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later と afterの使い方…「30年後についてどう思いますか?」
「30年後についてどう思いますか?」
これを「later か after を使って英語で表現する方法」を考えましょう。皆さんできますか?
元ネタはYoshimiさんの日記です。alansmitheeさんから、Yoshimiさんのこの日記に関する質問があり、それの返事がこの日記になっています。
※以下は、文法的な説明が、長々と続きます。
文法なんか考えたくない! という人は以下の7行だけ見てください。
○が自然、△はやや不自然、×は間違い
○How about 30 years later? (30年後についてどう思いますか?)
×How about later 30 years ?
○How about in 30 years? (30年後についてどう思いますか?)
×How about after 30 years?
△How about 30 years after?
○How about 30 years after the event? (そのイベントの30年後であればどう思いますか?)
はい! ここからは8行目なので、文法のお勉強になります。文法を学びたい人だけ読みましょう。
なぜ上記のようになるのかを、ご一緒に学びましょう。
長文ですぜ~お客さん!
Ψ(`∀´)Ψ
まず、「how about ~」のお勉強です
●「how about ~」で 「~はいかがですか?」「~についてどう思いますか?」
という意味があります。
通常は「how about ~」の「~」には名詞が来ます。
例文
How about Japanese food for lunch?
(お昼に日本食についてどう思いますか?/ お昼に日本食はいかがですか?)
また「how about ~」の「~」には、【意味をくみとって】「副詞(句)」を置くことも出来ます。
例文
How about by tomorrow? (明日までではどうですか?)
[by tomorrow(明日まで)]←これが副詞句です。
「副詞句についての説明」は今回は詳しくはやりません。簡単に言うと↓こうなります。
「動詞を含まない数語の単語のかたまりで意味を持つもの」(例 [by tomorrow])を「句」と言います。
その「句」が文法上「副詞の役割をしている」場合、それを「副詞句」と呼びます.。
今回の例文で言えば↓[ ]で囲まれたオレンジの部分は、全て副詞句です。
○How about [30 years later]? (30年後についてどう思いますか?)
×How about [later 30 years] ?
○How about [in 30 years]? (30年後についてどう思いますか?)
×How about [after 30 years]?
△How about [30 years after]?
○How about [30 years after the event]? (そのイベントの30年後であればどう思いますか?)
つまり、全部 How about + [副詞句] になっています。
「であるなら、全部○だろう」とお考えの方も多い」と思います。ですがそうは簡単には行かないのです。
それとは別に、「later と after にそれぞれ使い方にルールがある」からです。
later の学習
・ (のちに)という意味の later は基本的に「副詞」です。副詞の later には、普通の副詞にはない特殊な使い方「も」あります。
(1)later(のちに) が【普通】の副詞として使われている用例。
This man later became a great leader. (この男はのちに偉大な指導者になった)
この例文の「副詞 later 」は、ごく普通に「動詞 became」を修飾しています。
later(のちに)⇒bacame(なった) … という具合です。
(2)later(のちに) の特殊な用例
He died a few years later. (数年後、彼は死んだ)
later を「期間」の後ろに置くことで
つまり
[「期間」+ later]
というかたまり(つまり「句」)を作ることで、
<期間のちに>…という意味を作ります。
また、このかたまり、つまり[「期間」+ later]は副詞句です。
(2)’※似たような使い方をする単語に ago (まえに)があります。
He died a few years ago. (数年前、彼は死んだ)
ago を「期間」の後ろに置くことで
つまり
[「期間」+ ago ]
というかたまり(つまり「句」)を作ることで、
<期間まえに>…という意味を作ります。
また、このかたまり、つまり[「期間」+ ago ]は副詞句です。
●(2)と(2)’の比較
He died a few years later. (数年後、彼は死んだ)
⇒(何か既に話題があり、その話題を基準にしてその基準の「数年後」彼は死んだ)
He died a few years ago. (数年前、彼は死んだ)
⇒(今が基準で、今から「数年前」彼は死んだ)
となります。
★later a few years は可能か?
(答え)不可能です。
○ a few years ago
× ago a few years
…であるのは分かりますよね。それと同じように、
○ a few years later
× later a few years
…となるのです。
ここまでで、なぜ
○How about 30 years later? (30年後についてどう思いますか?)
×How about later 30 years ?
であることが分かったと思います。
after の学習(その1)
・ <span class="warning">after は「前置詞」です。(接続詞もありますが、今回の質問とは関係がないので省略します)
(3)前置詞は、【前置詞+名詞】と使うため、当然
<after + 期間>と使います。
○ He came back after a week. (彼はその1週間後に帰ってきた)
(3)’【前置詞】 after を「のちに」という意味で使う場合注意があります。
発話時点(つまり現在)を基点として未来を考えるときは
○ in +期間
× after +期間
という具合に使います。
○ I'll see you in two hours. (2時間後に会いましょう)
× I'll see you after two hours.
(3)’’ 過去が基点になっていれば after を使います。
○ He came back after a week. (彼はその1週間後に帰ってきた)
したがって
○How about in 30 years? (30年後についてどう思いますか?)
×How about after 30 years?
となります。
after の学習(その2)
・after は「副詞」の用法もあります。しかし、若干不自然に感じられるようです。
(4)after を副詞で使う場合「later と同じ感じ」で使う。
ただし! after を副詞で使う場合は、laterに比べて若干不自然だそうです。
つまり
○He died a few years later.(数年後、彼は死んだ)
△He died a few years after.(数年後、彼は死んだ)
となります。
※補足・このように「after を later と同じような位置で使う用法」は辞書にも正用法と載っている。また「この用法を正しいとした(大学入試の)文法問題」を私は見たことがある。ただし、当時これをあるネイティブスピーカーに聞いたところ「少し不自然である」という返事をもらった。当時のネイティブの返事は「after の右に何かがないと変だ」というものであった。
つまり
△He died a few years after.(数年後、彼は死んだ)
○He died a few years after the event.(そのイベントの数年後、彼は死んだ)
という具合です。
要するに、after は(later と違い)、「何か基準」が明示されていないと不自然なのです。
after の右に「基準」、つまり 「after +何か」という具合に、【基準を明確に】したほうが自然なのです。
したがって
△How about 30 years after?
○How about 30 years after the event? (そのイベントの30年後であればどう思いますか?)
となります。
全体で
○How about 30 years later? (30年後についてどう思いますか?)
×How about later 30 years ?
○How about in 30 years? (30年後についてどう思いますか?)
×How about after 30 years?
△How about 30 years after?
○How about 30 years after the event? (そのイベントの30年後であればどう思いますか?)
となります。
以上です。
さ~て、何人の人が全部読んでくださったのかな?
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