毎週水曜日は smart.fm で更新してきた、
旧チャンネルブログの文法問題を引き続きお届けします。
今週は解答編です。
今回もチャレンジしてくださった方、ありがとうございました。
解答の前に、この問題を解くに当たって、知って(覚えて)おかなければならないことを書き連ねます。
「だが、しかし関係」のまとめです。(長いです^^;(14)まであります)
・「だが、しかし関係」のまとめ
英語において「だが、しかし」という意味を持つものは、以下4つに分類される。
4つの役割、特に【
使い方・置き場所】を覚えて欲しい。
★以下で言う【
文】とは、「
主語と動詞~(
SとV~)がセットになっている塊」のことを指す。
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●接続詞。【ピリオドの
無い文】と【文】とをつなげる)
2種類ある。
A:
等位接続詞(but, yet)
B:
従属接続詞(though, although, even though, even if, if)
●接続副詞。【ピリオドの
無い文】と【文】をつなぐこともする(接続詞と同じ役割)が、置く位置が比較的自由。前か後ろ、あるいは、前後両方に「,」(カンマ)かある。
★【ピリオドの
有る文】と【ピリオドの有る文】をつなぐこともする。(置く位置が自由でない接続副詞もある)
C:
接続副詞(however, nevertheless, though, yet)
(接続副詞的な熟語もある。on the contrary)
●前置詞。【ピリオドの
無い文】と【名詞】をつなげる。【文】をつなげない。
D:
前置詞[群前置詞を含む](in spite of, despite, instead of)
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--------------------------------------
A:等位接続詞(but, yet)
「
等位接続詞」と呼ばれる接続詞は、
文と文の間にしか入れられない。
例・(and は等位接続詞)
○ He went to the mountain
and she went to the river.(彼は山に行き、彼女は川に行った)
× And he went to the mountain she went to the river.
(これに対し、従属接続詞は文頭でも使える。後で詳しく説明する)
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(1)等位接続詞の
but。
意味は(だが、しかし)。
等位接続詞なので、
文と文の間にしか入れられない。
○ He is poor
but he is happy.(彼は貧しい
が彼は幸せだ)
× But he is poor, he is happy.
※
等位接続詞の
but を使う場合、通常、
前後に「
,」(カンマ)は入らない。
× He is poor
, but, he is happy.(彼は貧しい
が彼は幸せだ)
------------
(2)等位接続詞の
yet。
yet は副詞で「まだ」という意味もあるが、等位接続詞で「しかし」という意味もある。
また、接続副詞(的)の使い方もある。(後述)
等位接続詞の
yet は通常、
手前に「
,」が
入る。
○ He is poor
, yet he is happy.(彼は貧しい
が彼は幸せだ)
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B:従属接続詞(though, although, even though, even if, if)
「
従属接続詞」と呼ばれる接続詞は、
文と文の間、と、
文頭で使える。
○ He is poor,
though he is happy.(彼は幸せだが、彼は貧乏だ)
○
Though he is poor, he is happy.(彼は貧乏だが、彼は幸せだ)
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(3)従属接続詞の
though。
「~だが」という意味。
★等位接続詞の but と違い、【
先に「だが」】と
訳さずに、
【
後で「だが」】と
訳す。
例
◎等位接続詞の but の場合
・He is poor
but he is happy.
(○彼は貧しい⇒
だが⇒彼は幸せだ)
◎従属接続詞の though の場合、
・He is poor,
though he is happy.
(
×彼は貧しい⇒
だが⇒彼は幸せだ)
(○彼は貧しい、彼は幸せ
だが)⇒(○彼は幸せ
だが、彼は貧しい)
文頭に though を持ってきた場合も、【後で「だが」】と訳す。
・
Though he is poor, he is happy.
(
× だが⇒彼は貧しい、彼は幸せだ)
(○ 彼は貧しい
が、彼は幸せだ)
※though は「接続副詞」の用法もある。(後述)
------------
(4)従属接続詞の
although。
従属接続詞の
though と
全く同じ使い方ができる。「~だが」という意味。
・He is poor,
though he is happy.(彼は幸せ
だが、彼は貧しい)
★=He is poor,
although he is happy.(彼は幸せ
だが、彼は貧しい)
・
Though he is poor, he is happy.(彼は貧しい
が、彼は幸せだ)
★=
Although he is poor, he is happy.(彼は貧しい
が、彼は幸せだ)
※although は、though と違い「接続副詞」の用法はない。
------------
(5)従属接続詞の
even though,
even if
even though =
even if で、「たとえ~でも」という意味を表す。
従属接続詞なので、
文頭や、
文と文の間で使う。
・(
たとえ私が今回上手く行かなかった
としても、もう1度チャンスがある)
Even though I fail this time, I have another chance.
