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ピリオドまでが長い英文と文法:その1
こんにちは。もうそろそろ6月の足音も聞こえてきました。
予備校に通っている方は、やや難しさを感じている頃ではないでしょうか?
今日は「ピリオドまでが長い英文」についてお話します。
以下は専修大学の過去問です。
長文問題の文頭の1文です。ちなみに「長文問題の出だし(文頭)」ってピリオドまでがやたら長い英文の場合が多いのですよ。
出題者は受験生を面食らわせて解く気を失わせたいから。
By the time I was thirteen or fourteen I began to try to know myself, the sort of person I was, what I could attempt successfully, and the things that I was no good at and that I must not waste time over.
本当はまだまだ英文が続きます。ですがこの「1文」だけの解釈しましょう。この英文の意味が分かりますか?
訳例を作ってください。
こんな感じかな? ではだめです。「訳例を作れ!」という試験問題だと思って、訳を自分なりに作ってください。
できますでしょうか? とにかくやってみてください!
作りましたか?
もし、あなたが英語が苦手であれば、こういった文の訳例を正しく作れないはずです。
英語が苦手な人は、このような「ピリオドまでが長い英文を上手く、正しく訳せたことが【1度も】ないからです。
途中まで頑張って、さじを投げるのが普通です。
しかし、もし、今回もあなたは訳例をノートに作らなかったとしたら受験生としては「黄色信号」です。
出来るようになるためには
「自分なりの訳例をきちんと作る」⇒「それを訂正する」⇒「今度は間違えない」
というパターンの繰り返しで出来るようになるはずです。
最初から「自力の訳例を作りを放棄」していれば
「自分なりの訳例がない」⇒「訂正できない」⇒「答えを見る」⇒「ああそうかと」思う⇒「間違いを訂正したわけではない」⇒「今度も間違える」となります。
実際、「苦手科目はそうやって苦手になっている」はずです。違いますか? 身に覚えはありませんか?
今回こそ!ちゃんと作ってくださいね。単語はみんな易しいですよ。それでもこんな長いと上手く作りにくいはずです。どうでしょうか?
作りましたか?
それでは解説(の一部)
By the time I was thirteen or fourteen I began to try to know myself, the sort of person I was, what I could attempt successfully, and the things that I was no good at and that I must not waste time over.
○by the time :(3語まとめて1つの接続詞扱い)「~するころまでに」
接続詞なので「by the time S'+V'~, S+V~」というつながりになるはず。「S'がV'~することまでに、SはVする」という意味になる。<これが文法知識(1)>
この⇒ by the time S'+V'~, S+V~ ←この中で
この↑切れ目を探す。このとき(,)「カンマ」があるとは限らないことに注意!S+V~を注意深く見つめてこの切れ目を探す!。
○I was thirteen or fourteen 私は13歳か14歳であった
ここまでの最後の単語(fourteen)と次の I の合間に切れ目があると見抜く。次に「 I 」と明らかな「S(主語)」があるから。
※ただし 単純にSがあるだけでは切れ目とは決まらない!
「関係代名詞の目的格省略の場合」、切れ目にならないから。<文法知識(2)>
関係代名詞の目的格省略
<例>
He has a book I like.
↑
ここには本来「関係代名詞のwhich」があって
=He has a book (which I like ●)…本来はこの形だった。このような関係代名詞の目的格は省略できる。
「彼は私が好きな本を1冊持っている」
という意味になる。
関係代名詞 which の先行詞は book(名詞)。先行詞は通常「名詞」しかなれません。<文法知識(3)>
By the time I was thirteen or fourteen I ....
↑
仮に fourteen と I の間に、関係代名詞which の省略があったとします。そうしたら先行詞の候補は thirteen or fourteenですよね。
thirteen にしろ fourteen にしろ、これらは「形容詞」。
関係詞の先行詞は通常「名詞」しかなれません。<文法知識(3)>
したがって「 I 」が来ても、「ここには関係代名詞の目的格の省略はないな」と分かるのです。
○I began to try to know myself 「私は私自身を知ろうと試み始めた」
だからここまででとりあえず「by the time S+V~/ S+V~」の大枠が確定。
だから↓ここまでで
By the time I was thirteen or fourteen / I began to try to know myself
⇒「私が13歳か14歳になるまでに 私は私自身を知ろうと試み始めた」
となります。
とりあえず、ひと区切りです。
いかがでしょうか? ご感想は?
