほんとうに間違いじゃないよね?合格だよね?」
娘 「ほら。これ。この番号。あってるでしょ?」
私 「うん。」
娘 「自分でも信じられない。なんで合格したんだろう。あんなにできなかったのに。」

夫にメールで知らせようとした。
私 「ねえ。間違ってないよね。合格だよね。」
娘 「じゃあ、もう一度見たら?(結構うんざりしている。)」
私 「うん。」
11時8分。
私はもう一度確かめて夫にメールする。
「合格したからお金頼む。」
そう、母たる者は常に冷静に考えをめぐらさねばならない。

まず、私の母に電話する。電話の向こうで涙ぐんでいる。父にも電話をする。

私 「ねえ、毛蟹。アパートって探さなきゃだめじゃない?どうやって探すのかな。試験日にたくさんもらった不動産屋さんに行くのかな?」
毛蟹 「先輩とか、合格した友達に聞いてみる。」

私も夫も、大学も会社も自宅から通った。結婚してからは社宅に住んだので自分たちでアパートを探したことが無い。

私は夫にメールで相談する。夫は、「パソコンで探すこともできるけれど、直接現地に行った方がいいよ。今日出発したら?」と言う。
え?今日?なんか、心の準備ができてないよ。

しばらくして毛蟹が言った。
「先輩がね、大学の生協でアパートを紹介してくれるんだって。で、後期で合格した先輩なんか、良い部屋はもう無かったって。すぐに探した方がいいって。」
私 「じゃあ、なるべく早く行った方がいいよね。明日は金曜日でしょ。明後日の土日は絶対混むよね。良い所なくなるよね。お父さんは今度の土日一緒に行けないって言ってるから、二人で明日行こう。」

私はすぐにえきねっとで、新幹線のチケットを予約する。なるべく早く現地につける時間。これだと大学に10時半か。ま、これでいいだろう。本当は9時頃に着きたかったけどちょっと無理なので。

楽天で駅の近くの安いホテルを探す。
試験の時泊まったホテルは値段の割に部屋がいまいちだった。朝食も不味かった。ホテルは朝食で選ばなくちゃ。
駅から歩いて5分の所にとても安いホテルがある。ダブルペッドだと一人2800円?安ーい。口コミは・・・?
おお。良いじゃない。★が4を超えている。無料の朝食がとてもおいしいとみんな書いている。ホテルの感じもいいと言う。フロントは24時間オープン。よし、決まり。
ネットで予約する。すぐアパートが決まるかどうかわからないので2泊にした。
そして後期試験の時に泊まる予定だったホテルと新幹線をキャンセル。
これで足と宿は確保。パソコンってホント便利。あとすることは?

明後日の土曜日は、私はお茶会の手伝いに行くことになっていた。早く断らなければならない。お弁当の数も変更しなければならないし、手伝いの割り振りの予定も変わってくるからだ。
すぐに母に電話をする。母はそのお茶会に手伝いに行かないが、県の支部の長老の一人なのでなんでも報告しないといけないのだ。
他に今回のお茶会の責任者数人と会計の人と仲の良い人に連絡をする。
あとは?

私がいない間の夫のご飯。
ヨーカドーに買い出しに行く。今は便利だ。いろいろなお総菜が売っている。レトルトや缶詰や納豆やパック入りのお総菜を買った。ご飯も多めに炊いて冷凍した。
あとは?

ちびマルは大丈夫。餌もオシッコシートもたっぷり買ってあるから、あとは夫がちゃんと餌をやってくれればいい。
あとは?

むこうに行く準備。受験票。着替えなどの服。化粧品。お金。印鑑。免許証。保険証。等々。
あとは?

駅に行って、予約した新幹線のチケットを受け取る。
これで全部オッケー?

ああ、本当に合格してるのかな。アパートまで探しちゃってから、
「本当は不合格でした。」
ってことは無いよね・・・・?
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コメント

1番~4番を表示

2012年
07月22日
21:13
meisanさん

earthさん、よく覚えてますね。すごい記憶力。
そうか、もう発表から4ヶ月たつんですね。うちは発表の時間に、大学の合格発表のページが混雑していてアクセスできなかったんです。試験前日に大学下見に行くときに乗ったタクシーの運転手さんが親切な方で、試験当日もお世話になったらしいのですが、受験番号を伝えておいたら、発表日に見に行ってくださって電話で合格を知らせてくださいました。それでも、ネットで確認、入学の手続きの書類が郵送されてくるまで落ち着きませんでした・・・

2012年
07月23日
10:53
mouthbirdさん

毛蟹さまを教えていましたが、不安そうだったのをよく覚えています。前期試験が終わって直ぐに後期試験の対策をしたのをよく覚えています。あれだけの好成績なのにどこにも行けなかったらかわいそうだと思っていました。
 でも受かってよかったですよね。私の頃の合格発表は大学から手紙が来ました。合格番号だけがずらりと並べられた紙が1枚入っていて、自分で番号を見つけるタイプでした。私も試験にはイマイチの自信しかなかったので、自分の番号を見つけたときは信じられませんでした。何かの間違いかもしれないと本気で思いました。手紙の番号を何度も確認したあと、わざわざ大学まで出かけて合格番号を確かめに行きました。そこで自分の番号を見つけてようやく「合格してた」と実感しました。
 earthさんの日記を読んで、私とソックリ、と思いました。^^

2012年
07月24日
04:16
green-geckoさん

自分の合格発表のときには、大学の掲示板に張り出されるのを見に行くという形でした。

同じ大学の別の学科を受けた友と一緒に、電車で見に行きました。
私は一人で行くつもりだったのですが、見に行くのがコワイから一緒に行こうと言われて、そうなったのです。でも・・・

たまたま大学の掲示板が電車の線路からそう遠くない位置にあったので、その頃、抜群の視力であった私は、電車の中から、すでに掲示されていた紙の中に自分の受験番号を発見してしまいました。一緒に電車に乗っていた友は、それには気づかず、「ああ、実際に掲示板の所に行くのって、ドキドキするね。コワイね。番号なかったらどうしよう?」と真剣で不安そうな顔でした。

「・・・うん、そうだよね・・・」(自分は合格してるって、言えない・・・・)
実際には、その友も合格していたのですから、よかったのですが、
電車が駅について、大学の合格発表の掲示板前まで歩く十数分の間、ほんとうに居心地の悪い思いをしたのを覚えています。

2012年
07月26日
10:08
minaminumaebiさん

こんにちは。
うちも受験生がいるので、読んでいて気持ちが引き締まりました。

ほんと、親も子も大変なんですね、受験って。
受験の前も、最中も、後も大変、、。緊張するとお腹が緩くなる私は大丈夫かな、、。

子育ての集大成?最後まで頑張れるかなと思いました。
がんばるのは、本人ですけれどね。

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