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高二の娘との会話 28・・・尽くしてほしい彼と、尽くしたくない彼女が一緒に出かけた日
娘の担任のプルプル先生が、親の代わりに校外学習の承諾書にハンコを押してくださったおかげで、毛蟹は無事に校外学習に行くことになった。
そしてその校外学習の日の朝。
現地集合である。ちょっと遠い。したがって目的地まで、一人で行くか友達と待ち合わせて一緒に行くのである。
毛蟹 「駅に7時に待ち合わせなの。」
母 「誰と?」
毛蟹 「Mなんだよ。いやなんだよ、ホントは。」
母 「あー。あのM君」
M君は毛蟹と同じ中学だった。しかしクラスもずっと違っていて、一度も話したことはなかった。
毛蟹の中学は、高校入試の時、同じ志望校の生徒を集めて説明したり書類を渡したりする。願書申し込みも、入試も、一緒に行かせる。毛蟹はその時はじめてMくんと口をきいた。しかしそれだけだった。毛蟹はM君があまり気に入らないらしかった。
運よく、二人とも志望の高校に合格したが、クラスが違っていたので、会うこともなかった。
高校に入って2週間ぐらいたったある日。
野球部が学校の周りをランニングして、校門の前にたむろしていた。
M君もその中にいる。
毛蟹が校門を出ようとしたとき、突然M君が声をかけた。
M君 「おい、毛蟹。」
毛蟹 「・・・・・(ブスっとして)何?」
M君 「おまえさ、俺につくす気ね?」(ノーマル現代語訳 俺に尽くす気ない?)
毛蟹 「・・・はあ!? なんでさ、私がお前に尽くさなくちゃならないの?」
M君 「おまえ、クラブ決まった?」
毛蟹 「まだだよ。」
M君 「野球部のマネージャーさ、おまえやらない?」
毛蟹 「なんで私がマネージャーなんかやるの?」
M君 「え、おれに尽くしたいかなって。」
毛蟹 「なんで私がお前のために、洗濯したり、飲み物用意したりしなくちゃなんないのよ?」
M君 「いいじゃん。」
毛蟹 「私がそういうのやるタイプだと思ってる?」
M君 「全然思ってねえ。」
毛蟹 「思ってないなら何で言うのよ?」
M君 「マネージャーやる女子が、部に入らないんだよ。」
毛蟹 「あ~、ちゃんと私を女子と認めてるんだ。」(毛蟹は中学では、先生にも生徒にも男子に分類されていた。)
M君 「思ってねえよ。」
毛蟹 「じゃあ、何で女子マネージャーになれって言うのよ?」
M君 「思ってねえけど、いないよりましジャン?」
・・・・・
そのやり取りをM君のすぐそばでにやにや笑いながら聞いていた先輩が言った。
先輩 「君たち、仲いいね。」
それを聞いた毛蟹、ムカっとした。
先輩の方へクルっと向き、キッとなって言った。
毛蟹 「誤解していらっしゃるようなので、はっきり申し上げます。確かに私はこのMと中学は一緒でしたが、話をするのはこれが2回目です。全然仲良くなんかありません。誤解されるのは非常に迷惑です!」
先輩 「君、面白いね。」
毛蟹 「面白くなんかありません。普通です!」
そう、このM君と、毛蟹は駅で待ち合わせをし、乗り換えの駅でさらに他の友人達と合流し、目的地まで行くのである。M君とは二年になって同じクラスになり、いろいろあって一緒に行くことになったのだ。今日は私服である。
母 「平日にさ、高校生らしい二人が私服で一緒に歩いていたら、何か怪しくない?学校サボってデートって思われない?」
毛蟹 「そうだよね。ホント、そう思うよね。やだーー!!あいつとなんかやだよー!他の友達と一緒になるまであいつと二人なんてやだよ~。」
帰ってから、話を聞くのが楽しみだな。ふふ。
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