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mouthbirdさんの日記

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2012年
03月21日
23:56 mouthbirdさん

仮定法の発展問題(解答編)

smart.fm で更新してきた、旧チャンネルブログの文法問題をお届けします。
今週は問題編です。


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●アプリ情報:テストバージョン 2.14と2.15
本当にお待たせして申し訳ないです。ようやく発表できるバージョンになりました。
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先週の問題に参加してくださった皆様、ありがとうございました。
それでは今週の問題の解説です。

が、その前に、文法事項をまとめます。

まず基本の基本を先にもう1回書いて起きますね。
------
<公式>
「仮定法過去」
If A [過去形V]~, B would [原形V] ….
             could
             might
             should

もしAが~ならば、Bは…だろう。

<形は過去でも意味は現在>
※ [過去形V]のところが[be動詞]の場合、仮に主語が I や she, he などでも、原則「were」になる。

------
<公式>
「仮定法過去完了」
If A [had +過去分詞]~, B [would have 過去分詞] ….
                   could
                   might
                   should

もしAが~だったならば、Bは…だっただろう。

-------


ではここからが発展です。

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仮定法の【発展知識】のまとめ

●(その1)
「(今)~ならば(良いのに)なあ」
「(昔)~ならば(良かったのに)なあ」…といった表現

⇒「I wish ~ 」もしくは 「If only ~ !」といった表現で表します。

---

★「(今)~ならば(良いのに)なあ」は
 I wish + 仮定法過去.
あるいは
 If only + 仮定法過去 !
で表します。(どちらにしろ「仮定法過去」で表します)。

例文…「もし私が鳥ならばなあ」
 I wish I were a bird.
=If only I were a bird!

---

★「(昔)~ならば(良かったのに)なあ」
 I wish + 仮定法過去完了.
あるいは
 If only + 仮定法過去完了 !
で表します。(どちらにしろ「仮定法過去完了」で表します)。

例文…「もし昨日そのテレビ番組を見ていたら(良かったのに)なあ」
 I wish I had watched the TV program yesterday.
=If only I had watched the TV program yesterday!

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●(その2)
「まるで~するかのように」
「まるで~したかのように」…という表現。

⇒「as if ~」もしくは「as though ~」という表現で表します。

---

★「まるで~するかのように」は
 as if + 仮定法過去.
     +直説法現在.
あるいは
 as though + 仮定法過去.
       +直説法現在.
で表します。
 as if ~ もしくは as though の場合、話し手の推測の程度に応じて「仮定法でも直説法でも」使えます。ジーニアスに面白い例文が載っていたので、載せます。

Tim writes as if he were[(略式) was, is] left hand. ティムは左利きのような書き方をする。(◆次のような意味の分化を認める人もいる:were であれば実際は左利きでないこと、was であれば左利きかもしれないこと、is であれば実際に左利きであることを示す)
(ジーニアス英和辞典より引用)

---

★「まるで~したかのように」…という表現は
 as if + 仮定法過去完了.
あるいは
 as though + 仮定法過去完了.
で表します。

例文(出典:ロイヤル英文法)
Mom looked as if she had seen a ghost.
(母はまるで幽霊に出会ったような顔つきだった)
 *幽霊に出会ったほうが先の出来事。

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●(その3)

「もう~しても良いころだ」…という表現。

⇒ it is time ~
  という表現を使います。

これは
 it is time (that) + 仮定法過去.
という表現です。that は省略できます。

なお、
 it is high time (that) + 仮定法過去.
だと「もうとっくに~しても良いころだ」という意味。

 it is about time (that) + 仮定法過去.
だと「もうそろそろ~しても良いころだ」という意味です。

例文
 It is time you went to bed.(君はもう寝ても良いころだ)


※この表現にはもう1つ補足があります。
 it is time (that) + 仮定法過去.
             ↑
           ここの仮定法過去の部分の「過去形」の動詞が be 動詞の場合、
⇒ were よりも was のほうが適切…というルールがあります。

例文
 I think it's about time I was leaving.(そろそろ失礼します)

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以上が「仮定法の発展知識」でした。以上が分かっていれば、なんなく解ける問題でした。


それでは先週の答え合わせと解説に行きましょう。

--------

【問題】

(A)次の2文がほぼ同じ内容になるように、(  )に1語ずつ英語の適語を入れなさい。
・I am sorry that I am not in Paris now.
・I wish (  )(  ) in Paris now.

