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earth-riseさんの日記

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2014年
10月13日
04:45 earth-riseさん

「これが限界」と思ったところがその人の「限界」

  • その他
子供を育てているといろいろなことを教わる。
今回、本当に思った。

娘は小さい時から運動がダメだった。
運動会で走ればいつもビリ。ジャングルジムも怖がって登れない。縄跳びの二重飛びも逆上がりも大学生の今でもできない。いつも体育の先生に笑われていた。
小学校でも中学校でも高校でも、娘は体育の先生に尋ねた。
「先生、逆上がりができなくても人生困らないと思うんですけれど、必要なんですか?」
どの先生も同じように答えた。
「う~ん。先生も必要ないと思うんだけど、学校でやるって決まってるからね・・・。」

それが、大学に入ってかなりマイナーなスポーツを始めた。ただ楽しかったからそれなりに続けていた。
「へー。これは運動神経関係ないのか?」と私はひそかに思っていたが、娘に聞いたら、クラブの人たちはみんな運動神経いいんだよね(笑)。

日本ではマイナーすぎて(?)競技人口が少ないおかげで、娘のチームは学生の世界大会日本代表になった!

去年、娘が、
「私たち、来年の世界大会代表目指そうって言ってるんだよねW~。」
なんて言っていたが、もちろん私も、
「え~!世界???ははは。」
なんて笑っていた。
「だってさ、日本じゃ、ほかに女子で学生のチーム組めるほどやってるところないんだもん。ははは。」
と、娘も本気かどうかわからないようなゆる~い言い方をしていた。

それが本当に大会で日本代表権を得て、合宿を繰り返し、バイトでお金を貯め、チームジャパンのユニフォームを作り(結構高かったと言っていた)、必要な予防接種をいくつも受け(これも結構高かったと言っていた)、40時間かけ、成田から旅立った。

外国ではメジャーなスポーツなので、「日本の学生チームがかなうはずないけど、いい経験だね。」と夫と話していた。
中学でも高校でもクラブではずっと補欠で、いつも泣いていた。だから、大会の学校代表にだってなったことが無い。
それが、世界大会の代表である。
「マジすか?信じらんな~い。ま、こんなことでもなければ行かないようなところだから、いい観光旅行だね。」
と思っていた。

娘から時々メールが送られてきた。とっても楽しいらしい。学生十数人だからそりゃ楽しいでしょう。
現地じゃ英語もほとんど通じないらしいが(娘もどうせほとんど英語はできないし)、ホテルに泊まっているはずなのに、自炊したりして合宿状態らしい。

そして大会が始まった。

ネット社会って便利ですね~。Facebookって便利ですね~。登録しなくても選手の様子や大会の様子がすぐ見られるなんて。

開会式の時から、我が家のパソコンはずっと電源ONである。
他の参加チームや大会本部のFacebookと、他に関連したブログなど、日本語のサイト、英語のサイト、英辞郎オンザウェブ含めて15以上のタブを開いている。
試合もライブカメラで見られる!
でも・・・・・・・・・・ほとんど人がいない競技場が映っているだけだけど・・・・。その画面の前で居眠りしながら、ライブ放送を見ていた。
おー!娘である!あの、学校代表にもなったことが無い娘が世界大会で映ってる!
しかも!
4種目のうち、3種目でメダルをとり、しかもそのうちの一つでは、君が代を流した!総合でもメダルを取った。(メダルの取れなかった種目は最下位だったけれどね。)

私は感激した。
いつも運動神経が無いと笑われていた娘が、スポーツで金メダルを取ったのである。

「運動神経が無い」
それは違うのだ。

学校で評価する分野での運動がダメなのであって、運動すべてがダメなのではないのだ。
学校の勉強、学校の評価、周りの人たちの評価。
私たちは、小さい時からそれが自分という存在の評価だと思って育ってきた。
でも、違う。

それは、学校ですることについての評価、学校でする勉強についての評価、周りの人間がそれぞれのフィルターを通しての評価なのだ。
ほんの一分野の評価なのであって、自分全部の評価ではない。でも、他に誰も評価を下してくれないので、それが自分だと思ってしまう。

今回、娘は、今まで誰も評価してくれなかった分野でその能力を示したのだ。今まで誰も、本人さえ目を向けなかった部分で。本人さえ気づかなかった部分で。

人には誰だってそういうところがあるはずだ。

「私は不器用だからこれは無理。」
「私はできっこない。これが私の限界。」

そう思ったら、そこが自分の限界だ。自分で自分の可能性をそこで断ち切ってしまうのだ。
もちろん、性別、年齢、体力、その他の理由で越えられない限界は確かにある。
でも、すべてをそのせいにしていないだろうか?
自分がうまくいかない事の理由を、今までに下された他人からの評価を言い訳にしていないだろうか?

