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関係詞とカン・その2(解答編)
こんにちは。旧チャンネルブログの流れを汲む日記の水曜日がやってきました。
今週は解答編です。
今回もたくさんの皆さまにご解答いただきました。ありがとうございました。
今回は実は「前置詞+関係代名詞」というものが裏のテーマでした。
英語の苦手な人は「関係詞」が苦手。とにかく色々な関係詞が苦手。その1つに「前置詞+関係詞」という文法があるのです。苦手な人の場合、これをカンで解いたらまず当たらないはずです。
では得意な人は? 実のところこれが未知でした。そこで今回は、得意な人は「カンで『前置詞+関係代名詞』の問題をどの程度解けるのだろうか?」…これに注目です。これを皆さんも知ることで、皆さんに「才能の差」を感じていだだけないかと思ったのです。
才能がある人ほど「カン」で全部当たり、私のような才能が0のような人はカンで解くと全部間違えるのです。
とっとと解説に移りたいですが、その前に。準備があります。まずは、自動詞、他動詞、目的語、といった基本用語を(曖昧に把握していたら、)以下で確認してください。また関係詞の基礎を読んでいない方は読んで置いてください。
自動詞 ⇒ http://www.alc.co.jp/beginner/article/mouthbird/2009/03/post_559.html
他動詞 ⇒ http://www.alc.co.jp/beginner/article/mouthbird/2009/03/post_562.html
目的語 ⇒ http://www.alc.co.jp/beginner/article/mouthbird/2009/03/post_565.html
関係詞の基礎 ⇒http://www.alc.co.jp/beginner/article/mouthbird/cat205/
では【前置詞+関係代名詞】の解説に移ります。例によって説明は長いです。
<準備問題>と<説明用問題>と<肝心な問題>と<補足>の【4部構成】です。
<準備問題> 次の( )に that 以外の関係詞を必ず入れなさい。
【1】Tokyo is the city( )I visited.
解説:まず先に( )の右を見る(絶対に先に括弧の左を見てはいけない)。
右は「I visited 」。 visited は他動詞であるのに、その右に目的語になる名詞がない。(本当は 「I visited the city」としたかったはずだ。the city という目的語がないのだ!)
右に目的語がない場合⇒( )には関係代名詞の目的格が入ると決定する。
その後やっと左を見て直前の名詞を探す。⇒今回は city。
city が「人」か「物」かを判断する⇒「物」
⇒先行詞が「物」で「目的格」の「関係代名詞」を
↓ここに載っている「表」から探す。
http://www.alc.co.jp/beginner/article/mouthbird/2008/08/post_504.html
表により、( )の答えは⇒ which と分かる。
【1】Tokyo is the city(which)I visited.
(東京は、私が訪れた都市だ)
となる。
なお! このような「関係代名詞の目的格」は省略できる。
つまり、
【1】Tokyo is the city(which)I visited.
=Tokyo is the city I visited.
である。
――――
<説明用問題>次の( )に that 以外の関係詞を入れなさい。
【2】Tokyo is the city( )I live in.
解説:まず先に( )の右を見る(絶対に先に括弧の左を見てはいけない)。
右は「I live in 」。 live は自動詞であるが、その次に in がある。その右に目的語になる名詞がない。(本当は 「I live in the city」としたかったはずだ。the city という目的語がないのだ!)
右に目的語がない場合⇒( )には関係代名詞の目的格が入ると決定する。
その後やっと左を見て直前の名詞を探す。⇒今回は city。
city が「人」か「物」かを判断する⇒「物」
⇒先行詞が「物」で「目的格」の「関係代名詞」を
↓ここに載っている「表」から探す。
http://www.alc.co.jp/beginner/article/mouthbird/2008/08/post_504.html
表により、( )の答えは⇒ which と分かる。
【2】Tokyo is the city(which)I live in.
(東京は、私が住んでいる都市だ)
となる。
なお! このような「関係代名詞の目的格」は省略できる。
つまり
【2】Tokyo is the city(which)I live in.
=Tokyo is the city I live in.
である。
――――
<肝心な問題>次の( )に 適切な語を一語ずつ入れなさい。(今度は that は可とする)
【3】Tokyo is the city which I live in.
=Tokyo is the city( )I live in.…(1問目)
=Tokyo is the city( )which I live.…(2問目)
1問目は楽。関係代名詞の目的格の which は、that と交換可能。したがって正解は that。
【3】Tokyo is the city which I live in.
=Tokyo is the city(that)I live in.
問題は↓2問目である。
【3】Tokyo is the city which I live in.