-----------------------------------------
ここまでで
「もうアップアップだ~」
「めんどくさい!」
「こんな細かいことをいちいち考えるのかよ~嫌だ!!!!」
という感想を持つ人が大勢いる……ということを私は知っています。
そして、そういう感想を持つ人が概ね次の2種類(A・B)に分けられることを私は知っています。
Aの人:めんどくさい、細かいことなんて考えたくないよ。
そんなことしなくったって全体の意味はしっかり分かるじゃねえか。あ~くだらない。
Bの人:めんどくさい、細かいことなんて考えたくないよ。
でも、この長い英文全体の意味がさっぱり分からない。どうしたものか。困ったな。
そして、Bに近い人、すなわち次のCのような人もいます。
Cの人:へ~。なるほど。めんどくさいけど、こう考えれば確実に意味が分かるんだ。
やっぱ文法の力が必要なんだな。文法の学習を頑張るか。めんどくさいけどさ。
それで! ここでA、B、Cの方に知って欲しいことがあります。
A、B、Cの方には想像もつかない次のDのような人もこの世にはいることを!
Dの人
:へ~。なるほど。え? めんどくさい? 全然めんどくさくないよ! 細かい? 全然細かくないよ!
どんどん文法知識を吸収していきたい! そうすればこんな難解な英文の意味が分かるんでしょう! 文法知識がすごく快感だ!
私はDタイプです。
たぶんA、B、Cの方に私の感覚は信じてもらえんでしょうな… 特にA・Bの方には。
さてさて、ここで皆様に考えて欲しい私の意見が3つあります。次の3つです。
(1)Aの人は「文法が全く不要だ」。
私は文法必要派とよく誤解されます。違います。私は「全ての人に文法は必要だ」と言ったことは1度もありません。
「文法は不要な人と必要な人がいるのだ」というのが私の意見です。参考「文法の必要性の有無」<下から読んでください>(長いです)
(2)B、C、Dの人は「文法知識がそれなりに必要だ」。
文法の知識がなければ、少なくともこの英文の意味は分かりません。違うでしょうか?
(3)Bの人はAの人の意見を心地よく感じ、励賛し、文法学習をやらない。
Bの人は文法学習をやらないまま「何で読めないのだろうだろう?」と自問自答する。文法をやるしかないのかな?と思っても「文法をやりたくない」という「感覚」が勝ってしまう。(上の私の説明もわけが分からないはずである。文法を避け続けてきたので文法用語が最初から頭に入っていない。だからたぶん最初から読んでいない。読んだとしても流し読み。)
「文法を使わない学習法」を模索する。Aは上手くいくのだが、Bは結局上手く行かない。読解できないままなのになぜかAの意見を励賛したまま。したがってこういう長い文にいつまでたっても対応できないまま。このタイプの人が結局文法学習を完了した例を私は1例も知らない。
以上なのですが、皆様、(1)(2)(3)をどう思うでしょうか、 ぜひご意見を聞きたいです。m(_ _)m
え~と英文にもどりまして…
○, the sort of person I was,
苦手な人はここでまず立ち止まります。こんがらがってこんがらがってどうしょうもなくなります。
……っと、ここから先も解説したいですが、ひとまずやめておきましょう。Ψ(`∀´)Ψ
続きは来週です。
●皆さんでこの続きの訳例をコメントしてくださいませんか? この英文解釈の訳例をコメントをしてくださる方は「訳例に自信がない方」に限ります。訳例ができる人はできて当たり前ですから。
ちなみにこの英文は、私に言わせれば「大学受験問題としては平均レベルの問題(つまり難しい問題ではない)」です。
また、
●(1)(2)(3)に対するご意見も、コメントいただけると嬉しいです。(こちらは訳例に自信がある人でももちろんOKです)
それでは、また来週。
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