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色々なthatを識別し、説明せよ!(解答編)
こんにちは。旧チャンネルブログの流れを汲む日記の水曜日がやってきました。
今週は解答編です。
今週は解説をお願いするという大変な内容にもかかわらず、6名様のコメントをいただき嬉しく思います。それでは早速、私からの解答例を発表します。
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問題:次の(4)~(10)の英文中の that の文法的な役割を、できるだけ詳細に説明しなさい。
(4)I know that Mt. Fuji is the highest mountain in Japan.
解答例
品詞:接続詞
名詞節を導く接続詞。「that+S+V~」の塊を作る that。(なお、この「that+S+V~」の塊は通常「that節」と呼ばれる)「that節」が今回は、「他動詞 know」の目的語になっている。他動詞についてはこちら。目的語についてはこちら。なおこの that は通常省略可能。
・英文の意味:富士山は日本で1番高い山だと私は知っている。
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(5)I'm sure that he will win the game.
品詞:接続詞
名詞節を導く接続詞。「that+S+V~」の塊を作る that。(なお、この「that+S+V~」の塊は通常「that節」と呼ばれる)「that節」が今回は、『S+be+感情や心理を表す形容詞』の後の目的語になっている。『S+be+感情や心理を表す形容詞』もなぜかその直後に「that節」を取れる。なお、「感情や心理を表す形容詞」は sure(確信して)のほかに、glad(喜んで)、sorry(気の毒に思って)などがある。なおこの that も通常省略可能。
・英文の意味:私は彼がそのゲーム(試合)に勝つと確信している。
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(6)It's natural that he should do so.
品詞:接続詞
名詞節を導く接続詞。「that+S+V~」の塊を作る that。(なお、この「that+S+V~」の塊は通常「that節」と呼ばれる)「that節」が今回は、文頭にある「主語」の it が指す「内容」となっている。いわゆる「it は that以下」というものである.これを「it that構文」と呼ぶ。この構文の it を「仮主語」もしくは「形式主語」と呼ぶ。それに対し that以下 を「真主語」と呼ぶ。なお「It が natural である」のだから、英文の意味は下記のようになる。
・英文の意味:彼がそうするのは当然だ。
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(7)I found it difficult that we solve the problem.
品詞:接続詞
名詞節を導く接続詞。「that+S+V~」の塊を作る that。(なお、この「that+S+V~」の塊は通常「that節」と呼ばれる)「that節」が今回は、find <span class="caps">A B (AがBと分かる)のA の位置にある it の「内容」となっている。これも「it that構文」と呼ぶ。これもいわゆる「it は that以下」というものである。この構文の it を「仮目的語」もしくは「形式目的語」と呼ぶ。それに対し that以下 を「真(の)目的語」と呼ぶ。なおfound it diifficult(it が難しいと分かった)であるので、英文全体の意味は下記のようになる。
・英文の意味:我々がその問題を解くことは難しいと私は分かった。
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(8)The bag was so heavy that she couldn't carry it.
品詞:接続詞
「so 形容詞(副詞) that S+V~」という形を構成している that。「so 形容詞(副詞) that S+V~」で「非常に形容詞(副詞)なので that S+V~」という意味を作る。この形の場合、so と相互に関係していることに注意。「so 形容詞(副詞) that S+V~」という使い方は(相互に関連することから、まとめて)「相関接続詞」と呼ぶことがある。なおthat節のみは「副詞節」である。なおこのthatも口語では省略可。
・英文の意味:そのバッグは非常に重かったので、彼女には運べなかった。
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(9)She heard the news that her son had won the game.
品詞:接続詞。
今回は少し事情が異なる。この that には特別に「同格の that」という名前が付いている。that の手前の内容が that なのである。この文であれば手前の news とは、= her son had won the game のことである。なぜ「同格」と呼ぶかというと、「She heard the news」と「She heard that her son had won the game.」は言っていることが同じだからである。なお「同格の that」は通常「という」という訳語をつけることに決まっている。
・英文の意味:彼女は息子がそのゲーム(試合)に勝ったという知らせを聞いた。
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(10) She heard the news that made her happy.
品詞:代名詞。
品詞的には確かに代名詞。しかしこの that は通常「関係代名詞の that」と説明される。that の次に来る動詞made の主語が無い。したがってこれは「主格の関係代名詞」である。関係代名詞についてはこちらを参照。なおこのような「主格の関係代名詞」は省略ができない。
・英文の意味:彼女は彼女を喜ばせる知らせを聞いた。
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(11)The suggestion that I made was rejected
品詞:代名詞。
品詞的には確かに代名詞。しかしこの that は通常「関係代名詞の that」と説明される。今度の that は同じ関係代名詞でも(10)と違い、「目的格の関係代名詞」である。that の後にいずれ来る動詞made の目的語が無い。したがってこれは「目的格の関係代名詞」である。関係代名詞についてはこちらを参照。なおこのような「目的格の関係代名詞」は省略可である。
・英文の意味:私が作った提案は却下された。
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以上になります。
色々コメント:
・(9)と(10)は共に手前の news と関係があるものの、使われ方が全く違うことにご注意ください。
・多くの英語が苦手な人は(11)の訳例を作るのを苦手としています。あなたは大丈夫だったでしょうか?
・It is … that の強調構文の例をうっかり忘れてしまいました。>< いつか機会があったらこれらも紹介しますね。
・that 1語でもこれだけバリエーションがあります。初学者けっこう厄介に思う人が多いはずです。毎回うまく役割を見抜いてくださいね。
それではまた来週~~~。
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