=Tokyo is the city( )which I live.
よく見ると、上の文の最後にあった 「in」 が、下の英文にはなくなってしまった。
実は上の文のように、
…「関係代名詞目的格(今回はwhich)」+【S+V(~)+前置詞】
といった
【前置詞の目的語がない場合の関係代名詞目的格」の英文は
⇒「前置詞」を「関係代名詞目的格(今回はwhich)」の左に移動させることができる。
つまり↓
【3】Tokyo is the city which I live in.
=Tokyo is the city in which I live.
(前置詞 in が which の左に【移動】しているのだ)
よって in が正解。
【3】Tokyo is the city which I live in.
=Tokyo is the city(in)which I live.
このときの「in which」のような塊を「前置詞+関係代名詞」と呼ぶ。
さらに!
「前置詞+関係代名詞」の形を作る場合、「関係代名詞」に that は使えない。
つまり、【関係詞の問題】の場合、
・ありえる⇒ 「前置詞+which」
・ありえる⇒ 「前置詞+whom」
・ありえない⇒「前置詞+that」
となる。
ただしこれはあくまで関係詞の問題の場合である。それ以外なら「前置詞+that」はありえる。
以上が「前置詞+関係代名詞」の正体です。
――――――――――――
では、お待たせしました。先週の問題の解答と解説。
(1)( )に入れられないものを選びなさい。
The picture ( ) has been sold already.
A. about which you were talking
B. that you were talking about
C. you were talking about
D. about that you were talking
解答:D (君が話していた絵は既に売れてしまった)
解説
Aは「前置詞+関係代名詞」が about which。上の【3】の2問目の説明どおり。問題ない。
Bは「関係代名詞(目的格)」が that。上の【3】の1問目の説明どおり。問題ない。
Cは「関係代名詞(目的格)」が省略されたもの。問題ない。
Dは「前置詞+関係代名詞」が about that。【3】の説明どおり、「前置詞+関係代名詞」の時の「関係代名詞」に that は使えない。よって正解はD。
―――
(2)以下の英文は1語不足している。適当な1語を適切な場所に入れよ。
There're two things I'm scared : snakes and thunder.
解答:scared の後ろに of を付け足す。(私が恐れているものが2つある。蛇と雷である)
解説
There're two things I'm scared …この部分だが、things と I とのつながりが不気味。
その間には本来
There're two things (which I'm scared) …という具合に、「関係代名詞」があったはず。
which は関係代名詞の「目的格」の省略のはず。したがって、which の右(I'm scared)のどこかに、目的語がかけていないければおかしい。
しかし which の右側(I'm scared)には、目的語が欠けていない。
なので⇒I'm scared の右に「前置詞を付け足して」、「前置詞の目的語がない」という状態にしたい。
scared は通常、「be scared of ~ ~を怖がる、恐れる」という意味を作る(辞書で scare(動詞)を引くと、このように受動態で使われる場合について書かれている。そこを見ると使うべき前置詞は of が最も良いと分かる)
I'm scared of two things. (私は2つのものを恐れている)
となるはずである。
よって、scared の後ろに of を付け足す。
There're two things ((which) I'm scared of) : snakes and thunder.
(私が恐れているものが2つある。蛇と雷である)
―――
(3)以下の英文は1語不足している。適当な1語を適切な場所に入れよ。
A friend I went to school got a gold medal in the Olympics.
解答:school の右に with を付け足す。(私といっしょに学校に行った友人の1人がオリンピックで金メダルを取った)
解説:got の主語を探すと、A friend しかない。
A friend と次の I とのつながりが変。ここには100%関係代名詞の目的格の省略があるに違いないと踏む。
A friend (whom I went to school) got ~. とし「私といっしょに学校に行った友人の1人が~を取った」としたい。
しかし whom の右側には目的語が欠けていない。
なので⇒I went to school の右に「前置詞を付け足して」、「前置詞の目的語がない」という状態にしたい。
「私といっしょに学校に行った友人」としたい。
だから、使う前置詞は with が適切。
I went to school with a friend. (私は一人の友人といっしょに学校に行った)
となるはずである。
よって、school の右に with を付け足す。
A friend ((whom) I went to school with) got a gold medal in the Olympics.
(私といっしょに学校に行った友人の1人がオリンピックで金メダルを取った)
―――
(4)次の英文では〔 〕で囲まれた部分に誤りを含む箇所が1つある。もしくは1つもない。
ある場合は、〔 〕手前に書かれた番号を書きなさい。ない場合は5と書きなさい。
Events 1〔in which〕 the older generation 2〔remembers〕 vividly are 3〔nothing〕 more than 4〔past〕 history.