正解 I were (I was も可)
解説 上の文は「私は今パリにいなくて残念だ」という意味。であるならば、下は「今パリにいればなあ」という意味の英文にするべき。今の想像なので「仮定法過去」を使う。be動詞は口語でなければ were のほうが適切であろう。

----------

(B)(   )に入れるのに適切なものを選択肢から選びなさい
・The party was a lot of fun. I wish you (   ) there.
 1.were 2.had been 3.have been 4.would be

正解 2.had been
解説 英文は「そのパーティはとても楽しかった。あなたもそこにいれば(良かったのに)なあ」という英文を作るべき。であれば、過去の想像なので「仮定法過去完了」を使う。当然 had been。

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(C)次の日本文の意味を表すように(   )に最も適切な英語を1つずつ入れなさい。
・両親の言うことに耳を傾けてさえいたらなあ。
・If (   ) I (   ) listened to my parents!

正解 only had
解説 「(昔)~ならば(良かったのに)なあ」という表現は
 I wish + 仮定法過去完了.
あるいは
 If only + 仮定法過去完了 !
で表す。
 文頭が If なので、最初の(   )は only。後ろは過去完了にしなければならない。従って2番目の(   )は had である。

----------

(D)次の日本文の意味を表す英文として aとbとc を挙げた。
 トムは、まるで専門家のような口ぶりだ。
  a.Tom talks as if he is an expert.
  b.Tom talks as if he was an expert.
  C.Tom talks as if he were an expert.
  a.b.c のうち正しいものを「あるだけ」選べ。

正解 a,b,c
解説 上で説明したとおり、これは話し手の推測の度合いでどれでも使える。したがって全て正解。

----------

(E)次の日本文の意味を表す英文として aとbとc を挙げた。
 そろそろおいとましなければならない時間です。
  a.It is about time I am going.
  b.It is about time I was going.
  C.It is about time I were going.
  a.b.c のうち最も適切なものを「1つだけ」選べ。

正解 b
解説 これは上で説明したとおり、仮定法過去を使わなければならない。were でも間違いではない。しかし上で説明したとおり、この構文に限り were よりも was が適切。問題文は「最も適切なものを1つ選べ」なので、正解は b。


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以上になります。難しかったでしょうか?

(ちなみに、これは私にとっては楽勝でしょうがないんです。私は、偏差値が40もない頃でも、こういう問題は楽勝で全問正解でした。ここから、私の次の意見⇒「英語が嫌いな人は仮定法が得意。英語が好きな人は仮定法が苦手」…が生まれたのです。ご参考に)

いかがだったでしょうか?
来週はせっかくなので、仮定法の「応用編」を出しますね。(それで仮定法シリーズは終わりです)
それではまた来週!

問題編
http://q-eng.com/diary/8214

出典




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コメント

1番~9番を表示

2012年
03月22日
10:19
hadaさん

解説ありがとうございます。

Dの全問正解にはやられました。ひとつずつニュアンスが違うんですね。

あとEの「it is time (that) + 仮定法過去.」の仮定法過去の部分の「過去形」の動詞が be 動詞の場合、 were も使えるけれども was のほうが適切…というルールがあるというのはまったく知りませんでした。きっとそうなった何かの理由があるんだろうなあ。

次週は応用編とのことなので、今回の基本編をしっかり復習しておきます。

2012年
03月23日
00:02
たっつんさん

 Dについては、wasだとカジュアルな響きになる事は知ってました。なので、それが市民権を得ているかどうか、あるいは受験という観点で観た時、正解なのかどうか、という判断でした。

 as if he is 〜. については、仮定法現在で隠喩のような表現になるのかな、と思ったのですが、as if を使っている時点で明喩=直喩なので、現在形だろうと隠喩ではない、と後で思いました。ニュアンスとしては、仮定法現在の方が隠喩に近いような感じもしますが。

 英語であっても隠喩であれば、You are my angel. You are the beutiful rose. (ベタな英語でごめんなさいw)という風に、as if とか使わないはずですよね。問題文の和文は、「まるで〜のような」とあるので明喩ですよね。ってことは英訳した時もいずれにせよ、as if 〜 is/are/were/was がつくという事になりますね。

 そういう意味で、まず日本現代文の読み取り力がポイントかな、とか深読みしてました。
 また、今回の問題のおかげで、いくつかサイトを渡り歩いてこの仮定法の分野の復習できました。

 nativeにも聞いてみたので、お時間ありましたら読んでみてください。

 I wish S would DO ... (now). というような表現には、現在〜未来にかけて、時間的幅のある表現ができそうですね。テキストには would be や would DO は未来の内容だとありますが、(now を用いる事により)現在の仮定もできるというnativeの判断です。

 その他、I wish I + 過去形動詞 の仮定法過去は、何かイリュージョン的な力が主語である人間に備わっているくらいの非現実性があるみたいです。だから通常、I wish I would DO という表現になるそうです。would の控えめな感じや、「〜だったらいいのに」という仮定を強調する部分にヒントがありそうです。


http://lang-8.com/135031/journals/1371132/I-got-stuck-in-...

