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earth-riseさんの日記

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2012年
01月28日
22:58 earth-riseさん

Mちゃんの天然生活

  • その他
毛蟹は高校の時、山岳部に入っていた。そこにMちゃんと言う女の子がいた。Mちゃん、可愛いのである。何が可愛いって、こんな感じなのである。

エピソード1
毛蟹 「女子校って女子しかいないんだよ。」
Mちゃん 「えー!? 女子校って女子しかいないの?じゃあ、男子トイレって無いんだ!」

いや・・・・、あのね、Mちゃん。それ、ちょっと違うんだけど・・・・。


エピソード2

山岳部が山行から貸し切りの観光バスで帰って来た時の事。
バスが高速道路のサービスエリアに入り休憩した。
Mちゃん、すやすやと寝ていた。
Mちゃんの隣に座っていたのはYちゃん。インターハイの選手で、毛蟹のような部員と違い、毎日熱心に長い距離をトレーニングで走っている子だ。
そのYちゃんがバスから降りたが、Mちゃんは寝ていたのでそれに気付かなかった。
まもなくYちゃんはお土産を買ってバスに帰って来たが、Mちゃんの隣の席ではなく、もっと前の席に座った。
やがてバスが出発し、Mちゃんは目を覚ましてびっくりした。
「大変だ!Yちゃんがいない!」
すると一人がにやにや笑いながら言った。
「大丈夫だよ。Yちゃんはさっきバスを降りて、トレーニングのために今高速道路を走ってバスを追いかけてるから、もうすぐ追いつくよ。」
「あ、そうか。じゃあ、安心だね。」
Mちゃん、にっこり笑う。

「そんなはずないだろう!」
Mちゃんの言葉をを聞きながら毛蟹は心の中で叫んでいた。
「誰が高速道路をトレーニングで走るんだー!誰が高速道路を走っているバスに追いつくんだー!」
毛蟹の心の中の叫びは続いていた。



エピソード3
毛蟹の入っていた山岳部は、国体やインターハイの選手を決めるため、毎年ある山でタイムトライアルをしていた。出発地点から到着地点までの時間を計り、速い人を選手の候補者にするのだ。
選手に必要なのは、足の速さ、歩き方のうまさ、天気図を正確に書く、地図の読み方の正確さ、植物の知識、料理の手際良さ、テントを早くきちんと立てる、など、たくさんの要素が必要だ。そういうことがすべて採点されるのだ。

毛蟹たちはタイムトライアルの前日に、その場所を確認のために歩いた。地図を見ながら、先生が間違えやすい場所を注意する。
毛蟹は思う。「こんなまっすぐで間違えにくいところをいちいち注意するなんてバカみたい。いったい誰が間違えるって言うのさ・・・・。」

翌日、女子から出発した。出発順は足の遅い順である。毛蟹は遅い方なので3番目(だったかな?2番目だったかな?)に出発した。次はMちゃんが出発した。女子が全員出発すると次は男子が出発する。
毛蟹は足が遅いので、後から出発したMちゃんや他の部員達に次々と追い越されていった。

毛蟹がハアハア言いながら到着地点に到着した時、Mちゃんの姿が見えなかった。
「あれ?Mちゃん、まだ?私を追い越して行ったのに。」
「え?本当か?誰か、Mを見なかったか?」

Mちゃん以外は男子も女子も全員到着している。さあ、大変だ。Mちゃん、行方不明である。
長距離を歩いてきて、毛蟹のように体力を消耗している部員はその場に残り、まだ体力のある部員(男子全員と女子の一部)と先生がMちゃんを捜索に行った。
「Mちゃーん!Mちゃーん!」
「M-!M-!]
名前を呼びながら出発地点まで戻って行く。しかし、いない。道を間違えたとしか思えない。間違えそうな所は二股に分かれていた所か。そちらの道を行ってみた。
「Mちゃーん!Mちゃーん!」
「M-!Mー!」
すると・・・・・。遠くの方で声が・・・・・・。
「毛蟹ー!毛蟹ー!」
Mちゃんの声である!
「Mちゃーん!」
みんなでそちらのほうに走って行く。
すると、
「毛蟹ー!毛蟹ー!毛蟹ーーー!」
自分が追い越してきた毛蟹が自分の後ろを歩いていると信じ切って、毛蟹の名前を叫びながら歩いているMちゃんがいた。

みんなに付き添われて到着地点に戻って来たMちゃん。実は、地図もホイッスルも持っていなかった。山では事故を防ぐため、これらは必携の物である。距離の短いタイムトライアルなのでいらないだろうと、甘く考えていたらしい。
女子の部長がMちゃんに言う。
「地図は必ず持っていないと駄目でしょ。」
「・・・・はい・・・・」
「ホイッスルも必ず持っていないと駄目でしょ。」
「・・・・はい・・・・・」

ちなみに、タイムトライアルで迷子になった子は他にはいない。
ありえない、と毛蟹は言う。「間違えるような場所でタイムトライアルやるはず無いじゃん!」

そりゃ、そうだよね。
でもま、無事に見つかってよかった。先生方、青くなっただろうな。あれ・・・、Mちゃんは自分が迷子になっていたことは気づいていたのかな・・・・。

「ねえ、毛蟹。Mちゃんは迷子になってることに気づいてたの?」
「ううん。それがね、気づいてなかったんだよ!どうしてみんなの姿が見えないのかなって不思議に思ってたんだって。だから、追い越した私なら自分の後ろにいるはずだと思って私の名前を呼び続けてたんだって。」

Mちゃん、今はどうしているかな。無事に生活してるかな。
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