解答:1 (旧世代が活き活きと覚えている出来事は過去の歴史だけだ)
解説:are の主語を探す。するとそれは「Events」しかない。
だから、in which から始まる関係詞の部分は vividly までだと分かる。
つまり
Events (in which the older generation remembers vividly) are ~.
(旧世代が活き活きと覚えている出来事は~だ)
にしたい。
次に、今回は「前置詞+関係代名詞」の問題だと把握する。「前置詞+関係代名詞」の「前置詞」は、元々右側にあった前置詞が移動しただけであった(【3】の2問目を参照)。
よって元の位置に戻すと
Events (which the older generation remembers in vividly) are ~.
となるはずである。
ところで、remember は自動詞だろうか? 他動詞だろうか? 正解は「他動詞」である。であれば in はいらないでないか!
つまり
×The older generation remembers in events.
○The older generation remembers events
となるはずである。したがって、in を含んでいる 1 がおかしい。in がいらなかったのである。
Events (which the older generation remembers vividly) are nothing more than past history.
(旧世代が活き活きと覚えている出来事は過去の歴史だけだ)
―――
(5)次の英文では〔 〕で囲まれた部分に誤りを含む箇所が1つある。もしくは1つもない。
ある場合は、〔 〕手前に書かれた番号を書きなさい。ない場合は7と書きなさい。
1〔What some scientists〕 2〔feel sorry〕 3〔is the application〕 4〔of their theories to the creation〕 5〔and ultimate use of〕 6〔weapons of war〕.
解答:2 「何人かの科学者が残念に感じることは彼らの理論が戦争兵器の創造と究極的使用への応用である(に応用されることである)」
解説:
番号と括弧が邪魔なので、取ってみる。
What some scientists feel sorry is the application of their theories to the creation and ultimate use of weapons of war.
is の主語を考える。これは初学者には難しいかもしれない。この is の主語は what なのである。この what は疑問文を作る「what」ではない。それは、文末に?(クエスチョンマーク)がついていないことで分かるはず。
この what は実は「関係代名詞のwhat」である。本当ならば関係代名詞のwhat について詳しく説明したいが、ここでは字数の関係で説明を大幅に省略する。
「関係代名詞のwhat」は「the thing(s) which」を1語で置き換えたもの、と習うことが多いはず。今回はこれを素直にあてはめる。すると
The thing which some scientists feel sorry is the application of their theories to the creation and ultimate use of weapons of war.
となる。which はもちろん「関係代名詞」である。では括弧をつけてあげよう。
The thing (which some scientists feel sorry) is the application of their theories to the creation and ultimate use of weapons of war.
↑ この文の is の手前までの意味を取ると
The thing (which some scientists feel sorry) is
「何人かの科学者が残念に感じることは~だ」としたい。
さて、この which は関係代名詞である。which が使われた場合は、その右には、主語なり、目的語なりが欠けていなければならない。しかし、
some scientists feel sorry
には、主語はある。feel は今回は自動詞(…と)感じる。補語は sorry。みんな揃っている! 欠けているところがない。
なので⇒some scientists feel sorry の右に「前置詞を付け足して」、「前置詞の目的語がない」という状態にしたい。
sorry は通常、「be sorry about(か for) ~ ~を残念に思う」という意味を作る(辞書で sorry を引くと、このような記述が見つかるはずである)。
つまり
×Some scientists feel sorry the thing.
○Some scientists feel sorry about the thing. (何人かの科学者がそのことを残念に感じる)
となるはずである。
よって、sorry の後ろに about を付け足す。(forでも可)
The thing (which some scientists feel sorry about) is the application of their theories to the creation and ultimate use of weapons of war.
The thing which を What に戻してあげると
=What some scientists feel sorry about is the application of their theories to the creation and ultimate use of weapons of war.
「何人かの科学者が残念に感じることは彼らの理論が戦争兵器の創造と究極的使用への応用である(に応用されることである)」
となる。
以上になります。
得意な人の多くは、カンで「けっこう当たってた人」と「間違いのほうが多かった人」と極端に分かれました。
当たった得意な人でも「難しい」とお感じのようです。
しかし、そのような得意な人の多くは「難しいと感じ」ながらも、「結局は当たる」ようです。やはり苦手な人にとって、この差は大きいと思います。
英語が苦手な人は、ホンマ、関係詞をしっかり学んで欲しいと願って止みません。
それではまた来週~★
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