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高二の娘との会話 30・・・「先生は大変なんですよ」
娘が学校から帰ってきて、言った。
娘 「あのね、あのね、今日の授業面白かったんだよ。」
母 「何?」
娘 「あのね、内申書ってあるでしょ。あれをどうやって先生が書いてるかって言う話。」
以下、娘の話。
先生:
「皆さん、内申書って、なんだかんだ言って自分の事を褒めてないと思ってるでしょ?
いい加減に書いていると思ってるでしょ?
でもね、違うんですよ。先生達、みんな苦労してるんですよ。
皆さんのなかなか無い長所を、絞りに絞って(強調!)、探しに探して(さらに強調!)褒めてるんですよ。
おかげで何日も働きづめで、「もういいよ、長所なんて探さなくて。もういいよ。」ってなってくるんですよ。だって40人以上もいるんですよ。ホント大変なんですよ。
例えばですね、
うるさい奴は「明るく活発積極的」、無口な奴は「冷静沈着」。
勉強のできない奴は、・・・ま、この学校にはいませんけどね(一応、できる学校である、一応・・・)、そういう奴はたいてい運動ができるから、「運動を頑張っている」。
運動のできない奴は、たいてい勉強ができるから、「勉強を頑張っている」。
ま、両方できない奴は、「●●クラブで頑張っている」。
バスケット部でレギュラーになれない奴は、「バスケット部で7番目に活躍している(老婆心ですが、バスケットは6人でやりますよね。by あーす)」。
どうです?苦労してるでしょう?
あとですね、嫋やか(たおやか)、濃やか(こまやか)、これ、皆さん、読めますか?
内申書にね、この言葉使えないんですよ。
女性差別だって、女子生徒の内申書にね、この言葉使えないんですよ。
変だと思いませんか。僕好きなんですよね、この言葉。
大和撫子もだめなんですよ。
校歌の歌詞に益荒男(ますらお)ってありますけど、意味分かりますか?
これも書いちゃだめなんですよ。」
それを聞いたA君、つぶやく。
「マスラオって、それ、ガンダムのミスター・ブシドーのMS(モビルスーツ)じゃね?」
生徒たちは思う。
(でも、先生の体格、全然、益荒男でないんじゃね?)
(注) この先生、ボールのような体形にもかかわらず剣道の時間に軽やかに前後に飛び跳ねる様子は、まるで「アンパンマンじゃね?ハロ(ガンダムに出てくる小型球形ロボット)じゃね?スーパーボール(非常によく弾むゴム製のボール)じゃね?」、なんだそうである。
「私こういう言葉好きなんですよね。
嫋やか、濃やか、大和撫子。美しいですよね。
ほんと、内申書にこういう言葉を使えないって変ですよね。
私がこういう時代に生まれちゃったので仕方ないんですけど、自分の考えで差別してるわけじゃないんですが、バリバリのキャリアウーマンってチョット苦手なんですよねぇ。
私に飲み友達がいるんですが、そいつの机の上がすごいんですよ。私の机なんか比較にならない位めちゃくちゃ汚いんですが、そいつの奥さんが、・・・うちの(学校の)女性副校長なんです、あのきちっとした。
で、飲んでる時に彼に言えないでしょう?お宅の奥さん、何何ですね、って。
で、あの女性副校長に言えないでしょう?夕べお宅の旦那が飲みすぎて大変だったんですよ、なんて。
困るんですよね、ほんと。」
ホント、困りますね、それは。
あの、・・・うちの子の事もよろしくお願いします・・・・・。あの、運動も勉強もどちらもあまり得意ではないんですが・・・。
解説
内申書(ないしんしょ)・・・在学生や卒業生の学習活動や学校生活について教員が記載した文書のことで、進学就職先の選考資料のひとつである。入学者選抜試験を行うに当たっては、一般に、受験生の合否に影響する。
嫋やか(たおやか)・・・動作がしなやかで優しい。
「―な乙女」「―な山の峰々」「―な舞の手振り」
たおやめ(手弱女)・・・優しい女。しとやかな女。⇔ますらお
濃やか(こまやか)・・・情愛が深く心遣いが行き届いているさま。心のこもっているさま。
「―な愛情を注ぐ」「―な心遣い」
大和撫子(やまとなでしこ)・・・(1)ナデシコの別名。[季]秋
(2)日本女性の清楚な美しさをたたえていう語。
益荒男(ますらお)・・・(1)雄々しく強い男。立派な男。ますらおのこ。 ⇔たおやめ
(2)武人。もののふ。
(3)朝廷に仕える官僚。
(4)狩人。猟師。[日葡]
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