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mouthbirdさんの日記

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2018年
09月17日
22:48 mouthbirdさん

中堅高校の(今年の)高1の地獄(3)

今日は「ライティング」について書きます。

 今までのセンター試験の英語には「ライティング」を測る問題はありませんでした。(途中からリスニング問題はできましたが)
新テストのライティングがどのようなものになるのかが、現段階では全くの未知数です。

 「ライティング」は単純に考えて大きく2つに分けられます。

(1)与えられた「日本語」をよりナチュラルな「英語に直す」(いわゆる「英訳問題」「(ふつうの)英作文」)
(2)与えられた「テーマ」に沿って、ちょっとしたエッセイを「英文で書く」(いわゆる「自由英作文」)

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(1)は昔から大学入試問題としては存在してきました。ただし普通はあまり対策は専門的に取られてきませんでした。理由は「難しすぎるから」です。

 私が浪人生だったころ、私は英語の先生にこう言われたものです。「英作文問題はたいして差がつかない。どんなに英語が得意な人でも、入試で出される英作問題で満点を取ることはまれである。たいていどこかで減点される。だから差があまりつかない。君らは安心して間違えなさい」
 ⇒つまり「ライティングは難しい」ということです。

(2)は私が受験生だったころ、今から30年ぐらい前からちらほら出始めた形式です。こっちは英文の正確性よりは「表現力」を問われます。例えば「あなたが好きな季節について500語程度の英語で書きなさい」というような問題です。あなたならばどう書きますか? 例えば I like summer. って書き始めて、そのあとどう書きますか? 500語書かなければならないのに3語しかまだ書いてないですよ。この場合、この後「夏はこれこれこうだから、他の季節より私は気にいっている」…みたいな話を書かなければならないわけです。


 どうです? 大学入試での「ライティング」って恐ろしく難しいと思いませんか?

 実は大学入試で「ライティング」を課すような大学は、ずっと「英語が難しい大学」に限られてきたのです。(誤解のないように言うと、「英語が難しいと言われる大学」の全てがライティングのテストがあるわけではないです。)


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参考までに…

 私が某語学出版社で働いていた時の話です。お金をもらっている翻訳家の人が、英文を作ってきました。その原稿の英文に間違いがあると困るので、原稿をネイティブスピーカーに持っていき、確認してもらっていました。するとどうでしょう。けっこう「間違い」が発見されるのです。つまり「お金お貰えるレベルの翻訳家」でさえ、間違った英文を書きかねないのです。いかにライティングが難しいか… お判りいただけると思います。


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で!
 今度は「大学入試の基準となるテスト」では「ライティング」が課されるわけです。英語が得意な人ならいいのかもしれません。ですが英語が極端に苦手な生徒もいるのです。彼らにはライティングの勉強のしようがない気がします。

 ⇒で試験で出される以上、英語が苦手な生徒にも「ライティングの勉強」は課されるでしょう。彼らにできるわけがない。苦しいだけ。はっきり言って「泣きっ面に蜂」。単に「苦しいだけ」だと思います。


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 金曜日の夜11時からはいつものニコ生英文法講義です。次回は来週の月曜日です。

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コメント

1番~6番を表示

2019年
04月16日
12:34
Kaizumiさん

こんにちは。いつも楽しませてもらっています。
僕は英文読むと気分が悪くなるし、ネイティブの発音が気持ち悪くて不快なくらい英語が嫌いなのですが、自由英作文だけはなぜか人並み程度には書けてしまうという謎の性質を持っています。(まあ模試などで点数が取れる程度ですが。)
個人的には、「知らない単語な熟語だらけの意味がわからない英文の解釈」より「自分の知ってる語彙をいかに工夫して自分の意思が相手に伝わるように表現するかを考えるだけ。しかも書く内容はある程度自分で決めていい!」となると自由英作文のほうがよっぽど魅力的にみえるのです。だから、「英語が苦手な人でも英語的な(論理的な)文章の組み立て方さえ学べば自由英作文だけは(満点とは言っていないが、他のところよりは)点が取れるようになる。」と思っていました。
もちろん僕も完全な英語が書けているとは思ってません。ただ、ぎこちなくでも相手に伝わり6割弱くらいは点数をもらえるものは書ける(書けていた)とは思っています。
この感覚は少し特殊だったりするのでしょうか?
もしよろしければコメントなどをもらえると嬉しいです。過去の記事にコメントをつけてしまって申し訳ありません。
これからも応援しています。

2019年
04月16日
18:53
mouthbirdさん

>>1 Kaizumiさん
>僕は英文読むと気分が悪くなるし、ネイティブの発音が気持ち悪くて不快なくらい英語が嫌いなのですが、自由英作文だけはなぜか人並み程度には書けてしまうという謎の性質を持っています

意味タイプの方に見えました。国語もそれなりに得意なほうではありませんか? もうしそうでなくても、人と話すのがそれほど苦ではない、少なくともコミュニケーション障害ではない、という方ではないでしょうか?
 そういう方であれば、Kazumiさんのような方は良くいらっしゃいます。そういう方は、文法学習をやややりにくく感じるのではないかと思っています。どうでしょうか?

2019年
04月16日
22:58
Kaizumiさん

>>2 mouthbirdさん
お返事ありがとうございます!
たしかに僕も自分はどちらかというと意味タイプだな〜と思っていました。

人と話すのは(人見知りであることを除けば)それほど苦でもないですし、国語の現代文はセンターレベルだと8割は安定できるくらいにはできました。(古文漢文はからっきしでしだが)
あと、確かに文法はちょっと苦手な印象でしたね。中学時代は例文を暗記させられててどちらかというとカンで答えを出してた人でした。高校になって文法をある程度詳しく説明されてよくわからなくなり、英文暗記を強制させる先生もいなくなって気がつけば英語が苦手に…(かなり嫌いなはずなのにいつから英語を嫌いになったのか思い出せないのです)

2019年
04月17日
16:00
mouthbirdさん

>>3 Kaizumiさん
意味タイプの例文暗唱タイプなんですね! 盲点でした。
私は例文暗唱がからっきしダメなんで><
例文が暗記できる人は、文法が覚えにくいのか?
それとも文法を教えるのが下手な人だったのか?
 どちらなのか、あるいはその両方なのかも…などと思いました。

2019年
04月17日
20:11
Kaizumiさん

>>4 mouthbirdさん
うーん高校時代の授業の記憶はあまり残ってないので先生が教えてくれるの上手かったかどうかはわかりません…
ただ、質問しに行くとちゃんと答えてくれたり、「英語を好きになればできるようになる!」ということを言う人でもなかったので先生が原因で嫌いになった、できなくなったわけではなさそうです。

mouthbird先生の文法解説の記事は結構納得いって読めました。

2019年
04月18日
09:37
mouthbirdさん

>>5 Kaizumiさん
Kazumiさんは理系らしいですね。理系の人は文法が比較的理解しやすいはずなのです。
でも例文暗記と比較して例文暗記のほうが楽に感じられる方は、文法のほうがやりにくいと感じられるのではないかと思います。その差なのかもしれない、と思いました。

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