=
Even if I fail this time, I have another chance.
=I have another chance,
even though I fail this time.
=I have another chance,
even if I fail this time.
------------
(6)従属接続詞の
if
if の意味は通常「もし~ならば」か、「~かどうか」の2択だが、
even though や
even if と
全く同じ意味(たとえ~でも)の場合もある。
つまり
・(
たとえ私が今回上手く行かなかった
としても、もう1度チャンスがある)
Even though I fail this time, I have another chance.
=
Even if I fail this time, I have another chance.
★=
If I fail this time, I have another chance.
=I have another chance,
even though I fail this time.
=I have another chance,
even if I fail this time.
★=I have another chance,
if I fail this time.
である。
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C:接続副詞(however, nevertheless, yet)
【ピリオドの
無い文】と【文】をつなぐこともする(
接続詞と同じ役割)が、接続詞と違い、置く位置が比較的自由であることが多い。
前か後ろ、あるいは、
前後両方に「
,」(カンマ)か
ある。
★【ピリオドの
有る文】と【文】をつなぐこともする。
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(7)接続副詞の
however
意味は「しかしながら~」である。
等位接続詞と同じような使われ方をするケースがある。つまり、
★【ピリオドの
無い文】と【文】をつなぐケースである。
ただし、置かれる位置が
自由。そして大概、文の切れ目には「
;」(
セミコロン)が置かれ、(前)後には「
,」(カンマ)が置かれる。
例文:
He is poor
but he is happy.(彼は貧しい
が彼は幸せだ)
=He is poor
; however, he is happy.
=He is poor
; he
, however, is happy.
=He is poor
; he is
, however, happy.
=He is poor
; he is happy
, however.
★【ピリオドの
有る文】と【文】をつなぐこともある。これも置く位置が
自由。however の
(前)後には「
,」(カンマ)が置かれる。
例文
He is poor
but he is happy.(彼は貧しい
が彼は幸せだ)
≒He is poor
. However, he is happy.(彼は貧しい。しかしながら彼は幸せだ)
=He is poor
. He
, however, is happy.
=He is poor
. He is
, however
, happy.
=He is poor
. He is happy
, however.
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(8)接続副詞の
nevertheless
nevertheless は文語的な表現で「それにもかかわらず」という意味。
等位接続詞の but と同じような使われ方をするケースがある。つまり、
★【ピリオドの
無い文】と【文】をつなぐケースである。
文の切れ目には「
;」(セミコロン)が置かれ、その
直後 nevertheless が置かれ、その
後には「
,」(カンマ)が置かれる。
例文
He is poor
but he is happy.(彼は貧しいが彼は幸せだ)
=He is poor
; nevertheless, he is happy.(彼は貧しいが、それにもかかわらず彼は幸せだ)
★【ピリオドの
有る文】と【文】をつなぐこともする。
ピリオドの直後に
nevertheless が置かれ、その
後には「,」(カンマ)が置かれる。
例文
He is poor
but he is happy.(彼は貧しいが彼は幸せだ)
≒He is poor
. Nevertheless, he is happy.(彼は貧しい。それにもかかわらず彼は幸せだ)
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(9)接続副詞の
though
意味は(でも、やはり、しかし)
★(3)の接続詞の though と非常に紛らわしい。
(3)の[接続詞の though] は、【ピリオドの
無い文】と【文】をつなぐ。
○・He is poor,
though he is happy.(彼は幸せだが、彼は貧しい)
↓こうは書けない
×・He is poor
. Though he is happy.
しかし、[
接続副詞の though] は【ピリオドの
有る文】と【文】をつなぐ。
大概は、手前に「
,」を置き、
文末に置かれる。
○・He is poor
. He is happy
, though.
意味にも注意!
