今日は「スピーキング」について書きます。
スピーキングのテストは「4つ考えなければならないこと」があると思います。
1文章作成能力(ライティング能力)
2正しく発音できる能力
3会話の練習
4リスニング能力
スピーキングと言うと、どうも「2正しく発音できる能力」だけが言われる気がします。しかしテストとなると、「2正しく発音できる能力」だけでは済まされないでしょう。
1文章作成能力(ライティング能力)
例えば、「父と母は東京に行っていて、今いません」…と「英語」で言わなければならないとします。スピーキングテストですから。なんて言いますか?
どうかすれば、Father Mother Tokyo go. とでも言いそうです。ここを見ている方なら、英語はある程度できる方であろうから、「こりゃ酷い」と思うかもしれません。
でもたぶん、英米人にはこれでもある程度通じるんですよ。別にテストでなければ、これでいいんじゃないか、とさえ私は思うくらいです。ただ、ここでは「スピーキングテスト」だから、これじゃひど過ぎる。せいぜい Father and mother go to Tokyo. ぐらいにはしてほしいです。これでも大間違いですが。
My father and mother have gone to Tokyo.
ぐらいが、模範的でしょうか。この現在完了形の表現だけで「今、父も母もここにはいない」というニュアンスまで表せますので。どうです? こういうのをいちいち作らなければならないのです。簡単に思えますか?
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2正しく発音できる能力
私みたいな音声嫌い(意味タイプ)はリスニングと共に最難関です。普段、音を覚えようとしていないからです。しかし、大体こういう試験の試験官は音にうるさい人(耳タイプ)でしょう。彼らを納得させる自信が「意味タイプ」にはほとんどないのです。
こういう話を聞いたことがあります…英検3級だっったか2級だったかの面接テストの試験官の話です。こう言っていました…「私は、 allow を『アロウ』と発音した受験者を全員落とした」
allow はカタカナで無理やり発音を表記すれば「アロウ」ではなく「アラウ」が正しいのです。「普段から発音を真っ先に覚えようとする人」には、この手の間違いが耐えがたい間違いなのでしょう。「スーパー易しい発音」なのかもしれません。ところが意味タイプは逆になるのです。発音こそ一番気にしない部分。私みたいな英語嫌いが嫌々英語をやる場合、一番後回しになるのが発音です。したがって一番難しい問題になる。
しかし! 普通は「発音を真っ先に覚えようとするような試験官」によって、「私みたいな発音が一番後回しになる学生」が評価されます。良い得点が取りにくいの自明でしょう。
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3会話の練習
スピーキングだから英語を喋らなければなりません。普段から英語を言いなれてないといけません。普通に考えて、これに最も有用なのは「Aさん・Bさん の会話の練習」でしょう。これは英会話好きな人にはきっと至福のひと時なのではないでしょうか?
ところがどっこい! 私みたいな英語デキラズは「これが最悪の地獄」なのです。与えらえた例文を覚えきれないからです。
どうなるのか? こちら↓が詳しいです。
http://q-eng.com/diary/19551
で! 私がこう書くと、必ずこう言う人が出てきます。→「相手がネイティブじゃないからダメなんだよ」と。
こう言う人は「ことの本質を間違って把握」しています。英会話嫌いにとってはネイティブ相手のほうが100万倍辛く苦しい。日本人相手のほうが100万倍楽なのです。
ネイティブ相手だと↓こうなります。
http://q-eng.com/diary/19707
こうなるので、我々みたいな人間にとってはスピーキングの練習はしにくいことこの上ないです。
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4リスニング能力
実は、上の1~3が全てうまく学習できたとしても、それなりに能力が高まったとしても、最後の「リスニング」の能力の欠如によって、全てが水泡に帰します。
だって「相手が何言ってるかわからなければ、返事のしようがないではないですか!」
『相手の言っている言葉が聞き取れるのが前提』なのがこの手の試験ではないでしょうか? リスニング能力がなければスピーキングテストでめちゃくちゃのことを言うのは自明です。いや、何も英語を発せられないのが普通でしょう。
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以上だけでも、英語が苦手な人がいかに急に不利になるかが分かられたと思います。
でもこれだけではないのです。現在の高1には輪をかけてこれを難しくしている現状があるのです。それついては来週以降にお届けします。
金曜日の夜11時からはいつものニコ生英文法講義です。次回は来週の
月曜日です。
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