「限界」とは「信じないこと」だ、と思う。
自分の中の可能性を、たくさんの可能性を持った自分という存在を。

最初のメダルを取った後娘はこうメールしてきた。
「次は君が代を流すんだ」

たぶん冗談半分だったと思う。メダルが取れたことは自分でも信じられないと言っていたから。

でも、冗談だって自分の可能性を否定しないってことが大切なんだと思う。
3種目目がどん底の最下位。
でもあきらめなかった。そして最後の種目で金メダル。そのおかげで総合でもメダルを取った。

可能性を信じられたのは、チームだったからだと思う。
一人だったら、マイナス思考に陥りやすい娘は這い上がれなかったかもしれない。

半年前、娘の試合を見に行った時、娘を見て思った。
「チームっていいなあ。」

自分の足りない部分はチームメイトが助けてくれる。チームメイトができない部分は自分が補ってあげられる。
意見が違うこともあるけれど、自分の足りない部分に気づいてチームメイトの助言を素直に受け入れて、力を合わせてゴールに向かう。

チームメイト。週末と夏休みのほとんどを費やした合宿。アドバイスをしてくれた人たち。学校を休んで大会に行かせてくれた大学(先生!単位を融通してください!)

努力と環境、そして周りの協力。

それがあれば、人はいろいろなことができるのだ。
今回だって、完璧な環境で練習して大会に来られた人なんていないだろう。
でも、誰もが自分の可能性を信じて来ているはずだ。

私は娘に
「これがこの子の限界」
と思っていたところがあった。
でも違ってたね。
お母さんは、一つ、とても素晴らしいことを教えてもらったよ。


「限界」
この言葉は隅に置いておこう。

そして、
「可能性を信じる。」
まず、この言葉を目の前に置いてみよう。


娘よ、ありがとう。
そして、ゆっくり休んでね。

あ~・・・。でも。
祝杯をあげすぎないでね。
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コメント

1番~6番を表示

2014年
10月13日
05:26
mouthbirdさん

おお、素晴らしい! 世界大会に出たのは知ってたけど、世界大会で金メダルを取って君が代を流すとは!!! おめでとうございます!!
 やっぱ娘さんは只者じゃないな!!!!

2014年
10月13日
05:40
earth-riseさん

>>1 mouthbirdさん
先生、早いですね。まだ、この日記の編集中だったんですが(笑)。
先生、大会に出たのをご存じだったんですか。ありがとうございます。
金メダルの連絡は昨夜遅く来ました。今日が表彰式らしいです。
夏休みはほとんど家にいなかったようですが、それでもちゃんとコミケへは1日参戦しましたよ。やっぱ只者じゃない?

2014年
10月13日
08:54
biblioさん

デイリーニュースのお知らせをメールで受け取って(本当に偶然かも??)ここにやってきて、メールを拝読し、すてきなお話しに感激しました!おめでとうございます☆

自分もいままで17年、突っ走ってきたことになんだかこれ以上は難しいのかななんて感じていたところなので、とても印象的でした。やっぱりもっと頑張ります。
すばらしい娘さん!そしてお話しをシェアして下さって、ありがとうございました。

2014年
10月13日
09:40
neginohanaさん

なんの競技なのか気になります。
う~ん。
オリエンテーリング?

2014年
10月13日
10:17
megeninさん

まずはおめでとうございます!
苦手だと思ってた分野での受賞って、なおさらにうれしいですね^^
『可能性に限界はない、限界をつくっているのは自分自身だ』
まさに、、、
「膝が痛くて、、、頭」「痛がするので、、、」「血圧が高いので、、、」「腰痛がひどいので、、、」
そんな言葉と日々格闘しているので、なんだか救われた気持ちになりました♪

2014年
10月13日
17:37
miyunoさん

おめでとうございます! すばらしいっ! さすが毛蟹さん。すごく感動しました。
可能性を信じてみたくなりました。 へ?今さら何を…?ですけど。σ (#^^#)
ところで何の競技でしょうね~。気になります。

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