(
× 彼は貧乏である。彼は幸せ
だけれども)【
貧乏が言いたいことの主体】
(○ 彼は貧乏である。
でも彼は幸せだ)【
幸せが言いたいことの主体】
この
接続副詞の though を置く位置は大概は文末だが、
途中に置くことも可能である。
この場合 though の
前後に「
,」を置く。
He is poor
. He is happy
, though.(彼は貧乏である。
でも彼は幸せだ)
=He is poor
. He
, though, is happy.(彼は貧乏である。
でも彼は幸せだ)
※ although にこのような「接続副詞」の使用法はない。
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(10)接続副詞の
yet
文語で(しかしながら)という意味で使われる場合がある。
この yet の使われ方は「特殊」で、
【though か although が付いているピリオドの無い文】と【文】をつなぐ場合、【文】の頭に yet が付く。
つまり、形的には
Although SV~
, yet SV~.
Though SV~
, yet SV~.
となる。
例文
・
Though he is poor, he is happy.(彼は貧しい
が、彼は幸せだ)
=
Although he is poor, he is happy.(彼は貧しい
が、彼は幸せだ)
★≒
Though he is poor
, yet he is happy.(彼は貧しい
が、
しかしながら彼は幸せだ)
★≒
Although he is poor
, yet he is happy.(彼は貧しい
が、
しかしながら彼は幸せだ)
※上のほうで既に説明した(2)のyetの使い方にも注意。
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(11)接続副詞的な熟語の
on the contrary
意味は「それどころか」。
等位接続詞と同じような使われ方をするケースがある。つまり、
★【ピリオドの
無い文】と【文】をつなぐケースである。
置かれる位置は
自由。そして大概、文の切れ目には「
;」(
セミコロン)が置かれ、(前)後には「
,」(カンマ)が置かれる。
例文
He didn't work on the day
; on the contrary, he played football all the day.(彼はその日、働かなかった、
それどころか、彼は一日中サッカーをやっていた)
=He didn't work on the day
; he
, on the contrary, played football all the day.
=He didn't work on the day
; he played football all the day
, on the contrary.
★【ピリオドの
有る文】と【文】をつなぐこともある。これも置く位置が
自由。on the contrary の
(前)後には「
,」(カンマ)が置かれる。
例文
He didn't work on the day
. On the contrary, he played football all the day.(彼はその日、働かなかった。それどころか、彼は一日中サッカーをやっていた)
=He didn't work on the day
. He
, on the contrary, played football all the day.
=He didn't work on the day
. He played football all the day
, on the contrary.
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D:前置詞[群前置詞を含む](in spite of, despite, instead of)
【ピリオドの
無い文】と【
名詞】をつなげる。【文】をつなげない。
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(12)群前置詞の
in spite of
意味は「~にもかかわらず」。[in spite of] で「一塊の前置詞」の扱い。
「接続詞」ではないので、
in spite of+
SV~, には
ならない。
in spite of+
名詞に
なる。(この「名詞」には動名詞を含む)
例文
In spite of his illness, he went there.(彼は病気だった
にもかかわらず、彼はそこへ行った)
=
Though he was ill, he went there.(彼は病気だったけれども、彼はそこへ行った)
=
Although he was ill, he went there.(彼は病気だったけれども、彼はそこへ行った)
× In spite of he was ill, he went there.
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(13)前置詞の
despite
意味は「~にもかかわらず」。
despite = in spite of である。in spite of より堅い語で、新聞などで好まれる。
例文
In spite of his illness, he went there.(彼は病気だった
にもかかわらず、彼はそこへ行った)
=
Despite his illness, he went there.(彼は病気だった
にもかかわらず、彼はそこへ行った)
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(14)群前置詞の
instead of
通常の意味は「~の代わりに」である。それに近い意味で「~しないで」となることがある。この場合、instead of の直後には動名詞が来る。
He stayed in bed all day
instead of going to work.(彼は働きに行かずに、一日中寝ていた)
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ひや~~~。長かったですね。申し訳ない。ちゃんとお読みいただけたでしょうか?
ではやっと問題の解答と解説に参ります。
( )に入れるのに最もふさわしい語(句)を選択肢から選びなさい。
A・Jim's Japanese was not very good, ( ) his speech still impressed the audience.