2012年
03月23日
10:02
neginohanaさん

Dの日本語の文「トムは、まるで専門家のような口ぶりだ。」からは、トムが本当は専門家ではない(と少なくとも話し手は思っている)ことが読み取れます。もし、本当に専門家なら「トムはいかにも専門家らしい口ぶりだ」になるのではないでしょうか。

ですから(ジーニアスの説明文に従えば)、Tom talks as if he is an expert. を正解に含めるのには抵抗があります。
日本語の文がなくて、ただ「正しい文を選べ」ならいいんですけどね~。(^_^;)

2012年
03月23日
16:46
mouthbirdさん

>>1 hadaさん
Eのwas ですが、何か理由はあるんでしょうけど私にはわからないですね。申し訳ありません。分かったら何らかの形でお知らせしますね。

>>2 たっつんさん
まず私はLang-8ユーザーではないので日記が見れませんでした(×o×)。
明喩(「まるで~」がある)と隠喩(「まるで~」がない)の例えはいいかもしれませんね。 本来、直説法なら「本当にそう」でなければならないはずですが、隠喩と捉えることが出来るかもしれません。私の出題は「まるで~」があったので、そういう意味ではaは選べないことになりそうです。ご指摘ありがとうございます。

>>3 neginohanaさん
仰るとおり、日本語の文がなくて、ただ「正しい文を選べ」の方がよかったです。出題の仕方が甘かったです。申し訳ありませんでした。m(_ _)m

2012年
03月25日
01:12
たっつんさん

as if の後に現在形が続く事など、他の辞書を見ると、そうでもない(=軽い)解説をしていますけどね。先生も述べられていますが、話し手と聞き手、それから状況によって理解が決まってくる、という解説のように思えます。

(2)単に様態をいう場合は直説法も用いる:He walks as if he is drunk. ((略式))酔っ払いのように歩く.

Dの例文は、例えば隠喩、metapherなら
和文:「トムの口ぶりは専門家だ。」(実際はそうじゃないという前置きがある場合、この文は隠喩になる。)
英文:Tom's talks is A expert.

と、冠詞も強調して an ではなく a [ei]と発音し、as if という直喩を用いない表現になるのかな、と思います。ただ、英語にはas it were, as it was, as it is, と直喩の中でも、細かく直喩から隠喩への段階やニュアンスが、仮定法の作用により分けられそうな感じがします。

2012年
03月26日
17:33
gyutakuさん

解説ありがとうございました。
(C)の "If only ~" や、(E)の "it is time (that) + 仮定法過去"といった
表現は意識したことが無かったのですが、便利で使いやすそうですね。
ちょっと練習してみようと思います。

2012年
03月26日
21:31
neginohanaさん

Native Speaker の方々には、as if の後に現在形を使うのは不自然に聞こえるらしいです。
そもそも as if は、本当はそうでない、またはそうでないかもしれない、という場合に使うのだそうです。

http://lang-8.com/43673/journals/1384923
(どなたでも読めるようにしてあります)

頑張って「Tom talks as if he is an expert.」の流れで書いた例文、ことごとく直されてしまいました。 (^_^;)

2012年
03月26日
23:41
たっつんさん

なるほど、そういうやり方があったわけですね。

わかりやすいです。ありがとうございます。

2012年
03月27日
00:42
mouthbirdさん

>>5 たっつんさん
>>7 neginohanaさん

どうも as if の後の現在時制は評判が良くないですね。少なくとも大学受験では現在時制でも正解にされます。ジーニアスでも同じ意味扱いです。
しかし、ネイティブの皆さまがことごとく過去形に直しているのをみると、現在時制で使わない風潮が今はあるのかもしれない。と思いました。(例えば最近は shall を耳にする機会が増えましたが、20年前はほとんど使われなかったようです。これが50年前だと別で、shall はよく使われていたのです。つまり shall は復権したわけです)

>>6 gyutakuさん
if only ~! は古めかしいので、今はあまりお目にかからないかもしれないです。
でも I wish ~ と同じと覚えることができるので、さほど難しくないと思います。
できましたらしっかり覚えられてはと思います。

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