1.because 2.but 3.so 4.therefore
解答:2
解説:まず、位置関係から、「等位接続詞、従属接続詞、接続副詞」のいずれでも入る。前置詞は入れないが、元々選択肢に前置詞が無い。
あとは意味から判断するしかない。
1.because(~なので)は文全体の意味からおかしい。(ちなみに because は従属接続詞)
2.but(だがしかし~)はOK。(ちなみに but は等位接続詞)
3.so(だから~)は文全体の意味からおかしい。(ちなみに so は接続副詞)
4.therefore(それゆえに~)は文全体の意味からおかしい。(ちなみに therefore は接続副詞)
正解は2。ちなみに、but … still~ で「しかしそれでも~」という意味でよく使う。
(ジムの日本語はあまり良くはなかったがしかし、それでも彼の演説は聴衆に感銘を与えた)
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B・In English, there is only one word for snow. In Eskimo languages, ( ), there are as many as thirty-two different words for snow.
1.but 2.however 3.therefore 4.yet
解答:2
解説:位置関係から考える。「,」と「,」に囲まれてもOKのものは接続副詞しかない。しかし yet はその後ろには「,」が付けられない。but も等位接続詞の なのではじかれる。まとめの(1)を参照。続いて意味から「しかし」っぽいものが入ると分かるはず。この結果(それゆえに~)という意味の therefore がはじかれる。4の yet は接続副詞の用法があるが、位置関係を見ると「,」と「,」に囲まれて使う用法は無い。まとめの(10)を参照。however だけが「しかし」という意味と「,」と「,」に囲まれてもOKという条件をクリアできる。まとめの(7)を参照。
正解は2。
(英語では雪に対応する単語は1つしかない。しかしながらエスキモーの言語では雪に対応する32もの異なった単語がある)
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C・The tennis player was injured in the semifinal match. ( ) he won the final and took the championship.
1.Even though 2.In spite of 3.Instead of 4.Nevertheless
解答:4
解説:まず( )の後が「文(SV~)」が続くので、群前置詞の2.In spite of(~にもかかわらず)と 3.Instead of(~せずに)は、解答から外れる。(12)と(14)を参照。
1.Even though は、従属接続詞なので、「.」(ピリオド)の有る手前の文とはつなげられない。意味的にも(たとえ~でも)なので、どちらにしても変。(5)を参照。
4.Nevertheless は、接続副詞で、「.」(ピリオド)の有る手前の文とはつなげられる。(8)を参照。
正解は4.
(そのテニスプレーヤーは準決勝で怪我をした。それにもかかわらず、彼は決勝で勝ち、選手権を奪取した)
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D・I didn't say I liked her; ( ), I said I didn't like her.
1.at any rate 2.in contrast 3.of course 4.on the contrary
解答:4
解説:これはどちらかと言えば、意味の問題。
1.at any rate「とにかく」
2.in contrast「それに比べて」
3.of course「もちろん」
4.on the contrary「それどころか」
I didn't say I liked her;(私は彼女が好きだとは言わなかった)
「 」
I said I didn't like her.(私は彼女が好きではないと言ったのだ)
となるから、「 」にふさわしい意味の熟語を入れる。
となれば、on the contrary「それどころか」だろう。正解は4。
(私は彼女が好きだとは言わなかった、それどころか、私は彼女が好きではないと言ったのだ)
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F・The desire for peace is common to almost all human beings. History has shown, ( ), that lasting peace is difficult to achieve.
1.because of 2.but 3.for example 4.though
解答:4
解説:まず出だし。
The desire for peace is common to almost all human beings.の意味を考える。
(平和に対する希求はほとんど全ての人類に共通している)
となる。
後半は( )を取っ払えば、
History has shown that lasting peace is difficult to achieve.
(平和の維持を成し遂げるのは難しいことを歴史は示している)
となる。
となれば
(平和に対する希求はほとんど全ての人類に共通している)
「 」
(平和の維持を成し遂げるのは難しいことを歴史は示している)
↑ここの「 」に入れたい言葉は「しかし」であろう。
だが、2.but は、前後に「,」があるような場所には入れない。おまけに、手前が【ピリオドが有る文】なので、文法上は接続詞は入れられない。(1)を参照。したがって but ではない。
前後に「,」があるので接続副詞がふさわしい。4.though には「接続副詞」で(でも、やはり、しかし)という意味がある。(9)を参照。これがふさわしい。したがって、正解は4.
(平和に対する希求はほとんど全ての人類に共通している。しかし平和の維持を成し遂げるのは難しいことを歴史は示している)
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以上になります。
ちなみに、今回の問題は全て、大学入試からの出題でした。
いかがだったでしょうか?
単語の役割がっしっかり分かられるといいなあ~と思います。
それではまた来週~。
問題編
http://q-eng.com/diary/504
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